研究者だけが理系の道じゃない。「研究者を支える側」のキャリアを選ぶまで

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LabBase Media 編集部

研究者だけが理系の道じゃない。「研究者を支える側」のキャリアを選ぶまで

「理系院生なら、卒業後は研究職やエンジニアを目指すのが当たり前」——そんな固定観念を持っていませんか? 芝浦工業大学大学院のMさんは、大学院で研究に打ち込む中で「手続きの煩雑さ」や「資金不足」など、日本の研究現場が抱えるリアルな課題に直面しました。そこで選んだのは、自ら研究を続けるのではなく「自分より優秀な研究者が、全力で研究できる環境をサポートする」という新しい道。見事、第一志望であった電力中央研究所の「事務系職」として内定を勝ち取りました。 本記事では、理系の枠にとらわれないMさんのユニークなキャリア選択の裏側に迫ります。さらに、面接練習ゼロで挑んだ「新聞活用法」や、本当に行きたい企業しか受けない「無駄打ちゼロの合理主義」、バイトの待機時間を活かした「隙間時間マネジメント」など、忙しい理系院生必見の就活ハックも大公開! 「今の研究を一生の仕事にしていいのか迷っている」「限られた時間で効率よく就活を進めたい」と悩む就活生の皆さんへ、キャリアの視野がパッと広がるヒントをお届けします。 【この記事でわかること】 ・研究職に違和感を持った院生が、どうやって「事務系・支援職」という納得解を見つけたか ・選考免除やカジュアル面談などの「優遇ルート」が、研究時間の確保にどう貢献したか ・新聞を活用した「一段深い業界研究」が、面接での説得力をどう変えたか

学生プロフィール

項目内容
名前Mさん
大学名芝浦工業大学 大学院
専攻・分野理工学研究科 医療工学コース
研究テーマ疲労および睡眠に関する研究
志望業界医療機器メーカー、エネルギー業界、研究支援
内定状況電力中央研究所(内定承諾)


就活タイムライン

時期就活の動き研究・学業の状況
B4 3月-M1 4月先輩から早期化情報を仕入れる。新聞購読から業界研究を開始。修士課程がスタート
M1 5-6月インターンシップの選考に応募(計10社程度)研究計画の策定
M1 7-9月夏インターンに参加(1dayも含め5~7社)。LabBase就職で電力中央研究所との一次面接確約ルートに出会う予備実験の開始
M1 10-11月第一志望群の本選考開始。秋インターンも参加。研究のピーク。本実験と学会発表が重なる
M1 12月12月上旬に電力中央研究所より内定。就活終了本実験の継続


“研究”をやってきた自分だからこそ気づけた別の道


──就職活動を振り返って、まずは動き出しの時期から教えてください。修士1年の春から始められたのは、周囲と比べても早い方ですよね。


Mさん:そうですね。実は学部の時には全く就活をしていなくて、そのまま院に進学したんです。ただ、先輩たちから「最近は早期化がすごいから、夏インターンに向けて5月や6月にはESを出さないと間に合わないぞ」と聞いていて。それなら1、2ヶ月前には調べ始めないとまずいなと思い、3月頃から業界研究を始めました。早いというよりは、「遅れないように」という必死さの方が強かったです。


──最初はどのような業界を見ていたのでしょうか?


Mさん:学部から医療工学を専攻していたので、自然と医療機器メーカーの開発や研究職を見ていました。特に「睡眠」や「高齢者支援」に興味があったので、医療・介護用ベッドメーカーのような、自分の研究内容に近い企業が第一志望でしたね。


──専門を活かすという王道のルートですね。そこから、現在の内定先である「研究所の事務職」へと方向転換されたきっかけは何だったのですか?


Mさん:研究を進める中で、自分自身の限界と社会の仕組み、両方に気づいたことが大きいです。修士で研究に深く打ち込むうちに、「自分より圧倒的に優秀な研究者はたくさんいる。自分がプレイヤーとして一生研究を続けるよりも、そういう人たちが研究しやすい環境を創る方が、社会に貢献できるんじゃないか」と思うようになりました。 日本は科学技術にお金が回りにくい構造がありますし、研究者が倫理的な手続きや資金調達に忙殺されている姿も見てきました。それなら、理系のバックグラウンドを持ちながら、組織の運営や資金の立案を担う「事務系」として支える道があるはずだと。そんな時に、たまたま親戚の家の近くにあった「電力中央研究所」の存在を思い出したんです。


戦略的なツール活用が生んだ「研究時間の最大化」


──志望先が定まったあと、どのようにアプローチされたのでしょうか?


Mさん:電力中央研究所の採用サイトをチェックしていたのですが、同時にLabBase就職でも募集を探してみました。すると、そこにはサイト経由の応募者限定で「書類審査免除・一次面接確約」という案内があったんです。 私はESを書くよりも、直接対話で自分の想いを伝える方が得意だという自覚がありました。だから、この「確約」というルートは非常に魅力的でしたね。「まずは会って話を聞いてもらえる」という安心感は、精神的にも大きな支えになりました。


──「一次面接確約」というステップは、具体的にどう就活を有利に変えましたか?


Mさん:最大のメリットは「時間の節約」です。10月から12月にかけて、私の研究は実験のピークを迎えていました。本実験と学会発表、さらには大学でのアルバイトが重なり、分刻みのスケジュールでした。そんな中で、一からESを練り込み、結果を待つという不確実な時間をショートカットできたのは大きかったです。 浮いた時間で、会社のことをより深く調べたり、新聞を読んでエネルギー業界の課題を自分なりに整理したりすることに注力できました。結果として、いきなり「カジュアル面談」という形で人事の方と密度の濃い対話ができ、そこでの感触が良かったことが志望度をさらに高める結果に繋がりました。


──他にも多くのスカウトサービスがありますが、LabBase就職に感じた違いはありましたか?


Mさん:スカウトの「質」が圧倒的に違いましたね。他のサービスでは、誰にでも送っているような「特別オファー」が届くこともあり、正直期待外れなことも多かったです。 一方で、LabBase就職で届くスカウトは、大手の知名度がある企業が「私の研究内容やプロフィールを読んだ上で」アプローチしてくれている実感が持てました。闇雲に多くの企業に応募するのではなく、質の高い接点だけに絞って活動できたことが、研究との両立を可能にした決め手だったと思います。


研究のピークと重なった、泥臭い選考期間


──10月から12月は学会発表と選考が重なる多忙な時期だったそうですね。具体的にどのような生活を送っていたのでしょうか?


Mさん:あの時期は、本当に「すべてが同時にやってきた」感じでした(笑)。私の研究は、計画を立てて予備実験を行い、ようやく本実験に入るというステップなのですが、その本実験がちょうど10月から12月に重なってしまったんです。 さらに、11月には学会発表もありました。日中は大学内のアルバイトをしながら、隙間時間を活用して研究を進め、夜は実験データを解析する。そして合間に、電力中央研究所や医療機器メーカーの面接を受けるという日々です。


──面接の対策などはどのように時間を捻出したのですか?


Mさん:私の場合は、いわゆる「面接練習」は一切していません。その代わり、3月からずっと続けていた「新聞を読む習慣」が最大の対策になりました。 例えば、エネルギー業界なら再稼働の問題や脱炭素のトレンド、医療業界なら人材不足の問題。それらを「新聞」という消費者向けの媒体を通じてインプットしておくことで、社会課題を「自分事」として語れるようになります。面接で「どうして事務系なの?」「なぜこの業界なの?」と聞かれた際、小手先のテクニックではなく、自分の言葉で一段深い理由を話せたのは、この積み重ねがあったからだと思います。


納得の決断――「裁量」と「環境」を求めて


──最終的に電力中央研究所を選んだ決め手は何だったのでしょうか?


Mさん:一つは「事務系職種であっても裁量権が大きい」という点です。カジュアル面談で、若手のうちからどんどん意見を出して研究を支えるスキームを作っていける組織だと聞き、自分がやりたかった「研究環境の改善」を実現できると確信しました。 もう一つは、現実的な「働く環境」です。一都三県という勤務地、住宅補助や医療費控除といった福利厚生、そして何より「コアタイムのないフレックス制度」が整っていたこと。研究者のパフォーマンスを最大化するための制度を、事務職も同じように活用できる点に、組織としての合理性と魅力を感じました。


──第一志望だった医療機器メーカーへの未練はありませんでしたか?


Mさん:医療機器メーカーも選考が進んでいましたが、お話を伺う中で、私の今の研究は「開発」というよりは「探索的な研究」に近いことがわかってきました。先方は製品開発に力を入れていたため、私の志向との微細なズレを感じたんです。 一方で、電力中央研究所は「研究そのものを支える」立場。無理に研究内容を仕事に合わせるのではなく、研究への理解を持ったまま支援する側へ回る。そして、自分が本当にやりたい「探索的な研究」はプライベートで突き詰める。そうやって「仕事」と「研究」の関わり方を整理できたとき、迷いは消えました。


後輩へのメッセージ


──これから就活を始める理系院生に向けて、アドバイスをお願いします。


Mさん:まず、理系だからといって「研究職・開発職」に縛られる必要はない、と伝えたいです。修士まで進んだからこそ見える「研究業界の課題」があるはずです。それを解決する側に回るという選択肢も、立派な専門性の活かし方だと思います。


また、研究が忙しくなる前に「良質な情報源」と「有利なルート」を確保しておくことを強く勧めます。私の場合は、新聞を読む習慣と、LabBase就職での選考免除ルートが、荒波を乗り越えるための杖になりました。


「行きたくない企業」をたくさん受けても時間は削れるだけです。本当に自分が納得できる場所を絞り込み、そこに対して最短距離で動ける準備を整えてください。そうすれば、研究も就活も、どちらも妥協せずに完走できるはずです。


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編集後記


今回のMさんのインタビューを通じて、特に印象に残ったのは「理系ならではの新しいキャリア選択」と「新聞の活用」です。


理系で熱心に研究に取り組んできたからこそ、「卒業後は研究職やエンジニア以外のキャリアが見えない」、あるいは逆に「キャリア選択と研究は全く切り離して考えなければならない」と思い込んでいる方にこそ、Mさんのエピソードをぜひ読んでいただきたいです。ご自身が研究の現場で直面した「手続きの煩雑さ」や「資金不足」といったリアルな課題から、「自分が研究するのではなく、優秀な研究者が全力で研究できる環境をサポートする側に回る」という事務系職のキャリアを見出した点は、非常に示唆に富んでいます。これまでの研究経験を捨てるのではなく、違った角度から活かすという新しい視点に気付かされました。


また、就活の初期から新聞を読むことを習慣化し、それが単なる情報収集にとどまらず、業界・企業研究、ひいては一段深い志望動機を作り上げる「最強の面接対策」になるというお話は、まさに目から鱗でした。新聞から社会の課題をインプットし、「自分ごととして捉えて自分の言葉で語る」という姿勢は、小手先の面接テクニックよりも遥かに説得力があります。


理系といえばこういう仕事という思い込みにとらわれず、自分の経験から社会の課題を見つけ出し、自分らしいキャリアを切り拓いたMさんの軌跡が、進路に悩む皆さんの視野を広げるきっかけになることを願っています。


こちらの体験談が参考になった方は、ぜひLabBase就職でプロフィールを更新し、興味ありを押してあなたを待っている企業からのスカウトを受け取ってみてください。


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ライター
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