女性社員が活躍する日立プラントコンストラクション。電気や機械の知識を活かし暮らしを支えるインフラをつくる仕事とリアルな働き方

LabBase Media 編集部

女性社員が活躍する日立プラントコンストラクション。電気や機械の知識を活かし暮らしを支えるインフラをつくる仕事とリアルな働き方

発電所や変電設備、鉄鋼・化学プラントなど、暮らしを支える社会インフラの施工を手がける日立プラントコンストラクション。日立グループのエネルギー関連プラント建設を一手に担う専門エンジニアリング会社として、60年以上の歴史の中で高度な施工・据付技術を培ってきた。そんな同社で、変電設備の据え付け工事を計画する「施工設計」を担当している中尾美咲さんと、品質保証部に所属し結婚・出産を経ながら勤務する鬼澤咲乃さんに、理系・機電系分野を学ぶ女子学生からは実態が見えにくい建設・プラント業界の仕事内容や、働き方やキャリアのリアルについて話を聞いた。 日立プラントコンストラクション: 日立グループのエネルギー関連プラントの建設を担う専門エンジニアリング会社。原子力・水力発電所や変電設備、鉄鋼・化学プラントなどの施工・設計・メンテナンスを一貫して手がけ、培ってきた高度な施工・据付技術で数百トン規模の大型機器を高い精度で据え付けている。 中尾 美咲 株式会社日立プラントコンストラクション 変電プロジェクト部 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 北九州工業高等専門学校の電気電子コース卒業後、2020年入社。 施工用図面作成、材料手配・発注などを担当 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 鬼澤咲乃 株式会社日立プラントコンストラクション 品質保証部 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 千葉大学 工学部を卒業し、2016年に入社。同部では、品質方針や目標を決定し、各部門が目標に沿って動いているかなどを評価して改善する業務を担当。 –––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

パソコンに夢中だった小中学生時代、「手を動かす」楽しさで電気の道へ


──学生時代はどんなことに興味を持っていましたか?


中尾:小中学生の頃は、将来について特に明確な考えを持っていたわけではありませんでした。ただ理系の道に進むようになったきっかけは明確で、親が姉の部活の送り迎えで忙しく、家で一人で過ごす時間の中で、自然とパソコンで遊ぶようになったことが理由です。中学生の頃は、家にいるとずっとパソコンの前に座って動画を見たり、調べ物をしたり。それで「パソコンが好きなら情報系や工業系の学校に行ってみたら」という親のすすめもあって、北九州工業高等専門学校(高専)に進学しました。


北九州高専は5年制で、入学から2年間は共通のカリキュラムで学び、3年生から専門コースを選択します。最初の頃は、情報システムコースを考えていたのですが、電気系の授業での実験がとても楽しくて、「プログラミングよりも、手を動かす電気系の方が自分に合っているのでは」と感じるようになりました。それに私の学校では、情報システムコースより電気電子コース・機械創造システムコースの方が就職率が高かったこともあって、電気電子コースを選択しました。


医療機器メーカーから一転、"先輩の話"で知った建設プラント業界


──就職活動では、どのように業界を選んでいったのでしょうか。


中尾:学校で学んだ電気の知識を実務で活かせ、社会貢献につながる仕事を軸に就職先を探しはじめました。当初は5年の時に所属する研究室として医療系分野の研究をしている研究室を希望していたため、医療機器メーカーを第一志望としていました。しかし研究室の希望者が多く、最終的には違う研究室に所属したため、他の業界にも目を向けることにしたんです。
「電気の知識を活かせる仕事」という軸は保ちつつ、勤務地や福利厚生も重視して会社を探す中で出会ったのが、日立プラントコンストラクションでした。同じ高専を卒業してうちに入った2人の先輩が、そろって学校にリクルートに来てくれたんです。 一人は学生時代に留学経験があり、英語を使う仕事を選んだ女性の方で、もう一人は発電所の建設工事に携わる仕事をしていた先輩でした。


建設工事に携わる先輩から、日立プラントコンストラクションが手掛ける仕事の規模の大きさを聞いて、すごく興味を惹かれました。世の中の誰もが生活の中で必要とする『電気をつくる』という、社会インフラそのものの仕事に関われることに、大きなやりがいを感じたんです。一般の人はなかなか見る機会のない、発電所づくりに関われることに、魅力を感じました。
また二人から、女性社員も活躍できる環境があることや、福利厚生もしっかりしていること、勤務地が本社である東京・池袋と、他に茨城県に2か所で、全国に多数の拠点を持つ企業と比べると勤務地変更が限定的であることを聞いて、すぐに学校推薦で応募しました。
その後、人事担当者との一次面接、役員との二次面接を経て、内定をいただきました。


高さ2m、重さ数十トンの変圧器の据え付けを計画


──現在のお仕事内容について教えてください。


中尾:変電プロジェクト部に所属しており、変電設備の「施工設計」を担当しています。
施工設計とは、変電設備に欠かせない変圧器などの機器を、どのように据え付けるかを計画する仕事です。 変圧器にはいろんなサイズがありますが、大きいものは高さ2〜3m、数十トンの重さになります。搬入にどのサイズのクレーンを使うか、機器を組み立てるための足場や養生をどう設置するか、機器同士をつなぐケーブルは何本・どの種類、太さのものが必要かーーこうした工事の手順や仕様を、図面や計画書として形にしていくのが主な仕事です。
機器そのものの選定は、元請けとなる日立製作所や、機器を製造する日立エナジーなどが行い、私たち日立プラントコンストラクションはその機器を前提に、どう工事・据え付けを進めるかを設計する役割を担います。


──直近ではどのようなプロジェクトに携わりましたか?


中尾:私が最近まで担当していたのは、日本の東西の電力を融通し合うための「周波数変換所」の据え付け工事です。日本の電力は歴史的な経緯から、東日本は50Hz、西日本は60Hzと、違う周波数で発電を行なっています。そのため東と西の間で、電力を融通し合うためには、周波数を変換する必要があります。東日本大震災以降、電力需要がピークになっても停電が起きないよう、地域間で電力を融通し合う体制づくりが全国的に進められており、私たちが作ったのもその役目を担う設備の一つです。約4年にわたって関わったこのプロジェクトでは、海外から届いた巨大な機器の頑丈な梱包を安全に開封するための手順書の作成や、機器を冷やす冷却水配管のレイアウト図作成などを担当しました。


──学生時代に学んだことは、今の仕事にどう活きていますか。


中尾:高専で電気・電子について学んだことすべてが、変電所の仕組みや機器を理解することに、すごく役立っています。また物理の授業で学んだ力学は、機器の重量計算などにそのまま使えますし、機器同士をつなぐケーブルの選定をする際にも、電気の知識が欠かせません。単線結線図(機器の配線を表した図面)を読み解く経験も学校の実験で何度も経験していたので、初めて担当したときから抵抗感なく取り組むことができました。


──現在の仕事のやりがいや、面白みは何でしょうか?


中尾:やはり、「たくさんの人々の暮らしに直結して役立つ設備を、自分たちが目に見える形としてゼロから作っている」ということです。すごく大きな設備でも、設計しているときは、図面の上にしか存在しませんので、なかなか完成形のイメージが湧きません。でも施工が始まってから確認のために実際に現場を見に行って、自分が計画した通りに工事が進み、装置ができあがっていくのを実際に目にすると、大きな達成感を覚えます。


「暑い現場仕事」のイメージとは大きく違う建設・プラントの設計業務



──建設・プラント業界はこれまで男性の社員が多く、女性にとっては「体力的にきつそう」というイメージを持たれがちです。実際に働いてみて、いかがでしょうか。


中尾:私が所属する変電プロジェクト部には約40人の社員がいて、うち女性社員は4人です。そのうち施工設計を担当するのは私と今年入社した後輩の2人で、確かに会社全体で見ても、女性社員の割合はそれほど多くありません。
しかし、私が担う施工設計の仕事は基本的にデスクワークなので、「体力的にきつい」ということはまったくありません。他の業界のデスクワークの仕事と、ほぼ変わらないと思います。現場に長期間常駐して、工事の進捗をマネジメントする現場監督とは異なり、私たち設計担当者が現地に出向くのは、現地調査や進捗確認のときぐらいで、長くても1週間ほどの期間です。


現場に常駐しながら設計を行う「現場設計」という業務が発生する場合もあります。昔は小規模な現場では女性用トイレなどの設備が整っていないところもありましたが、私が最近まで担当していたような大規模な現場ではそのようなことはなく、現在では女性用トイレの設置が義務付けられているので、女性でも現場に常駐しやすい環境が整ってきています。


建築・プラント業界は「暑い・寒い現場に出なければならない」というイメージから、女子学生に敬遠されるとしたら、それはすごくもったいないことだと思います。


──男女で仕事の任され方に違いはありますか。


中尾:設計の仕事に関しては、ほとんど差はないと思います。実際、私のチームでは性別に関係なく、みんな平等に仕事を割り振られています。一方、女性が少ない職場だからこそ、周囲の同僚が女性社員に気を配ってくれる場面が多いことも事実です。「腫れ物扱い」されるわけではなく、気にかけてもらえる、という感じです。入社当時、設計担当の女性は自分一人だけだったこともあり「大丈夫?」と声をかけてもらえる場面がよくありました。
職場の雰囲気を一言で表すと「和気あいあい」です。プロジェクトごとに6人前後のチームで仕事を進めることが多いのですが、プロジェクトの立ち上げ時や完了時には、メンバー全員で食事に行ったりして、コミュニケーションをとっています。


入社の決め手になった福利厚生


──福利厚生で助かっていることはありますか。


中尾:福利厚生でいちばん助かっていると感じるのは、家賃補助です。当社では家賃の最大5割(上限あり)まで補助する住宅手当制度があります。じつは最終的に入社を決めた理由の一つも、この制度があることでした。会社によっては「月2万円まで」などと額面が決まっていますが、当社では上限はあるものの条件を満たせばおよそ半額を補助してもらえるので、家賃の高い都心にありながら通勤しやすい快適なマンションで一人暮らしができています。

また研修制度も充実しており、入社1〜3年目の若手社員に対しては毎年研修があり、コンプライアンスやセキュリティ、輸出管理のルール、現場に出るために必要な安全教育などを体系的に学べます。安全教育はとくに建築・プラント業界では重要で、資格を持っていないと現場で責任ある仕事につくことができません。当社では新入社員のうちから安全教育を受けさせてもらえるので、その点はとても有利だと思います。


人々に貢献できるものづくりを日本各地で行うやりがい


──今後の目標を教えてください。


中尾:まずは、設備全体の設置を、一人でトータルにできるようになることです。これまで担当してきたのは電気関連の設計が中心で、機器の据え付けや組み立てそのものには、あまり関わってきませんでした。多様な現場で、変圧器を実際に据え付けるために必要な知識やノウハウを身につけ、一人で全体を見通す仕事ができるようになるのが、直近1〜2年の目標です。そして将来的には、案件の中心に立ち、複数の部下に指示をしながら計画を立て、実際に工事を主導できるようになりたいと考えています。


──最後に、全国の理系・機電系の学問を学ぶ女子学生の方々に、メッセージをお願いします。


中尾:先にも述べましたように、建設業というと、暑い日差しの中、外で働かなければいけないというイメージがあると思いますが、私の担当する設計業務のように、そうではない仕事もたくさんあります。


また現地調査などの出張では、日本各地の普通の旅行では行けないような場所、例えば深い森の自然の中や、一般の人が入れないダムの奥のような場所に行くこともあります。旅行では行けないような様々な土地に仕事で行けるのは、この仕事ならではの面白さだと思いますし、自然や旅行が好きな人なら、きっと楽しめるはずです。また私の所属する機電工事本部に限れば転勤はほとんどないので、出張が多くてもいつでも帰ってくる場所が決まっているというのは、女性にとって安心材料になると思います。


そして何よりこの仕事のやりがいは、「自分が働くことで、みんなが当たり前に使っている電気を支えている」という実感が得られることです。仕事を通じて社会貢献をしたい、世の中の役に立ちたい、自分の手で目に見えるモノを作り上げたいと思う方は、女性か男性かを問わず、ぜひこの業界に飛び込んでみてください。きっと充実した仕事に出会えるはずです。


日立プラントコンストラクションで働く女性社員の声


中尾さんのインタビューに加えて、2016年に日立プラントコンストラクションに入社し、結婚・出産を経ながら勤務する鬼澤咲乃さんにも、アンケートに答えていただきました。同社で働く10年目の女性社員のリアルな声をお届け致します。


──鬼澤さんが、日立プラントコンストラクションへの就職を決めた、決め手はなんだったのでしょうか。


鬼澤:就職活動では、学生時代に学んだことを活かしながら、社会や人々の生活を支えるものづくりに関わりたいと考えていました。その中で、日立プラントコンストラクションが発電設備や産業プラントなど、社会インフラを支える規模の大きな仕事に携わっている点に魅力を感じました。


また、私は就職先を選ぶ際、仕事内容だけでなく、福利厚生が整っていることや、ライフステージが変化しても長く働き続けられる環境であることも重視していました。就職活動をしていた当時は、まだ結婚や出産、育児を具体的にイメージできていたわけではありませんが、将来の生活を考えたときに、産休・育休をはじめ、仕事と家庭の両立を支える制度が整っていることは、長期的なキャリアを考える上でとても大切だと感じ、入社を決める際の大きな決め手の一つになりました。


──女性は結婚や出産、夫の転勤などのライフステージが変化するタイミングで、キャリアの変更を迫られることがあります。御社で働くなかで、鬼澤様ご自身がそうした大きな生活の変化に直面されたタイミングと、そのときにどのように対応されたのか、教えていただけますでしょうか。


鬼澤:私にとって大きな生活の変化は、2人の子どもの出産と、育児休業からの復職でした。現在、子どもは7歳と2歳で、それぞれの出産時に産休・育休を取得しています。復職にあたっては、上司や職場の方と相談し、現在は時短勤務を利用しています。限られた勤務時間の中で業務を進めるため、以前よりも優先順位を意識し、「今日中に対応すること」「今週中に進めること」「周囲へ早めに相談すること」を整理して仕事をしています。


子どもの体調不良などで、予定通りに仕事が進まないこともあります。そのため、日頃から業務の進捗や必要な情報を関係者と共有し、自分だけしか分からない状態をできるだけつくらないようにしています。
育児と仕事を両立していく中で、予定通りにいかない日も多々ありますが、その都度、家族や職場と相談しながら調整しています。


──ライフステージが変わったタイミングで、どんな会社のサポートを受けましたか?


鬼澤:出産時には2回産休・育休を取得し、復職後(現在)は育児のための時短勤務を利用しています。
また、子どもの体調不良などで出社できないことや、早退することもありますが、その場合は在宅勤務を活用し、状況に応じて仕事を継続しています。
子どもの看病が必要な場合には、子の看護休暇を利用することもできるため、仕事と育児の両立を支える大きな助けになっています。


──御社で働くほかの女性社員の方々は、仕事(キャリア)とライフステージをどのように両立されているか、教えてください。


鬼澤:私の周囲では、産休・育休を取得して復職する方や、時短勤務などの制度を利用しながら仕事を続ける方など、それぞれの家庭の状況や子どもの年齢に合わせて働き方を選択している方がいます。子どもの年齢が高くなったことで、時短勤務の中でも勤務時間を少し長くしたり、時短勤務を終了しフルタイムに変更された方もいます。


──最後に、全国の理系・機電系の学問を学ぶ女子学生の方々に、メッセージをお願いします。


鬼澤:機械・電気系の分野を学んでいる女子学生の皆さんの中には、「女性が少ない職場で働けるだろうか」「専門知識についていけるだろうか」「将来、結婚や出産をしても仕事を続けられるだろうか」と不安を感じている方もいると思います。


仕事と家庭の両立は決して簡単なことばかりではありませんが、働き方を調整し、周囲と相談しながらキャリアを続けていくことはできます。就職活動では、仕事内容だけでなく、ライフステージが変わった後も働き続けられるかという視点で、制度や職場の雰囲気、実際に制度を利用している社員の話にも注目してみてください。


編集後記


「暑い現場で汗を流す」というイメージが先行しがちな建設・プラント業界だが、中尾さんの話からは、電気の知識を活かしたデスクワーク中心の施工設計という働き方の選択肢が見えてきた。また、ライフステージの変化に合わせた働き方をしながらキャリアを築いていく鬼澤さんの話から、組織風土や働く環境への魅力も感じられた。 理系を学ぶ女子学生にとって、暮らしを支えるインフラづくりに関わる仕事の選択肢の一つとして、建設・プラント業界を知るきっかけになれば幸いだ。


※所属・内容等は取材当時のものです。

ライター
大越 裕
カメラマン
先方 提供
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企業情報

株式会社日立プラントコンストラクション


1.企業理念 日立プラントコンストラクションは、長年のプラント建設の経験をもとに、卓越したエンジニアリングと施工技術を提供し、エネルギーの安定と社会インフラ施設を支えつづけます。 2.経営ビジョン 私たちは、安全意識、施工技術、デジタル技術をみがき、グローバルな社会の課題にこたえるICT Construction®カンパニーになります。 3.事業領域 日立プラントコンストラクションは、CO2を排出しないクリーンな発電設備やそのエネルギーを広く届ける変電所設備、そしてそれを使って社会を支える鉄道設備などを、エンジニアリング&コンストラクション、サービスを通して、生活に必要な社会・産業インフラをつくり、つなげてお届けしています。 4.主要事業  (1)エネルギー事業 施工・メンテナンス・エンジニアリング   ・原子力・水力発電設備ならびに変電設備などの施工およびメンテナンス   ・大型モジュールの計画・設計・据付   ・各種プラントの設計   ・プラント配管製造   ・各種解析  (2)産業プラントシステム   ・産業・交通、化学、鉄鋼プラント等の建設・メンテナンス   ・鉄道車両の検修施設、特殊車両の設計・製作・納入   ・モノレールシステム機器(信号・分岐器・変電・通信等)の据付  (3)解析ソリューション技術   ・気流・水流・構造等の各種シミュレーション