トップ
    企業をさがす
    募集をさがす
    インターンをさがす
    注目企業ランキング
    フォローした企業
    LabBaseキャリアイベント
    お役立ち情報
    記事を読む
    連載を読む

採用担当者はこちら

ソフトウェアファーストの採用でモビリティの未来を創る。トヨタの尽きない可能性

インタビュー

2024.10.01

LabBase Media 編集部

技術革新によって100年に一度の変革期を迎えている自動車業界。その中核にいるトヨタが注力するのは「ソフトウェアファーストの人材採用戦略」だ。2004年から同社の人事領域に取り組む人材開発部グループ長である笹山義之氏に、情報技術の領域で求められる人材について話を伺った。 トヨタ自動車株式会社: 世界の様々な地域で加速する経済の進展や地球規模の環境問題・エネルギー問題など、クルマを取り巻く環境は大きく変化しています。その中でトヨタは10年先・20年先も地球や社会の一員として役に立つ存在であるために、社員一丸となって常に高い意識で技術革新への挑戦を続けており、モビリティカンパニーへの変革・世界中のお客様に向けたクルマづくりに取り組んでいます。

  • 笹山 義之

    トヨタ自動車株式会社

    人材開発部採用・育成室グループ長

車が持つ「移動する幸せ」をソフトウェアの技術でより豊かに



――車を所有することがステータスだった時代から、若者の車離れが叫ばれるなど、車への価値がモビリティ(移動性)にシフトしています。技術革新による100年に一度の変革期を迎える中、トヨタはこの流れをどのように受け止めていますか?


私たちはこの変革期を、「産業構造の変化」と受け止めています。車の価値が変わったからといって、自動車産業がシュリンクしていくわけではありません。


車とネットがつながるConnected(コネクティッド)、自動運転を目指すAutonomous(自動化)、移動サービスのShared(シェアリング)、それからハイブリット車両などのElectric(電動化)。これら「CASE」と呼ばれる技術革新を受け、トヨタは「モビリティカンパニー」へのモデルチェンジを宣言しています。


これからの戦略は、自動車メーカーとして培ってきた技術と資産を活用し、新しい社会につなげていくこと。そして、ソフトウェアを中心としたテクノロジーとの融合により、新たなモビリティサービスを普及・発展させていこうとしています。


――技術革新で、車が社会に与えるインパクトは具体的にどんなことがあるのでしょう?


イメージしやすいのは、自動化ですね。人間の機能をサポートする安全な車づくりが進んでいます。車のセンサーだけではとらえきれない情報を、インフラ・車の双方向通信で知らせ、運転を支援し事故防止につなげるITS(Intelligent Transport Systems)などもその一つ。自動化が進めば、交通事故を減らし、かつ高齢化社会でも不安のない移動が実現します。


更に、環境負荷低減の最大化には制御技術を用いて、クラウドから取得した交通データをもとに渋滞緩和や始動制御などの技術開発にも取り組んでいます。


――車を持つ・乗る楽しさを提供する自動車メーカーから、車をどうやって使うかから考え、新しい価値をサービスとして実現させ、世に提供する企業に変化しているのですね。


そのとおりです。


2020年はコロナ禍で、世界的に移動が制限されました。そのような中、「移動すること」で、今までは意識しなかった幸せを実感された方も多いのではないかと思います。また、移動による新たな体験や出会いから生まれる人の気持ちの動き=感動も、車が持っている付加価値の一つです。


車自体が進化していっても、人やモノの移動から生み出される幸せは変わりません。この幸せをいかに良いものに進化させていくかという観点で、トヨタは技術革新に取り組んでいます。


未来のモビリティ実現のため、ソフトウェアに強い人材を求める



――モビリティを追求する未来の車は、どんな形になっていくとトヨタは考えていますか。


一つは愛車を突き詰める方向です。これはレクサスやGR SPORTなど、カスタマイズ含めマイカーとして使う場合ですね。もう一つは移動の快適性をより追求する世界で、シェアリングのように、利便性の高さが求められます。


後者を体現した車に、トヨタが開発したAutono-MaaS専用EV「e-Palette」があります。“Mobility for All”(すべての人に移動の自由と楽しさを)をコンセプトに、電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用し人々の暮らしを支えるサービスの創出の追求に向けて取り組みを加速しています。


――「移動」するだけが目的ではない乗り物が生まれるということでしょうか?


そうですね。例えばホテルのように宿泊できる、図書館のように勉強できる、ジムのようにトレーニングできる。こうした多様性のある「空間づくり」を未来のモビリティで実現しようとしています。


今の時代、革新的な製品やサービスが次々と生み出されています。そのため、私たちは自動車だけではなく外の業界にもアンテナを張らなければいけません。電子通信事業者との提携など、アライアンスは今後より強化されていくでしょう。


同時に、創業精神に立ち返り、トヨタらしさを改めて訴求する動きも盛んです。先日発表された社会への企業スタンスを示すトヨタウェイ2020では、「幸せの量産」をキーワードに掲げました。


――この「幸せ」とは、何を指しますか?


お客さまと社会全体が、車とサービスを通じて豊かになることです。車というハードに、ソフトを融合させ、移動の質と量を上げる。そして、企業、自治体、コミュニティでできることを増やして人類と地球の持続可能な共生を実現しようと考えています。その点で、トヨタはソフトウェア系の人材も含めた、新たな専門性の採用に力を入れています。


自動車メーカーというと、組み込み系エンジニアを連想する方も多いと思います。もちろん、その分野のエンジニアも変わらず重要ですが、コネクティッドやインフラ通信を発展させるにはソフトウェアに強い人材が不可欠です。


以前は外部に委託していた車のソフトウェア開発の部分も、事業のコアとして見据え内製化にどんどん切り替えています。ソフトをどのように強くしていくか、そこがモビリティカンパニーの重要な競争領域になっているのです。


誰かのために仕事できているだろうか。技術者が思いをはせる問い



――ソフトウェア系人材の話が出てきましたが、具体的にどのような職種の採用に力を入れていますか?


インフラエンジニア、UIUXエンジニア、Webエンジニアなどですね。


インフラエンジニアは、コネクティッドカーのため「車載コネクティッドシステム」のソフトウェア開発をインフラ設計からリードしていただきます。ほかにも、サービス基盤のクラウド開発を行うアーキテクト・エンジニアとして研究開発をするポジションもあります。


UIUX/Webエンジニアは、主にお客さまが触れる車両コクピットシステムのUIUX開発や実装に取り組みます。モビリティサービスとして社会実装の実現に取り組むMaaS(Mobility as a Service)事業部等とも連携をしながら、内製開発を行っています。


これら以外にも、シミュレーション開発やデジタル解析によって、もっといいクルマづくりを進めるAI・データサイエンティスト等、幅広いソフトウェア系人材を求めています。


――技術的な知識や経験以外で、ソフトウェアファーストの人材に何を求めますか?


お客さまの要望が多様化し変化の速度がますます早まる領域ですから、開発側はビジネス側と連携し、スピーディーな動きが求められます。


変化する環境では、外から謙虚に学びスキルを伸ばし続け、自らが変化すること。そして、開発するプロダクトや仕事の仕方を変え続けられるかという、二つの変化が重要です。


それから、「これは誰のための仕事か?」という問いを意識できるか。多様な価値観のなかで軸となるのは、誰かのために開発をし、生まれたサービスや製品でどんな社会を作り上げたいかという思いなんですね。


先ほどトヨタウェイ2020でも申し上げた「幸せの量産」に当たる、幸せの形を思い描けるかどうか。専門性だけではなく、モノづくりへの姿勢も大切な要素です。


――まさに変革真っ最中の領域のなかで、トヨタに入社するこれらの人材にはどのような活躍の場があるのでしょうか?


現在社内では、従来のクルマづくりから、ソフトウェアファーストのクルマづくりに変えていくため、ソフトウェアを設計・開発するエンジニアを広く求めています。


開発職場では、お客さまのニーズやお届けしたい顧客体験をベースに、仕事の仕方をゼロから見直しています。これまでのハード設計にソフトウェア開発を加えることで、現在世の中に無い新たな付加価値を創り出す機会が飛躍的に広がっています。


また車を生産するサイドにおいてもAIやデータサイエンスといったソフトウェア系人材のニーズが増しています。これまで人がやってきた仕事を、いかにデータを活用しながら効率化するか。情報系のスキルとモノづくりのスキルを掛け合わせ、クルマづくり自体を新しくしようとしている。そういった意味でも、情報技術分野の方が活躍できる場所は豊富にあります。


ソフトとハードの融合で、社会課題に対峙する醍醐味を味わう



――車というハードを作り続けてきたトヨタが、ソフトの力を伸ばしさらに大きくなろうとしているのですね。


トヨタ単体で8万人、グローバル規模で35万人の人材全員が、変わろうと動いている。大きなダイナミズムを感じられるのは、まさに100年に一度の今ならではです。


――最後に、理系の学生へメッセージをお願いします。


ソフトとハードを融合させ、大きく進化するクルマづくりやモビリティサービスの提供を通して社会課題に対峙(たいじ)できる醍醐味を味わえる仕事です。


社会でなくても、身近な周りの人々たちのために、自らのスキルで幸せを届けたい。変化を楽しみ、トヨタと一緒に夢を描ける方。そしてその描いた未来を実現できると自信を持ち、現状を引っ張っていく気概に満ちた方に、ぜひ飛び込んできてほしいですね。


トヨタ自動車株式会社の 「企業情報」をチェック!
募集概要は、 こちら
各分野 業務理解セミナーは、 こちら
未来創生センター 業務理解 懇談会は、 こちら


編集後記


これまで車を作ってきた会社が、未来の車を作るとき、求めるのは自動車メーカーにはこれまでなかった新しい技術。ソフトウェア開発により一層注力し、未来のモビリティ社会の実現に突き進む尽きないトヨタの可能性を感じた。

ライター
サトウ カエデ
カメラマン
編集 部

企業情報

トヨタ自動車株式会社

【ミッション】 “世界中の人たちへのモノやサービスの提供を通じて「幸せを量産」” 【事業内容】 世界の様々な地域で加速する経済の進展や地球規模の環境問題・エネルギー問題など、クルマを取り巻く環境は大きく変化しています。 その中でトヨタは10年先・20年先も地球や社会の一員として役に立つ存在であるために、社員一丸となって 常に高い意識で技術革新への挑戦を続けており、モビリティカンパニーへの変革・世界中のお客様に向けたクルマづくりに取り組んでいます。

関連記事