2050年のカーボンニュートラルに向けて、200℃以下の産業部門の熱需要に対しヒートポンプが有意な技術であることは国のクリーンエネルギー戦略にも明記されており、注目が集まっています。当所では、評価設備を用いた実機評価、高温化を目指した新冷媒適用性評価、工場の熱供給ユーティリティ設備を対象としたエネルギー需給解析ツールの開発などを通して、導入拡大に資する研究開発を行ってまいりました。
更なる熱源転換を進めるにあたり、生産プロセスに基づく考え方へのシフトが必要です。個々のプロセスの求める温度と熱量を把握した上で、工場全体を俯瞰し適切なヒートポンプの導入方法を検討できる生産プロセスへのヒートポンプ導入手法の構築が必要と考えています。また、個別の乾燥、蒸留、CO2回収などのプロセスと一体型のヒートポンプ開発も必要と考えています。これらが両輪となれば、導入拡大が進むと考えられます。
また、製品品質を維持しつつ変動する再エネ由来電力の有効活用ができれば、再エネ電源導入を妨げる系統への影響が緩和されると考えられ、電源の低炭素化と我が国の電力系統の安定化へ貢献することになります。ヒートポンプ、ヒートポンプ以外の電化技術、各種蓄エネルギー機器と、プロセスとの静特性と動特性を考慮して、導入手法を拡張していくことも重要です。
以上のような手法の構築や機器開発を行うために、各種プロセスに関する専門性を有しつつ、当所が有するヒートポンプやエネルギー需給の知見を積極的に吸収し、新しい課題に挑戦していく新たな研究員を募集します。
参考文献:
・T. Kaida, et al., Application of R1224yd(Z) as R245fa alternative for high temperature heat pump, The 25th IIR International Congress of Refrigeration (ICR2019), Proceedings of the 25th IIR International Congress of Refrigeration
・甲斐田武延ら, 高温高温ヒートポンプサイクルの冷媒選択に関する熱力学的考察, 2020年度日本冷凍空調学会年次大会, 2020
・甲斐田武延ら, 乾燥工程へのヒートポンプ統合に関する熱力学的考察, 2020年度日本冷凍空調学会年次大会, 2020
・甲斐田武延ら, 産業用ヒートポンプのプロセス統合-ピンチ解析を用いたヒートポンプ選定法の概案-, 2022年度日本冷凍空調学会年次大会, 2022
【当面の研究課題】
1. 生産プロセスへのヒートポンプ統合手法の構築
2. プロセス一体型ヒートポンプの考案・開発(乾燥機、蒸気濃縮装置、蒸発塔、CO2回収装置など)
【求人HP】
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