[環境・物質工学系] 博士進学との迷い。3ヶ月の海外調査と並行し、大手文具メーカー内定を掴むまで

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LabBase Media 編集部

[環境・物質工学系] 博士進学との迷い。3ヶ月の海外調査と並行し、大手文具メーカー内定を掴むまで

「研究が忙しくて、就活を全く進められなかったタイプなんです 」 インタビューの冒頭、Oさんはそう苦笑いしながら切り出しました。しかし、その言葉とは裏腹に、彼女の手元には大手シンクタンクからの内定と、第一志望である大手文具メーカーの最終選考結果が届いています。 彼女の就職活動は、国立大学の大学院生としての多忙を極める研究生活と、切っても切り離せないものでした。3ヶ月間にわたるベトナムでのフィールドワーク、目に見えないナノ粒子の分析、そして博士課程進学というもう一つの選択肢との葛藤。 「成功法則」ではなく、限られた時間の中でいかに自分を納得させる選択肢を見つけ出したのか。一人の理系学生が歩んだ、戦略的かつ誠実な意思決定のプロセスを辿ります。 【この記事でわかること】 ・物理的な制約をどう乗り越えるか:3ヶ月の海外調査と並行して大手企業との接点を作る戦略。 ・「専門性」を活かしたスカウト活用術:研究概要を読み込んだ精度の高いスカウトが、いかに効率化と自信に繋がったか。 ・キャリアの分岐点での思考法:博士進学か就職か。天秤を揺らしながら自分なりの「納得」を見つけるまでの対話。

学生プロフィール

項目内容
名前Oさん
大学院名国立大学大学院
専攻・分野環境リスク評価・分析化学系
研究テーマ河川におけるマイクロ・ナノプラスチックの分析方法開発と実態調査
志望業界文具・家具メーカー、素材メーカー、シンクタンク
内定状況大手シンクタンク内定、大手文具メーカー最終面接結果待ち(第一志望)、大手ガラスメーカー最終面接待ち


就活タイムライン

時期就活の動き研究・学業の状況
M1 4月LabBase就職に登録。4月末の博士向けイベントの広告がきっかけ授業が週5日あり、課題に追われる日々
M1 6月周囲の文系学生や他専攻の動きを見て、本格的に意識し始める1年前期の単位を取り切るため学業に専念
M1 7月夏のインターン準備。海外渡航のため対面参加が困難と判明ベトナムでの河川調査に向けた準備期間
M1 8-10月ベトナムからオンラインで4社のインターン・イベントに参加現地で河川のサンプリング調査に従事
M1 11-12月帰国。対面インターンへ数回参加。早期選考の案内が届き始める取得したデータの分析と学会発表の準備を開始
M1 1-2月スカウト経由の選考が本格化。シンクタンク等の面接が進む学会発表準備と選考ピークが重なる
M1 3月最終面接ラッシュ。第一志望の選考。シンクタンクより内定学会発表本番。


「見えないもの」を信じて追いかける研究と、不安から始まった就職活動


──まずは内定獲得、そして学会発表お疲れ様でした。Oさんの研究は非常にユニークですが、どのような内容なのか改めて教えていただけますか?


Oさん:ありがとうございます。私は「マイクロプラスチック」の研究をしています。環境中のプラゴミが紫外線などで細かくなった、マイクロメートル単位の粒子のことです。最近ではそれよりさらに小さく、脳や血液にまで入り込み健康被害を及ぼす可能性がある「ナノプラスチック」にも焦点を当てています。河川にこれらがどれくらい存在しているのかを調べるための分析手法を、質量分析計(GC-MS)などを用いて開発・実践しています。


──目に見えないナノレベルの粒子を追う、非常に繊細な研究ですね。就職活動を意識されたのはいつ頃だったのでしょうか。


Oさん:LabBase就職に登録したのはM1の4月末ですが、自分の感覚としては6月末に意識し始めました。同じ学年の文系学生たちがすごく早くから動き出していて、その熱気に駆られて「自分も何かしなきゃ」と思ったのがきっかけです。でも、私には大きな制約がありました。8月から10月まで、研究でベトナムへ行くことが決まっていたんです。


──目に見えないナノレベルの粒子を追う、非常に繊細な研究ですね。就職活動を意識されたのはいつ頃だったのでしょうか。


Oさん:LabBase就職に登録したのはM1の4月末ですが、自分の感覚としては6月末に意識し始めました。同じ学年の文系学生たちがすごく早くから動き出していて、その熱気に駆られて「自分も何かしなきゃ」と思ったのがきっかけです。でも、私には大きな制約がありました。8月から10月まで、研究でベトナムへ行くことが決まっていたんです。


──夏のインターンシップが盛り上がる時期に、海外調査が入っていたのですね。


Oさん:そうなんです。対面形式のインターンには物理的に参加できないことが確定していました。大学院の授業も週5日詰まっていて、課題も毎日こなさなければならない。就活のために割ける時間は、本当に限られていました。


物理的な距離を埋めた「精度の高いスカウト」という転機


──ベトナムにいながら、どのようにして企業との接点を作っていったのですか?


Oさん:活用したのはLabBase就職のスカウト機能です。他のサイトも試しましたが、IT系の画一的なスカウトばかり届いてしまって。でも、LabBase就職は違いました。私の研究内容を読み込み、興味を持ってくれた企業が「この分野の知見を活かせるから、よかったら話しませんか」とピンポイントで声をかけてくれたんです。


──具体的に、どのような出会いがあったのでしょうか。


Oさん:現在、最も志望度が高い大手文具メーカーとの出会いがまさにそうでした。7月の時点でスカウトをいただき、「海外にいるのでオンラインなら参加可能です」と伝えたところ、柔軟に対応してくださいました。ベトナムの河川で泥だらけになりながら、2時間の時差を縫ってオンラインでインターンや説明会に参加していました。


──現地でのハードな調査の合間に、日本の企業と繋がっていたのですね。


Oさん:はい。もし一社一社、自分で企業研究をして応募していたら、絶対にキャパオーバーになっていたと思います。企業側から私の専門性を見てアプローチしてくれたからこそ、無駄なエントリーを増やさず、精度の高い就活ができました。


研究、学会、そして選考優遇ルートを駆け抜けるリアル


──帰国後の12月から3月にかけては、どのような生活でしたか?


Oさん:人生で一番忙しかったです。3月の学会発表に向けた準備と、企業の選考が完全に重複しました。実験結果が出なくて「学会に行けないかもしれない」という焦りの中、面接の準備も進める。精神的にも体力的にもギリギリでした。


──その過密スケジュールを、どのようにして乗り越えたのでしょうか。


Oさん:スカウト経由の「選考優遇」が非常に大きな強みになりました。書類選考が免除されたり、早い段階から人事の方と面談を重ねられたりしたおかげで、面接一回あたりの重みが違いました。すでに私の研究内容を理解してくれている方との面接は、自己紹介から始める必要がなく、最初から「技術をどう活かすか」という深い対話ができました。


──具体的に、その優遇が研究時間の確保にどう繋がりましたか?


Oさん:もし通常のルートで何十社もエントリーシート(ES)を書いていたら、学会のデータ分析をする時間は無くなっていたでしょう。最終的にエントリーしたのは5〜7社程度でしたが、どの企業とも濃密なやり取りができました。


「人」と「資源循環」――迷い続けた果てに見つけた納得の形


──最終的に何を基準にして、最後の一社を選ぼうとされていますか?


Oさん:就活の軸として「資源循環の新たな仕組みづくり」を掲げていました。文具メーカーは、リサイクルしにくい複雑な素材を扱うからこそ、私の環境リスク評価の視点が活かせる。そこが大きなマッチングポイントでした。


──技術的なマッチング以外に、重要視したポイントはありますか?


Oさん:理系女子学生としての視点も大切にしました。ある説明会で、40人の参加者の中で女子が私一人だけだったことがあり、その時に「あ、ここは自分には合わないかも」と感じて選考を辞退したこともあります。逆に文具メーカーは、人事の方が最初から最後まで驚くほど優しく、社員さん同士が和気あいあいと楽しそうに話している雰囲気が伝わってきて、「この人たちと働きたい」と直感しました。転勤の頻度や子育て支援なども含め、ライフステージの変化に寄り添ってくれる環境かどうかを、説明会や面談を通じてじっくり確認しました。


──博士課程への進学についても、かなり迷われていたと伺いました。


Oさん:はい。修士1年生の頃は20%程度だった博士への想いが、研究を進めるうちにどんどん強まってきました。実は今もまだ、就職か博士進学か揺れ動いています。でも、就職活動を通して「自分の技術が社会でどう求められているか」を知ることができたのは、大きな収穫でした。4月には最終的な決断をしますが、どちらの道を選んでも、この期間に悩んだことが糧になると信じています。


時間管理の覚悟と、隙間時間の戦略


──これから就活を始める28卒の後輩たちへ、アドバイスをお願いします。


Oさん:まず、自分がどれくらい就活に時間を割けるかを早めに見極めてください。研究室が忙しいのであれば、無理に大量のエントリーをするのではなく、LabBase就職のようなツールを使って「向こうから見つけてもらう」戦略をとるのが得策です。


博士進学に迷っているなら、その迷いも隠さず、むしろその熱量を研究成果としてアピールしてください。学会発表や論文実績は、企業にとっても魅力的な「研究実績」です。研究も就活もどちらも頑張る生活は本当に大変ですが、隙間時間を徹底的に活用し、計画的に進めれば、納得のいく形は見えてきます。


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編集後記


インタビュー中、Oさんは何度も「時間管理の大切さ」を口にしていました。ベトナムという異国の地からオンラインで日本の選考に参加し、帰国後は学会と面接を同時並行で駆け抜ける。そのタフさは、日頃から「目に見えない粒子」を忍耐強く追う研究姿勢そのものが反映されているように感じました。


「博士か、就職か」という問いに対して、安易な答えを出さずに悩み続ける姿は、非常に誠実です。それは彼女が自分の人生に対しても、研究に対しても、常に本気で向き合っている証拠ではないでしょうか。理系学生にとって就活は、単なる内定獲得の場ではなく、自分の専門性が社会とどう接続するかを確かめる「フィールドワーク」なのかもしれません。彼女の決断がどのような形になっても、その先に素晴らしい未来が待っていることを願ってやみません。


こちらの体験談が参考になった方は、ぜひLabBase就職でプロフィールを更新し、興味ありを押してあなたを待っている企業からのスカウトを受け取ってみてください。


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ライター
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