理系就活、盛るなら「スキル」じゃなくて「マインド」っしょ! ギャル×テクノロジー「ギャル電」に聞く理系就活バイブスのアゲ方

インタビュー

2019.02.05

LabBase Media 編集部

型にはまった就活に喝! 自分の「好き」や興味を極めに極め、誰にもまねできないユニークな理系キャリアを築いている人に話を聞き、キャリア選択への”ドキドキ”や”ワクワク”を刺激する連載「理系キャリアの拓き方」。 第1回に登場してもらったのは、電子工作を広める活動をしているギャルユニット「ギャル電」。ギャルと電子工作は一見結びつかないように思えるが、2人が電子工作にかける思いは強い。2人はなぜ、電子工作を選んだのか。株式会社POLの執行役員であり、LabBase事業責任者の松崎太河が、これからのビジョンも含めて伺った。

  • ギャル電 まお・ きょうこ

    ギャル電

  • 松崎 太河

    株式会社POL

    LabBase事業責任者


ギャルマインドでフットワークは軽く!チャラい電子工作を広めたい


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松崎:お二人は2016年9月からギャル電の活動をはじめられたんですよね。まず、活動の経緯を教えていただけますか?


きょうこさん(以下、敬称略=写真右):もともと私は趣味でクラブのショーケースとかに出演していて、目立つショー衣装を自分で作っていました。それが次第に「ギャルが電子工作したほうが面白くね? ってなって。これからはギャルが電子工作をする時代が来ると思い、電子工作ができるギャルを2年くらい探していました。


松崎:2年も!? でも、たしかになかなかいませんよね。


きょうこ:飲み会に行くたび聞いて回っていましたね。あまりに見つからないので「根性のあるギャルだったら誰でもいい、時給も払う!」と言っていたんですが、そんなときに知人に紹介してもらったのがまおでした。


まおさん(以下、敬称略=写真左):私も1人でチャラい電子工作を作っていたんですよ。大学の授業でロボットを作ることがあったんですけど、趣味の延長のようなアガる工作をしたいなと思って、ピカピカ光って可愛い電子工作を自分で作るようになって。その頃、きょうこさんを紹介してもらいました。


松崎:じゃあ最初からかなり意気投合したんじゃないですか?


きょうこ:そうですね。まおと出会う前は「この電子工作やべー」と思っても、誰とも分かち合えなくて寂しかったですし。2年探したかいがありました(笑)。


松崎:そんな2人が出会って生まれたギャル電は、どんな活動をしているんですか?


きょうこ:ギャルのための電子工作の作例を作ろうとしています。私たちが作ろうと思ったときに、イケてる見本がなくてすごく苦労したんですよ。まずは作例を作って、クラブに遊びに行ったり、TwitterやSNSで発表したりしたのが最初ですね。


まお:作例や活動を紹介するブログもやっています。


きょうこ:ライトニングトークのイベントに出ることもありました。最初は2人ともプレゼンの経験はなかったけど、やるしかない。ガードマンがいる立派なビルにギャル2人で乗り込みました。「気合い入れんならこれっしょ!」ってことで、オフショルで。


松崎:オフショル……?


まお:あ、肩バックリ出てるこういうやつです。


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松崎:(笑)。2人ともすごくフットワークが軽いですよね。その身軽さはどこからくるんでしょう?


きょうこ:それはもう、ギャルのマインド。


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松崎:マインド(笑)。


きょうこ:軽い気持ちで「やってみるか」っていう。プレゼン用の資料も、なるべく文章を書きたくないから写真を工夫して、楽しくできる方法を編み出しました。


まお:最初は不安もありましたけどね。そういうときは楽屋でEDMで踊ってテンション上げてから行きます。


松崎:プレゼンではどんなことを伝えたいと考えて登壇したんですか?


きょうこ:ギャル電は「技術はすごいけど使えるか分からないもの」より、「クラブでモテて扱いが簡単」という実用性を追求しています。 モバイルバッテリーを使った電子工作で、バッテリーがなくなってもドンキで買える、とかね。特別な材料を使わず、安く作れて「ちょっと頑張ればできる」くらいの作例を、日本でももっと増やしていきたいなと思います。


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まお:まずは難しいことはせずに、自分ができる電子工作から始めてみてほしい んですよね。とりあえずわたしたちはめっちゃ光らせて、ここにスイッチつけたら良くね? とか、そういうふうにちょっとずつできることを増やしていく。難しいもの作るより、「じゃあそれクラブで使えてモテんの?」が大事。そういうハードルの低さはアピールしたいですね。


松崎:たしかに実用性やユーザーの観点は重要ですよね。お二人の活動は、届けたい層に届いている実感はありますか?


まお:はい。ギャル電の活動が2年目に入って、最近はその実感がありますね。クラブで話しかけてくれたギャルがインスタグラムをフォローしてくれて、電子工作ワークショップに来てくれたり。


あと、ギャルは日ごろからデコネイルをしているので手先が器用! コテで髪を巻いているから熱いのも慣れてるし、はんだごての扱いも感覚をつかむのがすごく早いです。


きょうこ:ギャルと電子工作、親和性高いよね。ギャルが電子工作スキルをアゲたらシンギュラリティは2045年よりも前に来ると思いますよ!


盛るなら「スキル」より「マインド」っしょ


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松崎ギャル電は「メイクやスタイルは盛るけど、スキルは盛らない」と伺いました。そこにはどんな哲学があるのでしょうか? 就活生は自分をよく見せたり、賢く見せようとしてしまうので、参考になればと思っています。


きょうこスキルを盛って就活しても、後で自分が苦しくなっちゃう。相手がその分野を知らないから自分のスキルを盛ってやろう、ってカッコ悪いですよ。盛るのは「気持ち」。ギャル電も参考にしている、ヒップホップの「セルフボースト」という考え方です。「俺最高!」って自慢して、中身が空っぽだったらダサいじゃないですか。言ったからにはやるぜっていう、その「やるぜ」が格好いいんです。


ウケが良さそうな言葉を探りながら話すと、相手には伝わります。面接の人が変な顔をしても、「俺は最高だからお前が調子を合わせてこいよ」ぐらいの気持ちで挑めばいいんじゃないかな。


松崎:なるほど(笑)。まおさんはいかがでしょう?


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まお:もちろん自信を持ってやってもダメなときもあると思うんです。そんなときでも「あっ」って顔は絶対にしない。間違えても「しまった!」って空気を作らないことが大事なんです。落ち込んだらいっぱいご飯食べていっぱい寝てすぐ切り替える。「とりまやってこ」くらいの気持ちでガンガンやっていくしかないんですよね。


松崎:ありがとうございます。ギャル電が就活に使える電子工作を作るとしたら、どんなものを作ってみたいですか?


きょうこ:面接で口下手な人のために、スマホで書いたことを喋ってくれるホームスピーカーを作る。


まお:チョーカーにしたら可愛いかも。「Alexa、代わりに自己アピールして」とか。


松崎:ハードコアですね(笑)。それを作ってきた時点でかなり強いアピールになりそうです。


きょうこ:それだけやって落ちたら、そこは自分の場所じゃなかったと思えばいい。就活は相性です。採用する企業が偉いわけではないので、むしろ「俺を活かせる企業、プッチャヘンズアップ!(手を上げろ)」ぐらい開き直ったらいいと思います。


狙った掛け算はフェイク。足もとのリアルを組み合わせよう


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松崎:お二人の今後のキャリアについても伺いたいと思います。「ギャル×電子工作」のようなユニークな存在になるためには、キャリアやスキルも掛け算が重要なのかなと思うのですが、他にはどのような方法が考えられると思いますか?


きょうこ:ギャル電も掛け算を狙ったって言われるんですけど、実際は格好いいと思ったことをやっているだけなんですよ。化粧ポーチの中にはんだごて入れちゃう、みたいな。


まお:深い考えがあったんじゃないかと思われるけど、全然ないよね。楽しいと思ったことをやっているだけなので、むしろ浅い(笑)。それに、わざと狙った掛け算してもリアルじゃないし。


松崎:掛け算そのものが目的化してはいけないということですね。あらためて、お二人の今後の展望を聞かせてください。


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きょうこ:ギャルが自分の力として技術を身につけて自立できる世の中を作りたいなって思っています。そのためには知識とか経験って絶対必要なんですけど、そこにたどり着くチャンスって、実はあんまりなかったりする。


わたしも普通の家庭で育って、周りに大学に行こうなんて考える友だちは全然いなかったんです。だから、ギャル電の活動を通してギャルが「思いもよらなかったもの」に触れて技術を身につけられる機会を、これからもコツコツ作っていきたいです。


まお:「ギャルがこんなことできたらやべー」っていうマインドで、新しくできることをどんどん増やしたい。過去のカルチャーのコピーではなく、常に今の自分たちをアップデートしていきたいですね。進化しないのはダサいじゃないですか。


きょうこ:最終的に「2020年代は電飾ギャルの時代だった」みたいな話にならないかなとも思っています(笑)。ギャル電の名前は残らなくていい。ガングロギャルもヤマンバも、誰がはやらせたかなんて分からないでしょ? 


まお:歴史を後から振り返ったときに「ギャルが電飾を作るのが大流行した」と語られるようになったらいいと思います。そしてその後、日本の工場文化がどんどん発達して、日本のものづくりが復活! みたいな。


きょうこ:元ギャルのパートのおばちゃんがすごい技術を持っていて、就職先も見つかるし日本のものづくりも盛り上がるみたいな。もしそうなったら、すべてウィンウィンですよね(笑)。面白い未来になると思います。


編集後記


「クラブでモテたい、目立ちたい」から電子工作をはじめた2人のギャル。ノリとは裏腹に、ビジョンを持って実直に「好き」を追求する姿勢に強く心を奪われた。ギャルという生きざまと電子工作への愛を何よりも大切にするギャル電のように、自分たちのリアルを追求する視点が大切だと感じさせられた取材だった。




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