最先端の半導体プロジェクトを、グローバル環境で。アルチップ・テクノロジーズが「変化への対応力」でサバイブする理由

インタビュー

2019.02.18

LabBase Media 編集部

アルチップ・テクノロジーズ 世界的システム企業および半導体企業に、最先端のファブレスASIC/SoCソリューションを提供するリーディングカンパニーとして、グローバルに顧客を有している。 変化の激しい半導体業界で成長を続けるアルチップ・テクノロジーズは、「変化に強い人材」と共にさらなる発展を計画中だ。台湾に本社を、中国に複数拠点を有し、アメリカなどにも活躍の場を広げる同社の多国籍な働き方や、新卒採用、業界の未来像などについて、創業メンバーでもある高嶋光也氏に話を伺った。

  • 高嶋 光也

    アルチップ・テクノロジーズ

半導体の「バックエンドに注力」で、最先端を走る


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――アルチップ・テクノロジーズにはどのような経緯で入社されたのでしょうか?


大学卒業後に半導体総合商社でEDAのAEを経験し、その後シンプレックスという会社に転職したのですが、その半導体設計サービス部門の主要メンバーがアルチップを創業することになり、私も誘ってもらいました。2003年の設立時から今年で16年目になります。


アルチップのビジネスモデルは、簡単にいうと2本立て。1つは半導体の、特にレイアウト設計のみを受託する設計サービスで、チップの組み上げはお客さまがやります。もう1つは ターンキーというサービスで、お客さまからスペックなどのデータを頂き、半導体のチップそのものを納品するところまでがわれわれの仕事です。


――クライアントがアルチップ・テクノロジーズを選ぶ理由はどんなところにあるのでしょうか。


まずチップの設計として、企画から論理設計、レイアウト設計、製造という流れの中で、われわれはその後半のレイアウト設計、製造、テストといったバックエンドの部分に注力しています。最先端の物から大規模な物まで、さまざまなチップのバックエンドに特化しているのが特徴です。


例えばお客さまにとって企画してチップを作るのが数年に一度なら、その開発サイクルの中で、最先端のレイアウトフレームやテクノロジーを常にキャッチアップして、技術的に準備しておくのは非常に難しい。そこで、上から下まで全部をお客さまがやるのではなく、われわれが最先端の対応をできる体制を常に用意してバックエンドの部分を担うことで、お客さまは企画と論理設計の部分に注力することが可能になります。


日本にかつて何社もあった大手の半導体メーカーは、垂直統合型で、論理設計から最後まで全部を担当するというスタイルでした。しかしアルチップは水平的に、バックエンドに注力する形です。


半導体のレイアウト設計へ、異分野からの転職


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――高嶋さんご自身は、もともと半導体業界を目指していたのでしょうか?


大学では機械工学を専攻し、半導体とは全く関係のない分野にいました。出会いを縁に、私が大学卒業後に最初に入ったのは、いわゆる半導体商社。当時、半導体業界では今のように統廃合が進んでおらず、国内にたくさんの大手メーカーがありました。


その会社では、半導体設計のEDAソフトウェアの販売代理店でエンジニアをやりました。サポートをしながら使ってもらうタイプの特殊なソフトウェアだったので、販売時と販売後のサポートをするエンジニアとして技術部門にいました。大きい会社だったので、基礎的なことは入社後に教育プログラムや研修などでいろいろ勉強させていただきました。


ただ、ソフトウェアのサポートをしていても、設計の現場を経験しないと分からないこともある。それで、将来のためにもなると思い切って設計のほうに転職したんです。


シンプレックスに入ってからは本当にエンジニアとして、実際に手を動かし半導体のレイアウト設計を担当しました。設計に使うソフトウェアはどんどん進化するので、当時も発展途上の部分があり、設計はどうしても経験者のスキルや経験に依存するため、職人芸のような要素もあったと思います。


――現在、アルチップの日本オフィスではどんなお仕事を担当されていますか?


手を動かして設計をするというより、どちらかというとマネジメントです。日本拠点は20人程度の小規模なオフィス。設計の現場を理解した上で、 日本のお客さまのプロジェクトを受注し、プロジェクトの管理をしたり、お客さまをサポートしたりしています。


アルチップは本社が台湾で、設計リソースとしては上海のデザインセンターが中心。ほかに中国の大都市に複数の拠点があり、新拠点もどんどん追加しています。各拠点に100〜200人単位の設計メンバーのリソースプールがあります。


日本オフィスでも、この15年間に多様なプロジェクトがありました。例えば輸出規制などの絡みで、日本国内で設計をする必要がある場合は、日本のメンバーのうち設計経験者が実際に設計をしたり。それでは人が足りず中国からエンジニアを何カ月か呼んで、日本にチームと設計環境を作ったこともあります。サポート業務だけというより、いろいろなビジネスモデルに柔軟に対応してきた感じです。


多国籍チームで働くこと、学び続けること


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――アルチップ・テクノロジーズで働く中で、求められているのはどんなことだと感じますか?


アルチップで感じているのは、半導体業界の変化の大きさ。例えば大規模プロジェクトで、一定期間われわれが中国でチームをマネジメントして進めるなど、多国籍環境もその一例です。昨年はお客さまのプロジェクトのサポートで、通算半年はアメリカにいました。日本のプロジェクトで中国のメンバーとやりとりをする場合も、共通言語は英語です。


日本オフィスは小規模ですが、いろいろな場所、サイト、国、立場で働くというのは、常に求められています。


語学力だけでなく技術や知識も求められますが、一方で求められる全ての技術と知識を1人が100%理解するのはおそらく非常に難しい。やっぱりチームでやっていますから、自分が対応できなくても チームの力で解決すればいいと最近は思います。


――変化の著しい半導体業界では、継続的な知識のアップデートも必要かと思います。


私自身、学び続ける必要性を感じています。最初、基礎はトレーニングを受け教えてもらい、その後はOJTで学びます。アルチップも大きな企業になってきたので、複数の設計チームが複数のプロジェクトを並行します。多くの現場に身を置き、最先端のプロジェクトとテクノロジーに触れ、情報収集をしながら進めていくことになります。


さらに、やはり最先端のプロジェクトに必死で食らい付いていくと、たくさんの知識が身に付く。多くのプロジェクトを扱う中で、会社としてなるべく最先端のものに注力することで、技術を深めています。


プロジェクトの大規模化が進む、日本の半導体業界


――日本や世界での半導体の需要について、どのように見ていますか?


日本国内でプロジェクト数は減っていますが、プロジェクトの大規模化と複雑化は進んでいます。一つのプロジェクトにかかる人数が増え、開発期間も長期化しているので、設計にかかるリソースの総量は減っていないんじゃないかと。


製造コストの上昇もあり、以前のように小さいチップを気軽にたくさん作るのは難しくなってきています。作る側も請け負う側も、継続的に設備投資をして、設計環境とリソースをきっちり持つ企業が生き残るでしょうね。


日本で半導体は斜陽産業というイメージを持つ方もいますが、アルチップは台湾に本社を置く海外企業ということもあり、成長を続けています。世界にはさらなる需要とビジネスチャンスがあり、 アメリカ進出も計画中です。


新卒採用のキーワードは「変化への対応力」


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――今回初めて行う新卒採用では、どんなマインドやスキルを持つ人がフィットするとお考えですか?


マインドとしては、仕事環境も内容もどんどん変わっていく中で、大きな変化についていける人。一つのプロジェクトは3カ月〜1年、それ以上もあり、求められる技術力も難しさもそれぞれです。また、国内だけでなく中国やアメリカでも働きたい人が向いていると思います。


スキルに関しては、もちろん半導体の基礎知識をきちんと勉強した方が望ましいのですが、現在の日本オフィスのメンバーは私を含めて社会人になって初めて半導体に触れた人もたくさんいますので意欲がある人であれば活躍していけると思っています。


なお、現在のメンバーは中途採用ですが、今回は新卒で5~6人まとめて採用して日本で設計チームを育成・構築することを考えています。


――新卒入社後のステップアップについては、どんなビジョンをお持ちですか?


入社後すぐに海外ということはないですが、中国のデザインセンターなどに短期滞在して、世界の設計の現場でプロジェクトに参加するのは、非常に意義ある経験になると思います。これまで半導体設計の経験のないメンバーも、やはり海外拠点で一定期間、実際のプロジェクトに見よう見まねで参加し、技術やコミュニケーション方法を習得するという経験をして決着してきました。


今、中国の半導体業界が成長しているのは共通認識で、若い優秀なエンジニアもどんどん出てくる刺激的な環境です。


――半導体業界の未来を見据え、アルチップはどんなふうに成長していくのでしょうか?


半導体は、ある機能を実現するための小さいチップを統合して、複雑で多機能の大規模なチップを作る時代になってきました。いわばチップの設計の外側の世界が、別の世界に統合されていくので、より上流のシステムの知識が求められていると感じます。レイアウト設計のある分野を習得しても、それだけで一生エンジニアとしてやっていくのは難しい。


われわれはレイアウト設計に注力しているとはいえ、機能によってレイアウトに求められる技術は、例えばAIやハイ・パフォーマンス・コンピューティングなど、どんどん変わってきています。そのため、仕様を達成するだけでなく、チップに求められるものを踏まえて、われわれからお客さまに「では、こういうチップ構成にしましょうか」と提案をしています。そのためには、前提となる知識を持ち、時代の変化に対応する必要があります。


アルチップは幸いなことにベンチャーとしてきちんとサバイブし、メンバーに恵まれて成長を続けてきました。新たなメンバーと共にもっと成長を続けるために、変化についていく自信のある方はぜひアルチップを考えていただきたいです。


編集後記


半導体分野の成長著しい中国などの海外に拠点を持ち、世界の最先端のプロジェクトに触れながら語学力も磨けるアルチップ・テクノロジーズ。変化を恐れず、柔軟さの価値を熟知し、リソースだけでなく社風としてもグローバル環境が整った海外企業として、さらなる飛躍が期待できそうだ。




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ライター
水田 真梨
カメラマン
森屋 元気

企業情報

アルチップ・テクノロジーズ株式会社

◆半導体の設計・製造で、世界をリードするグローバル企業!家電はもちろんスーパーコンピューターにも活用される最先端システムを手がけながら、プロフェショナル軍団であるエンジニアチームとともに成長できる職場です。 ◆【世界有数の半導体技術をもつ、リーディング・カンパニー】 アルチップ・テクノロジーズは、半導体の設計・製造ソリューションを提供する世界的なリーディング・プロバイダです。そして、世界で7社しかないTSMC Value Chain Aggregator企業でもあります。 顧客は、ASIC・SoCチップの大規模生産を求める大手企業や、先端技術を必要とするベンチャー企業。私たちは自社の工場は持たず、純粋な技術力で強みを発揮するファブレスASICプロバイダーとして、優れたレイアウト設計や量産ソリューションによりグローバルな信頼を集めてきました。当社の技術により顧客企業は、コスト効率に優れたチップを短期間で市場投入することが可能となっています。 ◆【2017年に史上最高益を達成。さらに成長は続きます】 設立は2003年。シリコンバレーと日本出身の半導体エキスパートたちが結集し、誕生しました。半導体の複雑化が進み、その設計リスクやコストが上昇している現在。そのなかにあっても当社は、国内外を問わず多くの大手システム会社から高い評価を獲得し、依頼は増加中です。最先端プロセスを使用した製品開発で数多くの実績を残しており、2010年12月には台湾の新興市場に、そして2014年9月には台湾証券取引所メインボードに上場し、さらに2017年には史上最高益を達成しています。 ◎世界に広がる拠点 ・台湾(本社) ・アメリカ ・日本 ・中国 ・韓国 ◆【家電からスーパーコンピューターまで、幅広い分野で活躍】 私たちの技術力は、4K/HDTVやカメラ、携帯電話、タブレット、ゲーム機といったエレクトロニクス製品はもちろん、HPCやAI、仮想通貨のマイニングマシン、スーパーコンピューターや医療機器など、多岐にわたる分野で活用されています。また、これからの普及が見込まれる7nmプロセスを使用した製品についても、私たちはすでに開発し、量産に成功しています。先進的なASICソリューションをいち早く提供するパートナーとして、ますます技術革新を推進していきます。