

研究と向き合いながら、自分のタイミングで踏み出した一歩
──本日はよろしくお願いします。まずは活動を始めた頃の心境から教えてください。
Aさん:正直に言うと、最初は就職活動に対してそれほど実感が湧いていなかったんです。修士1年の6月頃、研究室の同期が3月頃から動いているのを横目で見つつも、「自分はまだいいかな」と研究に没頭していました。焦りというよりは、まだ先のことのように感じていたのが正直なところです。
──そこから動き出すきっかけは何だったのでしょうか?
Aさん:同じ研究室の友人と飲んでいる時に、「とりあえず登録だけでもしておけ」と勧められたのがきっかけです。その友人はかなり熱心に活動をしていたのですが、「プロフィールをしっかり埋めないと声はかからないぞ」とアドバイスをくれて。翌日に研究の合間を縫って、3日ほどかけて自分の研究内容や将来やってみたいことを整理して入力したのが、本格的なスタートになりました。
──研究についても少し伺えますか?
Aさん:通信ネットワークの制御、特に「セグメントルーティング」という新しい技術を扱っています。理論的にどう効率化するかを研究しているのですが、この分野を選んだのは、将来のキャリアを見据えた部分もありました。AIなどの技術が台頭しても、社会インフラを支えるネットワーク技術は普遍的に必要とされ、長く専門性を活かしていけると考えたからです。
現場エンジニアが「専門性」を読み取るスカウト
──LabBase就職に登録して、反応はどうでしたか?
Aさん:驚きました。登録してすぐに、自分が志望群としてぼんやり考えていた大手通信会社やITベンダーから、次々と連絡が届いたんです。特に、第一志望となった大手ITベンダーからのアプローチは非常に具体的でした。
──どのような点が印象的だったのでしょうか?
Aさん:人事の方だけでなく、実際にインターンを受け入れる「現場のエンジニア」の方が、僕の研究内容をしっかりと読み込んで声をかけてくれた点です。
「あなたの研究しているセグメントルーティングの知見を、ネットワーク機器開発に活かしてほしい。専門家としてお呼びしたい」そんなふうに言っていただけた時は、自分の研究が社会のニーズと直結している実感が湧き、大きな自信になりました。プロフィールを詳細に埋めていたおかげで、自分から無理に動かなくても、企業側から僕の強みを見つけてもらえたのだと感じています。
──それが、いわゆる「選考優遇」への入り口になったのですね。
Aさん:はい。その連絡をきっかけに参加した3週間の長期インターンが、非常に大きな役割を果たしました。インターンでの成果を現場の方々に評価していただき、最終的には「ジョブ型確約」という、特定の部署への配属を前提とした推薦ルートを案内していただきました。ESや初期面接をスキップして、ダイレクトに現場とのマッチングに進めたため、研究時間を大幅に削ることなく効率的に活動を進めることができました。
理論と実装のギャップ、そして研究との両立
──スムーズに進んだように見えますが、苦労した点はありますか?
Aさん:9月のインターン期間が一番の正念場でしたね。大手通信会社での1週間と、その直後のITベンダーでの3週間。計1ヶ月間、研究の手を止めることになりました。教授は元々民間企業の研究所にいらした方で、活動には非常に理解がありましたが、やはり自分の研究の進捗が一時的に止まることへの不安はゼロではありませんでした。
──インターンの中身はどうでしたか?
Aさん:自分の研究はどちらかというと理論寄りでしたが、現場で求められたのは「実装」でした。知識はあっても実際に手を動かすとなると勝手が違い、技術レベルの高さに圧倒される毎日でした。ですが、その試行錯誤の経験があったからこそ、単なるイメージではない「仕事のリアルな難しさ」を肌で感じることができたと思っています。
最後の決め手は「人の質」と「確実な未来」
──最終的に、複数の選択肢の中からどうやって決断を下したのでしょうか?
Aさん:12月に大手通信サービス企業から内定をいただいた時は、正直に言って「これで一安心だ」と肩の荷が下りた気持ちでした。しかし、夏季インターンでお世話になったITベンダーの環境が、ずっと心に残っていました。
──何が心に引っかかっていたのですか?
Aさん:一番は「人の質」です。インターンで出会った社員の方々の技術力や議論の深さ、そして共に学んだ学生たちのレベルが非常に高く、この環境こそが自分を最も成長させてくれると感じたんです。
──ご家族の影響もあったと伺いました。
Aさん:父もハードウェアエンジニアとして大手企業で働いており、ものづくりの厳しさと喜びを身近に見て育ちました。父の姿を見てきたからこそ、配属先が不透明な環境よりも、自分の専門性が確実に活かされる場所を選びたいという思いが強くなりました。
──勤務地も重要な軸でしたか?
Aさん:はい、それも大きな要因です。大手通信会社は地方転勤の可能性も高かったのですが、私は関東圏での生活を希望していました。ジョブ型確約によって、働く場所や仕事内容が事前に明確になっていたことは、将来を描く上での大きな安心材料になりました。
納得の形、そして後輩へのメッセージ
──今はどのような心境ですか?
Aさん:第一志望の結果を待っているところですが、今の自分にできることは全てやりきったと感じています。もしご縁がなかったとしても、自分を高く評価してくれた企業との繋がりがあるため、落ち着いて修士論文の研究に取り組めています。自分のペースで始めつつも、必要なタイミングで専門性を評価してくれる現場と出会えたことが、自分にとっての「納得の形」に繋がったと感じています。
──これから活動を迎える後輩たちにアドバイスをお願いします。
Aさん:ぜひ夏季インターンには、少し長めの期間で参加してみてほしいです。数日の説明会では見えてこない、社員の方々の本当の質や、現場の空気感を直接確かめることができます。現場を知った上で納得して進路を選ぶことは、自分自身の将来に対する大きな自信になるはずです。
また、自分の研究内容を丁寧に言語化しておくことも大切です。自分では当たり前の知識だと思っていても、それを必要としているプロフェッショナルが必ずいます。研究が忙しい理系学生こそ、自分の専門性を正しく発信することで、自分にぴったりの場所と出会える可能性を広げてほしいと思います。
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編集後記
インタビューを通じて感じたのは、Aさんが持つ「地に足のついた誠実さ」でした。周囲の早期化に流されることなく、まずは自分の研究に真摯に向き合い、その上で友人の助言を柔軟に取り入れる姿勢が、結果として「現場エンジニアからの指名」という最高の形を引き寄せたのだと感じます。
特に、ご自身の専門性が企業側から高く評価されていると知った時の、少し控えめながらも確かな誇りを感じさせる表情が印象的でした。研究の「理論」を、社会インフラの「実装」へと繋げる。その決断の裏には、自身の専門性に対する深い愛着と、未来を自らの手で選ぼうとする強い意志がありました。彼が進む先にある通信インフラの未来が、より豊かで強固なものになることを確信しています。
こちらの体験談が参考になった方は、ぜひLabBase就職でプロフィールを更新し、興味ありを押してあなたを待っている企業からのスカウトを受け取ってみてください。
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