【イベント開催レポート】「自分はノーベル賞を獲れない」絶望の末に掴んだ逆転の生き残り戦略術に迫る

インタビュー

LabBase Media 編集部

【イベント開催レポート】「自分はノーベル賞を獲れない」絶望の末に掴んだ逆転の生き残り戦略術に迫る

「研究の視点が180度変わった」満足度88%を記録した白熱のイベントを限定公開! 2026年2月25日、株式会社LabBase主催のオフラインイベントが開催されました。 参加学生からは「1つの研究に固執しなくてもよいことが分かり、今後の研究の視点も広がる良い機会だった」「博士課程に進むことに自信を持つことができた」「迷わず何にでもチャレンジしたい」との前向きな声が続々出ています。 閉塞感を感じていた学生たちの表情を劇的に変えた、40年目の現役研究者が語る「キャリアの真実」とは。興奮冷めやらぬ参加者の声とともに、その全容をレポートします。 【こんな学生にぜひ読んでほしい】 ・博士進学をするか迷っている学部生・修士生 ・研究を続けたいが、キャリアをどうするべきか迷いがある ・自分の研究が基礎すぎて、社会で役立つか不安な学生

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■ 登壇者プロフィール:近藤 誠一(こんどう せいいち)


株式会社レゾナック フェロー / 工学博士
半導体プロセス技術の第一人者。半導体製造に不可欠なCMP(化学機械研磨)において、従来の常識を覆す「砥粒フリー研磨技術」を確立し、傷をつけずに削る”という革新的な技術を発明。半導体の微細化・高性能化を支える基盤技術の進化に大きく貢献。


日立製作所・ルネサスエレクトロニクス(デバイスメーカー)から、日立化成・レゾナック(材料メーカー)へとキャリアを広げ、企業の枠を超えて日本の半導体競争力向上に寄与。
特許出願120件以上、論文170報超の日本の半導体CMP技術を世界標準へと押し上げた立役者。



■ 「自分はノーベル賞を獲れない」と悟ったエリートの逆転術に迫る!



近藤氏は、自身の40年の生々しい現実を語りました。


1. 基礎研究で感じた自分への限界
日立製作所の基礎研究所。そこは、ノーベル賞候補の研究者をはじめ、日本の頭脳が集結する「理系の聖域」でした。ネイチャー誌に論文が載るような輝かしいスタートを切った近藤氏。しかし30歳を過ぎた頃、大きな壁に直面し自信を失って行きます。


「もし無限の予算と時間を与えられたとしても、自分はノーベル賞を獲れるだろうか?」


2.異動先で絶望の中、見つけた「不思議な武器」
絶望の中、近藤氏は所長に直談判し、中央研究所へ異動します。
そこには、すでにその道で7年のキャリアを積んだプロの同期たちがいました。
飛び交う略語、理解できない専門知識。かつて基礎研究にいた近藤氏は、ここでは「何も知らない新人」になってしまいます。同期と同じ土俵で戦っても、7年の差は永遠に埋まらない。他の人が持っていない特徴的なものを早く身に付けなくてはならないと感じました。そこで近藤氏が取り組んだ研究テーマが、当時は実用が難しいプロセス技術とされた「CMP(研磨)」でした。
これが後に近藤氏の未来を大きく左右するきっかけになりました。


3. 「半導体ウエハが、虹色に輝いた!」どん底で見つけた一発逆転のCMP技術
先輩たちが既存のドライエッチ技術で苦戦するなか、近藤氏はあえて「研磨」という新しいアプローチを試みます。基礎研究で培った物理と材料の深い知識を、泥臭い現場の技術に掛け合わせたのです。


結果は、一発で「不良率ゼロ」という驚異的な成功。
それまで誰も成し遂げられなかった完璧な仕上がりに、研究チーム内に衝撃が走りました。
当時、半導体の微細化における最大の壁は多層配線の形成によって生じる表面の凹凸でした。近藤氏は基礎研究で培った物理的知見を総動員し、1ナノメートル(原子数個分)の狂いも許さない「究極の平坦化」をCMPで実現することができました。
これが世界の半導体プロセス技術を大きく変えるきっかけとなり、国際学会で発表することで近藤氏は一躍有名な研究者になりました。


(まとめ)40年を振り返って伝えたい、理系キャリアを生き抜く「2つの真理」


波乱万丈のエンジニア人生を歩んできた近藤氏。日立製作所の基礎研究所から始まり、リストラや8年間の出向・転籍、そして経営層への登用。激動の40年間を経て、今、次世代を担う学生に贈る「生き残るための教訓」は驚くほどシンプルで、かつ鋭いものでした。


1. 追いつこうとするな。異能であり続けろ
新しい環境に飛び込んだとき、そこには既にその道で何年も研鑽を積んできた「プロの同期」が必ずいます。近藤氏が32歳で中央研究所に異動した際も、そこには7年のキャリア差がありました。


「普通に努力して、彼らに追いつこうとしても無理なんです。7年の差はそう簡単には埋まらない。だから私は、追いつくことをやめました」


近藤氏が取った戦略は、「基礎研究の素養を持つ開発者」という独自の立ち位置を確立することでした。近藤氏は物理・材料の深いバックグラウンドを武器に、論理的かつ異分野の視点からアプローチしたのです。


結果として、誰も成し遂げられなかった「新しいCMP方式の確立」という独自の成果を上げました。同じ土俵で戦わず、自分のアイデンティティを掛け合わせることこそが、替えのきかない存在になりました。


2. 「35歳」までに、信頼という名の貯金を作れ
「50代、60代になっても面白い仕事ができるかどうか。その勝負は35歳までに決まっています」
40歳を過ぎてから大きな成果を上げたとしても、周囲からは「たまたま運が良かった一発屋」と見なされるリスクがあります。一方、若いうちに一通りの仕事を完遂し、「この人に任せれば何とかしてくれる」という信頼を勝ち得ている人は、その後の評価の安定感が違います。


35歳までに泥臭い仕事も、難しい課題も、逃げずにやり切る。そこで積み上げた「信頼という名の貯金」が、その後に訪れるリストラや予期せぬ環境変化から自分を守り、長く活躍し続けるための土台となるのです。


理系学生へのアドバイス


今の研究テーマが将来直接役に立つかどうかは分かりません。
しかし、「一つのことを深く掘り下げた経験」「若いうちにやり遂げたという信頼」は、あなたがどこへ行っても通用する最強のポータブルスキルになります。まずは目の前のことを頑張ってみましょう。


■ 参加した学生の声



イベント終了直後、興奮冷めやらぬ学生の皆さんに、参加した本音を伺いました。


博士就職=不利という思い込みは間違いだったと気づくきっかけになった


Aさん(埼玉大学大学院 修士2年 / 有機合成系研究)
──今回のイベントに参加したきっかけを教えてください。
Aさん:4月から博士後期課程に進学することが決まっているのですが、これからの3年間の生活をどこに向かって歩んでいけばいいのか、その指針を立てるきっかけにしたくて参加しました。


──実際に近藤氏の話を聞いてみて、いかがでしたか?
Aさん:博士進学に自信を持つことができ、未来にワクワクした感覚を得ています!博士の就活は修士に比べて専門性がより見られるので、企業寄りの研究をしていない自分は不利なんじゃないかと、どこか不安がありました。でも、近藤氏にお話を伺って、専門性そのものよりも「自分のテーマに対してどれだけ深く考えたか」や「英語力」といった、もっと普遍的な研究スキルを見ていただけるんだと知ることができました。今取り組んでいることをしっかりやっていけば、きっと道は開けると思えたので、本当に良かったです。


「トップ層との対話で得られた、ネットにはない貴重な経験ができました」


Mさん(慶應義塾大学大学院 修士1年 / ロボット・ガスセンサー研究)
──Mさんは、どのような背景で参加されたのでしょうか。
Mさん:LabBaseに登録した時に、自分の分野に近いイベントがあると軽い気持ちで応募したんです。ただ、登壇者の方にはぜひ質問したいことがありました。「どの会社に入るか」だけでなく、「入ってからどうするのか」ということは、なかなかネットには書いていないので、そこがすごく気になっていました。


──実際に参加してみて、収穫はありましたか?
Mさん:すごく役に立ちました! 実際に1対1でお話しできる機会をいただけて、この上ない貴重な経験になりました。会社のトップの方がどのような経験をされてきたのかを直接聞ける機会なんて、そうそうないですから。本当にいい経験になりました。


「別の環境に行くメリットを知り、配属先選びを考え直す機会に」


Nさん(芝浦工業大学 2年生 / 半導体系研究室配属予定)
──学部2年生という早い段階で参加された理由を教えてください。
Nさん:これから研究室配属が始まるので、どういうことをしようか迷っていたんです。未来の自分の先を考えるために、まずは近藤氏のお話を聞いてみようと思いました。


──講演を聞いて、心境に変化はありましたか?
Nさん:もともと特定の研究室に行こうと決めていたのですが、近藤氏が「別の研究室に行っても視野が広がるからメリットがある」とおっしゃっていたのが印象的でした。自分にとってもう一回考え直す機会になり、すごく勉強になりました。


■ 登壇後インタビュー


──「研究者人生40年」という非常に興味深いテーマでしたが、内容はどのように決められたのでしょうか?

近藤氏:私は普段から社内で、半導体開発の歴史や技術的な話、利益の話、さらには趣味のワインの話まで、幅広いテーマで講演を行っています 。今回、いくつか候補を提示した中から、学生さんの未来に一番役立ちそうな「キャリアと人生」というテーマをLabBaseさんに選んでいただきました。


──実際に学生さんたちと対話してみて、いかがでしたか?

近藤氏:学生さんから直接、特に最後の方で「将来について真剣に悩んでいる話」を聞けたのがとても良かったですね 。彼らのリアルな葛藤に触れることができ、私も刺激を受けました。


──その中で、特に印象に残っている議論はありますか?

近藤氏:やはり「博士課程に進むことで、かえって自分の将来を狭めてしまうのではないか」という不安の声ですね 。私はそれに対して、「狭めるのではなく、広げるために行くんだ」ということを強く理解してほしいとお伝えしました。


──近藤氏ご自身も、同じような経験をされたのでしょうか。

近藤氏:ええ。私が日立製作所の基礎研究所にいた時の経験がまさにそれでした。当時は、修士で就職した同期よりも社会に出るのが遅れたように感じたこともありました。しかし、基礎研究で培った「深く掘る力」があったからこそ、その後のキャリアが大きく広がったんです。


──「遅れ」ではなく「強み」になるということですね。

近藤氏: その通りです。博士課程で得た専門性や論理的解析力は、将来必ず大きなメリットになります。今日の話を通じて、学生の皆さんが一歩踏み出す勇気を持ってくれたなら、これほど嬉しいことはありません。


■ LabBaseは、研究に打ち込むあなたの「挑戦」を伴走します。


近藤氏の話を聞いて、自分も今の学生時代に何か動いてみようと感じた方も多くいるのではないでしょうか。
まずは研究室の外にどんな「面白い大人」や「面白い仕事」があるのか。
それを知ることで将来のキャリアのヒントを得ることができるかもしれません。


・ 近藤氏のいる「レゾナック」をもっと知る
「異能」を歓迎し、年齢に関係なく「楽しく働く」ことを大切にする文化。材料の力で社会を変える挑戦に興味が湧いた方は、こちらから詳細をチェックしてみてください。
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LabBaseのイベントの8割は、研究開発の最前線にいる社員が登壇します。近藤氏のように、直接話して初めて得られる直感や納得感が、あなたの「生涯のテーマ」を見つけるヒントになるはずです。
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株式会社レゾナック(旧:昭和電工株式会社)

「素材/作る化学」最強の昭和電工×「材料/混ぜる化学」最強の日立化成 終身雇用は保証されない。その代わりに、どこに行っても通用する人材になれる。 レゾナックは、素材開発に強い昭和電工と、加工・実装技術に秀でた日立化成が統合して2023年に誕生した、“機能性化学”メーカーです。 (「機能性化学」とは、例えば半導体や自動車向けの薄いフィルムに、耐熱性や高い接着性といった「機能」を加える高付加価値な化学製品のことです。) この統合をただの統合ではなく「第二創業期」と捉え、2030年には、“日本発の世界トップクラスの機能性化学メーカー”を目指します。 ━━━━━━━━━━━━━ ■パーパス「化学の力で社会を変える」 ━━━━━━━━━━━━━ レゾナックのパーパス(存在意義)は「化学の力で社会を変える」です。 何十年後かの世の中では「当たり前」になったことについて、「これはレゾナックがいなかったらできなかった」と言われるような会社になりたいと考えています。 例えば、AIはこれからの社会を大きく変えていくと見込まれます。 そのAI用半導体部品は、より多くの情報を速く処理できるものにするために、より複雑な構造にしていく必要があり、そのためには材料も革新が必要です。 当社はこうした進化に貢献する新材料 を多く提供・開発しており、AIの進化に材料面から大きく貢献し、社会を変えていくことができます。 化学の力はあらゆる産業の起点となるもので、「レゾナックがいなければ」と言われるような可能性を持つ領域は広がりがあります。 レゾナックは、幅広い研究開発力・技術力で「化学の力で社会を変えていく未来」を実現していきます。 ━━━━━━━━━━━━━ ■「レゾナックらしさ」とは ━━━━━━━━━━━━━ 【1】後工程で圧倒的なシェアを誇る半導体材料の会社 昭和電工は分子設計までさかのぼることができる「素材」の会社、日立化成は素材を使って機能を生み出す「材料」の会社です。 それぞれの強みを活用し磨いていこうとするのが、統合の大きなコンセプトです。 昭和電工は素材の技術に強みを持っていた一方、日立化成は半導体材料に強く、特に後工程分野で圧倒的なシェアを持ちます。 この両者の技術を組み合わせて、レゾナックは「素材」を「機能性を持たせた材料」にしています。 川中から川下までの長いバリューチェーンを持ち、後工程で圧倒的なシェアを誇る半導体材料の会社。 しかもそれぞれの材料の技術力が極めて高い会社。これが、事業ポートフォリオから見た「レゾナックらしさ」です。 【2】企業文化のトランスフォーム もう1つの「レゾナックらしさ」はパーパス・バリューを徹底して浸透させ企業文化の醸成に取り組んでいることです。 日本の伝統的な大手企業は優秀な人材を擁しているにもかかわらず、その従業員の潜在能力が解き放たれていないという弱点を持っています。 その高いポテンシャルを解き放つためには、会社ごとカルチャーから変革しなければならないと考えています。 古い体質の大手日本企業からの脱却を早急に必ず成し遂げるという強い思いの下に、新しい企業文化の醸成に力を入れています。 ━━━━━━━━━━━━━ ■「企業価値=戦略 × 個の力 × 企業文化」3つの要素でのレベルアップ ━━━━━━━━━━━━━ 【1】戦略「半導体材料でより大きなシェアを取りに行く」 今後も半導体材料において一定以上の地位を確保するために、必要な事業・周辺技術への積極的な投資を行っていくことが大事だと考えています。 これまで半導体の性能向上は前工程の微細化に依存してきましたがその限界が見え始め、現在では後工程における技術革新がこれまでになく注目を集めています。 半導体後工程材料で圧倒的なシェアを持つ当社としては、これを追い風にして成長につなげていく考えです。 その半導体材料事業のコアコンピタンスは「開発力」であるため、開発人員の適切・継続的な確保と育成に特に注力しています。 例えば最新の半導体製造装置を揃えた新川崎の開発拠点「パッケージングソリューションセンター」、そこで設立したコンソーシアム「JOINT2」では半導体製造装置・材料・基板メーカーと組み、技術革新に挑んでいます。 さらに、その第2弾である「US-JOINT」を米国シリコンバレーにも新設し、米国でのレゾナックの存在感、活動を増やしていこうと考えています。 シリコンバレーの地の利を活かし、GAFAMなどとの関係を強化していくことが大事だと考えています。 【2】個の力「エンゲージメントの向上で個の力を解放、社員を自律させる」 2つ目は「個の力」です。レゾナックが大事だと考えているのは、従業員が楽しくニコニコ働ける会社になることです。 従業員のエンゲージメント向上は企業価値最大化の根源にある課題であり、小手先の収益改善策を重ねるよりはこの根本問題に働きかける方が有効であると考え、様々な施策に取り組んでいます。 経営を統合して1年目、まず「タウンホールミーティング」や「ラウンドテーブル」で経営トップが年間1,000人以上の従業員と会い、当社のパーパスとバリューを語りかけました。 その結果「経営層と双方向のコミュニケーションを取りたい」という意見が多く出たことを受け、2年目は「モヤモヤ会議」を開催しました。 これは若手従業員を集めてモヤモヤしていることを言い合い、バリューを使って解決策を経営層と議論するというプログラムです。モヤモヤを起点に気付きや共感が生まれ、解決策を模索するプロセスはを以て、小さな「共創」を実現してきました。 パーパス・バリューの理解がある程度進み共創文化が定着し始めた3年目は、従業員が自分自身を見つめる「パーパス探究カフェ」を始めています。 過去を振り返り、現在を見つめ、将来どういう状態になっていたいかを語ってもらい、自分のパーパスを考えてもらう取り組みです。 こうして段階を踏んで、「会社に依存せず自律してパーパス・バリューを体現する人材」を育成しています。 従業員へのエンゲージメントサーベイでも「パーパス・バリューを実践している」と回答した割合が大幅に向上しており、私たちが目指す「国内の製造業を代表する共創型人材創出企業」に着実に近づいていることが伺えます。 【3】企業文化「カルチャーの革新で共創型イノベーションを加速させる」 3つ目は「企業文化のトランスフォーメーション」です。企業文化のトランスフォーメーションは、人材の育成と併行して特に力を入れているテーマです。共創型人材の育成に加えて、それらの人材が自発的に動き出すカルチャー革新を組み合せることで、「共創型イノベーションの創出」を加速させています。 例えば、従来は半導体材料を作る拠点の要望に沿って別の拠点が素材を開発して届ける、という「点と点」のシナジーにとどまっていました。これを粉を作る拠点の開発の人を材料を作る拠点に配置することで、「面と面」の共創関係にレベルアップさせていこうとしています。さらに次の段階では、粉と樹脂、モノマーなど素材・技術ごとの研究・開発拠点をそれぞれ作っていくことで「共創型イノベーションの創出」へレベルアップさせていきます。 さらに、マーケティングから開発につなげていこうという動きが自発的に起こりつつあります。例えば「6Gに必要な材料は何か」から出発し、そこで必要な材料特性をどう出していけばよいのかを考え、どこの研究開発拠点が担当するのが最適かを決めていく。そうした流れが生まれ始めています。 加えて、「計算科学情報研究センター」では、シミュレーションによる開発時の実験回数の大幅削減を図っています。従来は数多くの実験を繰り返していた内容をAIでシミュレートし、有望と思われる実験に絞り込むことで、発期間の大幅な短縮につなげています。センターの人材がいろいろな現場に出向いて「シミュレーションにかけたいものはないか」と聞いて回ることで、社内での共創の機会も増えています。 このようなパーパス・バリューを体現する活動は、いろいろな拠点で自主的に多く立ち上がっています。人材と企業文化こそ企業価値最大化の核心であり、粘り強く取り組んでいきます。