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自動車会社からモビリティカンパニーへ ソフトウェアファーストを推進するトヨタ自動車の変革

インタビュー

2024.10.01

LabBase Media 編集部

自動車産業の中枢を担ってきたトヨタ自動車は今、移動を軸としたモビリティカンパニーへと変革の時を迎えている。そのカギとなるのが、「ソフトウェアファースト」の考え方に基づくクルマづくりだ。長年ソフトウェア開発の渦中にいる2人に、変わりつつある同社の動きや今後の展望を語ってもらった。 トヨタ自動車株式会社: 世界の様々な地域で加速する経済の進展や地球規模の環境問題・エネルギー問題など、クルマを取り巻く環境は大きく変化しています。その中でトヨタは10年先・20年先も地球や社会の一員として役に立つ存在であるために、社員一丸となって常に高い意識で技術革新への挑戦を続けており、モビリティカンパニーへの変革・世界中のお客様に向けたクルマづくりに取り組んでいます。

  • 吉村 康孝

    トヨタ自動車株式会社

    制御電子システム開発部主査

  • 鈴木 真一

    トヨタ自動車株式会社

    ソフトファースト推進G主幹

入社理由は大好きな車に自身のソフトウェアスキルを活かしたかったから



――吉村さんから自己紹介をお願いします。


吉村:大学でソフトウェアと制御工学を学び、元々大好きだった車に自身のソフトウェアスキルが活かせる会社として当社を志望しました。カーナビゲーションシステムの立ち上げ期に同部署に配属になり、それからずっと制御電子システム開発部で働いています。最初はハード寄りの業務を担当し、ナビを表示するディスプレイの高精細化(見栄えをきれいに)やサイズの大型化の検討およびカーナビゲーションのシステム設計を行っていました。


また車載ネットワークの設計では、当時ヨーロッパにマルチメディア向けの国際標準規格化団体があり、物理インターフェース仕様の標準化に携わらせていただきました。


現在は車中の電子プラットフォームやメーター、ブレーキ、スマートエントリーなどの電子システム全体を、ソフトウェアファーストを踏まえて再構築する業務に携わっています。


――続きまして鈴木さん、お願いします。


鈴木:大学の専攻はコンピュータサイエンスで、Linuxカーネルや通信のミドルウェアなどを改良し、ユーザーが使いやすいセキュアな分散環境を実現する研究をしていました。入社理由は、吉村さんと同じく、車に関わる仕事がしたかったから。入社時は車に通信機が載り始めた頃で、当社の車にはすべて通信機(DCM)が載ってるものだと勘違いし、大きな分散システムの研究がしたいと思い入社しました。


最初は、DCMを開発し、車両に展開する業務からスタートし、いくつかの国に展開後、スマートフォンと車をつなぐシステムの企画・開発に携わり、世界で初めての導入に成功しました。そのあと、ナビゲーションシステムのソフトウェアに関わるようになり、現在、ソフトウェアファーストを広げる業務に携わっています。


ソフトウェア文化の土俵を作るために



――ソフトウェアファーストを推進する社内の変化をどのようにお感じですか?


吉村ソフトウェアファーストが盛り上がってきたのはここ数年です。それまでも必要性や重要性が認められていたものの下支え側になることが多かったです。それが、ハードウェアや通信技術の進化により車載ソフトウェアでも実現したいものが作りやすくなってきたり、ソフトウェアが中心になることでお客さまにより高い価値を提供できるという考えが徐々に広がって、今の状況になってきたと思います。


鈴木:ソフトウェアやサービスへの注力はアメリカが早く、日本も近年その流れになってきました。入社当時実現できると思っていたことが、今ようやくできている気がします。今後さらにソフトウェアファーストを加速させるために、ハード・ソフトそれぞれを進化・融合させ、時代の流れを先読みしたサービスや価値を提供していきたいと思っています。


――今なぜソフトウェアファーストの車づくりが必要なのでしょうか?


鈴木:例えばOver The Airの技術を用いると、販売後ももっと気軽にお客さまに新しい価値、サービスの提供をすることが可能になります。つまり今すぐ車に搭載する機能でなくても、その機能があることをアナウンスしつつ、お客さまの使いたいタイミングで車に載せられるということです。このように車を販売後も後から機能・サービスを提供選択できるようになるのも、ビジネスの大きな変化かなと思います。


吉村:また、トヨタでは交通事故・死傷者ゼロ社会を目指していますが、ここ数年でアクセルとブレーキを踏み間違えてしまう事故が多く報道されました。これまではハードウェア機能を追加して事故を抑制する装置を付けたり、あおり運転抑制のためにドライブレコーダーを装備したりしましたが、今後はソフトを後付けで導入することができれば、お客さまが求めるものをよりタイムリーに提供しもっといいクルマに乗っていただくことができると考えます。


――ソフトウェアファーストに伴う組織変革の具体的な展望があれば教えていただけますか。


吉村:まずは分散しているソフトウェア人材を結集することです。加えて、ソフトウェア推進のための強力なパートナーである関係各社とも連携を深め、一体となって進めていくべきだと思っています。重要なのは、コアの部分をしっかり勉強し、いかに技術を蓄えられるか。そのための組織化、ソフトウェア開発そのものの変革にこれから注力したいです。


ソフトウェア開発を軸にしたキャリアパスは無限大



――自動車における今後のソフトウェア開発の面白さは、どのような点にあると思われますか?


吉村:従来はエンジン・駆動・ブレーキなどの単一システムに特化してそれぞれソフトウェア開発を行っていましたが、今では各システムを連携させ、高度に統合されたシステムとして開発に取り組めるので、非常に面白いです。また、車と車、車とインフラ、車と社会、はたまた街全体で見たときの車はどうあるべきか、社会は、人に対してどうあるべきかというところまで、幅広い視点で開発に臨めるのもやりがいを感じます。


鈴木:また、ハードのみの部分にソフトの観点を入れると、可能性がグッと広がります。ソフトとハードを融合させるのは相当楽しいこと。ただこの過程は、日頃からものを触り、愛着を持っている人でないと理解しにくい点かもしれません。


――とりわけトヨタ自動車で働くメリットは何だと思いますか?


吉村:トヨタは今まさにソフトウェアファーストを本気で体現し、モビリティカンパニーへ生まれ変わろうとしています。これまで培ってきたハードの強みを持っているからこそ、ソフトとの掛け合わせでもっと良い価値を創り出せる。幅広い領域で力を発揮できる場所があるのがトヨタ自動車です。


鈴木:それだけではなく、自身が手掛けた商品やサービスをたくさんのお客さまが使ってくださり、すぐにフィードバックがもらえる。そのため改善のネタが尽きないんです。一番早く製品を改良できるサイクルに乗れるので楽しいですよ。


――キャリアパスはどのような選択肢があるのでしょうか?


吉村:ソフトウェアを軸にスタートした後、キャリアパスを広げることができます。もちろん、ソフトを突き詰める世界もあれば、ハードとソフトをどうミックスし価値提供していくか、ハードを学びながら幅を広げることもできる。車のチーフエンジニアをソフト屋がやってもいいし、社会全体で見たとき、街・国・地球はどうなるのかと予測を立てるのも、キャリアパスとして有意義かなと。基本的なパスは無限大です。それぞれの人が持つ思いや夢を叶えられる場がそろっていると思います。


鈴木:入社後、エンジニア、プログラマー、そこからSE、プログラミングに特化したかたちでテックリードに進んでいくのも、数あるプロジェクト中でのプロダクトマネージャーとして活躍することも可能ですし、キャリアパスの選択肢はたくさんあると思います。


求めるのは、能動的に動き、常に自己変革をし続けられる人



――お二方が一緒に働きたいのはどんな人でしょうか?


吉村ソフト以外にもさまざまなことに興味を持ち、製品・サービスが実際に使われる姿に思いをはせられる人、どんな世界、価値を実現したいか理想を持って業務に取り組める人が良いですね。もちろんソフトウェアの領域ではコーディング力が高い方は大歓迎です。その中で、 ソフトの追求が一つの軸としてあると、その人の強みになりますし、さまざまな可能性が広がると思います。


鈴木何事にも興味を持って能動的に動くタイプの方は魅力的です。情報を集めるだけではなく、手を動かすことも重要。その上で 「なぜこう考えるのか」「なぜこう動くのか」と根本的な思考ができる基礎体力があると、新たなことのキャッチアップスピードも速い。人間的な部分では、他者のために頑張ることができる、謙虚に学び、自身を変え続けられる人が技術的な幅も広げられると思います。


――最後に読者へのメッセージをお願いします。


吉村:われわれは今まさに変わろうとしている瞬間です。繰り返しになりますが、既存領域の強みを活かして、新規領域を成長させていくにあたっては、皆さんの力が必要になりますので、ぜひ一緒に夢を描いて実現していきましょう。


鈴木:自分が作ったものがお客さまの手に渡り、世の中で広く使われる。それをいつも見られる仕事は、そう多くはありません。とても貴重な環境なので、興味がある人はぜひ一緒に仕事がしたいです。


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編集後記


ソフトウェアファーストの変遷を肌で感じてきた吉村さんと鈴木さんのやりとりからは、モビリティカンパニーへの変革に向けて果敢にチャレンジするトヨタ自動車のポテンシャルが感じられ、大いにワクワクした。ハード×ソフトの可能性は広大無辺。地球規模で思いをはせられるトヨタ自動車で、自身の才能を最大限に開花させてほしい。

ライター
山田 佳苗
カメラマン
編集 部

企業情報

トヨタ自動車株式会社

【ミッション】 “世界中の人たちへのモノやサービスの提供を通じて「幸せを量産」” 【事業内容】 世界の様々な地域で加速する経済の進展や地球規模の環境問題・エネルギー問題など、クルマを取り巻く環境は大きく変化しています。 その中でトヨタは10年先・20年先も地球や社会の一員として役に立つ存在であるために、社員一丸となって 常に高い意識で技術革新への挑戦を続けており、モビリティカンパニーへの変革・世界中のお客様に向けたクルマづくりに取り組んでいます。

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