「大学の研究室で学んだ内容が、そのまま活かせる」専門性と業務の一致
──お二人は、学生時代にどのような研究をされていたのでしょうか。

二木:大学では機械工学科に所属していて、熱力学や流体工学、物理学といった内容を学んでいました。
水村:私は研究室で流体工学を専門に、大学院では数値解析も扱っていました。
──就職活動中には、さまざまな選択肢があったと思いますが、司測研に入社を決めた理由は何だったのでしょうか。
二木:学生時代に学んでいた内容と、司測研で行っている計測器の開発や設計、製造といった業務がマッチしていると感じたのが一点です。それから、面談や面接を進めていくうちに、個人が裁量を持って仕事ができるのではないかと感じたのも大きなポイントでした。
水村:私も同じで、大学や研究室で学んだ内容を一番活かせる場所だから、というのが大きいですね。研究室では流体工学を専門にしていたので、計測器で流体を測るという業務にそのまま結びつけられると思い、ここを選びました。
──実際に入社してから、専門性は活かせていますか。
水村:流体を取り扱う業務なので、研究室で学んだ内容をそのまま活かしているような状態です。
二木:弊社の装置は複雑に見えますが、圧力計測や流量計測などの各種計測をベースに、それらを組み合わせることで作られています。大学で圧力や流量を扱っていたので、その構造や原理を理解するのに学んだことが活かされていると思います。
一年目から現場責任者へ。裁量と「全体を考えて動く」経験
──入社して最初に担当した業務は何でしたか。
二木:CFOという流量関係の装置の「校正」を行いました。校正とは、製品がきちんと基準の精度内で動いているかを確認する作業です。
水村:私も似たような仕事で、「EGR流量計」という装置の校正業務でした。EGRは未燃焼のガスを再循環させる機構で、その高温ガスを測る流量計です。ベースは流量なので、学生時代の学びを活かせた部分もありましたが、初めて扱う製品だったこともあり、新たに学ぶ知見も多かったです。
──当時の印象に残っているエピソードはありますか。
二木:標準品のほかに「特機」と呼ばれるオーダーメイドの一点物の製品があります。入社間もなく、あるお客様の水素ベンチに置く「SUS計測装置」を担当したとき、追加機能が必要になり改造業務を行いました。そこで初めて、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)やPT(プログラマブルターミナル)のソフトウェア改造を、先輩に教わりながら手がけました。
しかし、社内では完璧だと思っていたのですが、現地に行くと想定していなかった不具合が出ました。ソフトウェアだけでなく回路などハードウェア側の変更もあったので、どちらかがうまくいっていないと不具合が出るという苦労がありました。試行錯誤しながら、仮説・検証を繰り返して乗り越えました。

水村:私は、入社してちょうど一年目の終わりくらいに、大型装置の点検業務で現場の責任者として赴いた経験が一番成長できたと感じています。求められる責任も重くなる中で、全体を考えて動くことの難しさを実感しました。弊社は開発から設計、製造、保守まで一貫して担当しており、納入後も何十年と継続してメンテナンスを行うこともあります。
60年の歴史と向き合う仕事
──職場の雰囲気が大学の研究室に近いと言われているそうですね。
二木:裁量を持って自由に開発や設計に当たっている方を見ると、大学の研究室に近いと感じます。また、会社の規模的にも先輩や上司に相談しやすい環境だという点を見ても、そう感じますね。
水村:一つのテーマに何人かのチームを組んで取り組むことが多く、そこが研究室と似ています。社内の誰も知らないような古い製品が持ち込まれると、みんなで集まって「これは一体何ですか?」と会議が始まることもあります。紙の資料しか残っていない製品も多く、資料が見つからない時は、分解して機構や構造を確認することもあります。

──自分が生まれる前の製品と向き合うとき、どのような気持ちになりますか。
水村:弊社の歴史が長いので、我々が生まれる前に作られた製品も多いです。「これは自分が生きてきた年月よりも長く使われてきたんだな」と思うと、非常に感慨深く感じますね。
二木:それだけ長くお客様に使っていただいているのは光栄なことです。自分が新規で何かを作るときも、今後何十年も使っていただけるようなしっかりとした設計をしたいと強く思います。
少人数だからこその「風通しの良さ」
──少人数の会社ならではの良い点は何でしょうか。
二木:役職の区分が多くないので、上下関係にいい意味で堅苦しさがありません。一つのプロジェクトの中で、開発・設計から最後にお客様に届けるまでの一連の流れに関わることができるのも大きいですね。
水村:少人数だと相談がしやすく、上司や上長、社長にも直接相談できるので解決も早いです。皆さんとても優しいので、気軽に相談できるのも強みですね。
──トラブルが大きくなる前に対処できる環境なのですね。
二木:適宜進捗報告をしていれば、問題が大きくなることはないと思います。火種の小さいうちに対処できる環境です。

保守から開発へ。両方の視点を知る強み
──専門知識は実務でどのように役立っていますか。
水村:流体工学というベースの部分は活かされています。ただ、研究は一つのテーマを深く掘り下げますが、仕事としての計測器はまずお客様の需要があり、そこから深掘りする点が違うと感じます。ユーザーの時は「ちょっとした機能を追加してほしい」と簡単に考えていましたが、サプライヤー側になると大きな手間やコスト、技術的な難しさがあると実感します。両方の立場を知っているのはアドバンテージだと感じています。
──どんな人が司測研で活躍できると思いますか。
二木:製品ごとに計測する目的や対象、仕様が全く異なるので、好奇心を持っていろんな分野に挑戦できる人が向いていると思います。
水村:理系の学生さんが研究室でやられていることとかなり近い部分があるので、馴染みやすいと思います。開発・製造・設計・保守をすべて行っているので、さまざまな職種の業務を経験できるのも大きなアピールポイントです。

──今後の目標を教えてください。
二木:現状は保守業務が多いのですが、そこで知識やスキルを身につけて、将来的にはゼロから製品の開発や設計を行える技術者になりたいと思っています。
水村:世界情勢の変化に伴ってお客様の需要も変わります。時代の需要に沿った新製品を開発していけたらと考えています。
──最後に、学生さんに伝えたい魅力はありますか。
二木:業務とは直接関係ないのですが、製造業としては珍しく立地が良いことも魅力だと思います。田舎すぎず都会すぎず、住宅街に近い環境です。
水村:入社前後のギャップに悩む学生さんも多いと思いますが、弊社は大学で学んだ内容をさらにグレードアップして仕事に活かせる環境です。入社後のミスマッチが少ないのは、大きな魅力だと思います。

※所属・内容等は取材当時のものです。
編集後記
創業60年という歴史のなかで、司測研に培われたのは「若手にどんどん任せる」という風土だ。専門知識を土台に、一人ひとりが開発から保守まで幅広い業務に携わり、失敗や試行錯誤を重ねながら技術者として成長していく。少人数だからこその裁量の大きさと、困ったときにすぐ相談できる風通しの良さがある。長年培った技術を受け継ぎながら、自らの手で次の時代のものづくりを形にしたい、そんな技術者にとって、大きなやりがいを実感できる環境だと感じた。
