仕事・育児・勉学すべて諦めない! ルネサス エレクトロニクスでかなえる「理想の女性エンジニアのキャリア」
インタビュー
2024.11.21
LabBase Media 編集部
世界30カ国以上に展開する半導体メーカー大手のルネサス エレクトロニクスでは、一人ひとりがスキル・経験を最大限発揮するための制度や環境が整備されており、さまざまなライフステージの女性が活躍中だ。半導体の回路設計の業務に従事しつつ、大学院に通いながら育児も並行する同社の女性エンジニアに、入社後のキャリアや仕事環境などについて話を伺った。 ルネサス エレクトロニクス株式会社: ルネサス エレクトロニクスは世界をリードする半導体企業として、当社の製品やソリューションを、自動車、産業、インフラ、IoTの4つの成長分野へ提供することで、より安全で、健康でスマートな社会に発展させることに貢献しています。「半導体というグローバルな環境でチャレンジしたい」といったみなさんの夢を実現できる会社です。
増永 愛子
ルネサス エレクトロニクス株式会社
社員のフレンドリーな人柄にひかれて入社
――現在の所属と業務内容、学生時代の活動について教えてください。
IoT・インフラ事業本部 (以下、IIBU)で、半導体の設計の中でもASIC(半導体集積回路)やASSP(特定用途向けに開発された汎用の集積回路)の回路図を描く業務に従事しています。
2007年度に入社して今年で15年目です。プライベートでは二児の母かつMBAの学生で、仕事、育児、学校という「三足のわらじ」を履いています。
大学は情報学部情報科学研究科に入り、3年で飛び級して大学院に進学。現在の業務に近い、ソフトウェアとハードウェアの境界線を探り、効率よく製品設計を行うための研究を行っていました。
学校外では、家電量販店でキヤノン専売の販売員のアルバイトに取り組み、そこでキヤノンの社員の方に「プリンターの半導体はNECエレクトロニクス(事業統合前の旧社名)が作っているんだよ」と伺って、当社に興味を持ちました。
――就活ではどのような軸で企業を選びましたか?
「モノ」が好きで、そのデバイスとなる半導体の仕事がしたかったため、電機メーカーを中心にハードウェアに携わることのできる企業を受けていましたね。
そのなかでも、特に会社選びの際に参考にしたのは「面接官の人柄」です。当社の面接では、私がプリンターにNECエレクトロニクスの半導体が使われていることを知って興味が湧いた話をしたところ、「うちにもプリンターの開発部隊がいるよ。面白いよね!」とフレンドリーな返答が。上下関係を感じさせないフラットな職場環境に魅力を感じ、入社を決めました。
産後でも主体的にキャリア形成できる
――各プロジェクトはどのようなチーム体制ですか。また、現在の業務に落ち着くまで、どのような変遷があったのでしょう。
現在関わっているプロジェクトは大きく二つあります。まず現在の部署では、約20人がプロダクトごとに5人ずつに分かれて、他部署と協業しながらASICやASSPの回路設計のプロジェクトを推進しています。もう一つのリーダーを務めている「海外外注戦略チーム」では、各部署から2、3人が集まり、海外エンジニアの比率を拡大すべく活動しています。
入社後は、他社で作られたデバイスの動作確認や仕様の検討を行い、量産まで概念的に全体を見る製品開発部に配属されました。しかし、せっかくエンジニアとして入社したので、中の設計もやりたい気持ちが強くなり、社内公募制度を利用して部署異動を行いました。そこで、念願の設計業務に携わることになったんです。
――産休・育休はどのタイミングで取られたのですか。
異動後に、結婚と2人の子どもの出産を経験しました。1人目の産休・育休で約1年半の休みを取り、8カ月ほど働いたあと、2人目の出産で5カ月間の休みを取ってから復帰しました。
その際に上司から、以前の製品開発部に戻ってはどうかと提案されましたが、回路設計の業務のほうが面白かったため、自身の意思を尊重してもらい、現在に至ります。
産休明けから約5年後には、海外のプロジェクトに誘われて参画しました。当初のプロジェクトはとても楽しかったのですが、事業部だけではノウハウが蓄積しなかったので、事業本部長に相談して部の垣根を越えた外注戦略チームを発足。現在、日本の人口減少を見込んで、海外に委託設計をできる環境を整えていく活動をしています。
――チームでの協業では、どのような点に難しさや楽しさを感じますか。
海外外注戦略チームのゴールは、海外のエンジニアと協業し、ルネサスとして価値がある製品を創ること。そのための一つの課題として、異文化(国・会社)の理解と浸透があります。ついついチーム内々で熱くなってしまいがちですが、チーム外との温度差を作らず、グローバルな文化を社内に浸透させることは難しくも面白いので、今後も引き続き尽力していきたいです。
ずっと日本で働いていたため、男女の割合が半々のインドのエンジニア文化など、プロジェクトを通して他国の文化に触れることは新鮮で楽しいですね。
――働くうえで影響を受けた出来事はありますか。
社内にはたくさんの優秀なエンジニアがいるので、自信をなくしそうになる出来事は何度かありました。「自分の戦う場所はここじゃないのでは」「自分の強みってなんだろう」と悩みましたが、上司などに相談したところ、「MBAで勉強してみたら」というアドバイスが。それがきっかけで、エンジニアのスキルにビジネスやコミュニケーションの付加価値を付けてキャリアを広げていく道が見えてきたんです。
――復帰の際に意識したことを教えてください。
産後は仕事のペースを落としたい人もいらっしゃいますが、私は産前のようにまた腰を据えて働きたかったので、「海外外注戦略チームをやりたいです」「インド出張も行きたいです」と自分の意向を積極的に伝えることを意識しました。
最初は上司も「産後だから」と必要以上に配慮してくださいましたが、私の希望が分かると、現状のプロジェクトとすり合わせながら、今後のキャリアを一緒に検討してくれました。
コアタイムや在宅勤務の上限がなく、圧倒的に働きやすい
――現在の増永さんの1日の流れを教えてください。
ルネサスでは、コアタイムのないフレックス勤務制度や特に制限のない在宅勤務制度が導入されており、本当に働きやすい環境です。朝はだいたい5時に起き、コーヒーを入れてから6時ぐらいまでサクッと仕事をします。この時間帯は1日で一番集中できますね。
6時ごろに子どもを起こして8時に小学校と保育園へ送り出し、9〜17時が仕事の時間です。定時に仕事を切り上げ、そのあと子どもたちと遊んだりお風呂に入れたり、大学院がある日は授業を受けています。子どもと一緒に21時に寝るので、しっかりと睡眠も取れていますね。
子どもが体調を崩して、すぐに保育園へ行かないといけないときも、チャットで「すみません、子どもの熱が出たので迎えに行きます」とひとこと送り、スケジュールに予定を入れるだけ。別の時間を業務に当てればいいので、午後休にする必要もありません。
業務外の時間はスケジュールをブロックして、打ち合わせなどが入らないようにしています。最近は子どもの送り迎えをする男性社員も多く、彼らも状況に応じて、スケジュールにプライベートの予定を入れていますね。
――柔軟な働き方を実現されている方が多いんですね。個人の仕事ぶりについてはどのように評価されるのでしょうか。
年1回、自身の目標の達成度が測られ、それが評価になります。ルネサスでは、自分の目標は自分と上司とでコミュニケーションをとって決めていきます。私の今年の目標は、今まで取り組んでいた回路設計と海外外注戦略のプロジェクトをそれぞれさらに加速させることです。
――社内におけるコミュニケーションはとりやすい環境でしょうか。
とにかく皆さんフレンドリーなので、何か話したいときも気軽に声をかけやすい環境です。統括部長(一つの事業全体を束ねる職位の人)でも「ちょっとお話したいのですが」と相談すると、「いいよ!」とフランクに応えてくれます。
また、会社には「Ask Leaders」といった従業員が経営層に直接コメントできるプラットフォームがあります。実際、こちらのフォームに寄せられた意見をもとに社内イベントが新しく開催されるなど、会社全体で社員の意見を吸い上げようとする意思を感じますね。
現在の海外外注戦略チームも、私がここへ「今後どのような方針でやっていきますか」「部内でやってるあの業務は非効率ではないですか」「国内の人口減少が見込まれるのに、この状況はどうにかする必要があると思います」などとIIBUのリーダーに問い合わせたことによって始まりました。社内でメンバーを募ると、続々と同じような思いを持つ人が集まり、現在はチーム内で熱く議論をしながらプロジェクトを推進しています。
女性の企業選びは「制度の充実」がカギ
――女性のキャリアや就活に対して、アドバイスがあればお願いします。
学生のときは想像しにくかったですが、やはり産後は一番大きなターニングポイントでした。子どものお守りで寝られない夜が続くので、多くの女性が自分の働き方について必然的に向き合うタイミングだと思います。
女性の妊娠・出産における会社の制度がどれだけ充実しているかは、企業選びで押さえておくべきポイントです。
たとえば、どれだけ休みを取れるのか、年休はあるか、コア時間はあるか、など。実際に経験してみないと分からないからこそ、フレキシブルに選べる企業はおすすめです。
――最後に、学生へのメッセージをいただけますか。
当社にはやりたいことに手を挙げれば、職種や業務を変えられる環境があります。私はわらじの数が多いですが、家事代行や出来合いの食事で済ませてしまうなど、やるべきことを引き算してみたら、仕事もプライベートもうまくいくようになりました。
とにかく既成概念にとらわれることなく、やりたいことを後押ししてくれる会社なので、「絶対ここで何かをやるんだ」という気持ちがあれば、入社後に本当に自分のやりたいことが見つかるはずです。
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編集後記
ルネサス エレクトロニクスには、キャリアのみならず働き方に関しても柔軟な制度が用意されており、ライフイベントの多い女性も安心して活躍することができそうだと感じた。「半導体メーカーのエンジニア=男性」という業界の古いイメージを覆すように、多様な人材が活躍している同社で、自身のキャリアを思う存分切り開いてほしい。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年4月公開)
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