NG1:研究室推薦でいいだろ…とロクに就活しない
分かります。大学の友達や研究室出身の友達も自慢していました。教授の推薦状をもらい、推薦枠の企業を受ける。確かに「内定を取る」という観点では有利。とはいえ、推薦枠は伝手・コネの側面もあるからこそ、内定辞退が基本できなかったり、仮にしてしまうと後輩や研究室に迷惑をかけてしまったりと自由度が制限される側面もあります。
本当に自分がやりたい仕事や研究ができたり、望む環境ならいいですが、そうでなかった場合に自分の意思だけで行動できるわけでないのは精神的負担感も大きくなるのではないでしょうか。
大切なのは、「幅を狭めないこと」。
自分が何をしていきたいのか、どんな環境で働きたいのかを考え、研究室推薦の企業も、そうでない企業も含めて広く検討することをお薦めします。
ずっと同じ会社に勤める時代ではなくなったとはいえ、せっかくの新卒採用というフラットな目線であらゆる企業を見れる時期。少し手を広げてみて、企業を探してみるのも手かもしれません。
また、その経験は、いろんな業種や仕事を知る・現状を知るといった副産物もあります。もちろん研究室推薦には、先輩がいるからこそ聞ける実態を掴めるという利点があるので活かすべきですが、一つの方法に頼らず、「自分が築きたいキャリアにとって大事な物」を考えてみませんか。
とはいえ、研究に忙しくなかなか企業研究に時間を取れないのも事実。そんな方には、研究内容を登録しておけば企業からスカウトがくるダイレクトリクルーティングサービスを使ってみるというのも1つの手です。思いもよらない企業からのスカウトで視野が広がったり、キャリア観が深まりますよ。
オススメはもちろん、理系院生シェアNo.1ダイレクトリクルーティングサービス 「LabBase」です。
NG2:理系は専門性がアピールポイントだろ!と研究内容を熱く語る!
「私の専攻内容は、昨年のノーベル化学賞で注目を浴びた…」
筆者が、グループ面接を受けた時にこんな自己紹介をされた方がいらっしゃいました。かっこいいな、自分の研究内容を堂々と語れるの。
ただ、語りすぎも良くありません。理系生がやってしまいがちなのが、研究への熱さゆえ、専門用語を多用して研究を必要以上に詳細に説明してしまうこと。例えば、全くその専攻内容を知らない方がその話を聞いたらどう思いますか…?「うん、それで結局何が言いたいんだっけ…?」と面接官に疑問を抱かせたり、場合によっては「空気読めないヤツ」とみられてしまう結果になるかも。
専攻内容はアピールポイントになりますが、そこから学んだことは何か、また得た知見を仕事の中でどう生かしていきたいと考えているのか。その思いを伝える方が、採用を決める側にとってアピールになるのです。
「○○の研究によりこういう知見を得ました。この知見を活かして、貴社の△△の開発に…」
といった説明ができるといいですね。自分のできることに加えて、やりたいこと・やってみようと思うことを加えることで、意欲も含めてあなたを評価してくれるでしょう。そのとき、得られた知見としてアピールすることは、専門性に加え、問題解決力や教授や先輩への相談力、周りを巻き込む推進力など専門知識以外のことまで広げて考えられるといいですね。
また、自分の研究を分かりやすく伝えるには、身近にある分かり易いたとえに置き換えるのもいいかもしれません。身近な商品や話題の物に、などです。
「■■という機械、実はあれは○○の研究が基礎になっているのですよ!それで…」といった説明をすると、聞いてる人の興味を喚起できるでしょう!
NG3:グループディスカッションで数字の妥当性に異常にこだわる
何事も定量的に表現され、客観的事実をもとに検証されるべき。実験などで数字や事実への感度が高い理系生だからこそ陥りがちな落とし穴です。たとえば、グループディスカッションで「留学する日本人大学生を増やすには?」といったテーマが与えられた場合。「そもそも今の日本の大学生を何人と推定するか」「現状の留学生割合は」などある程度の推定をもとに議論を進める際にも、ついついその推定数字そのものの正確性にこだわちゃったりしてませんか?
確かに正確性は大事。とはいえ、グループディスカッションの目的を今一度考えてみましょう。グループディスカッションでは、初めてのメンバーとの環境下でも与えられた課題・目標に向かって建設的に物事を進めることができるかが見極められているのです。
議論を深めていくうえで、前提となる数字がKeyになることはもちろんですが、その妥当性を検証しすぎるのでなく、仮置きした前提をベースにいかに課題にアプローチしていくか、視点は十分かなど他の参加者の意見も踏まえながら考えていくようにしましょう。
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NG4:コミュ力大事だよね!とテンション上げてハキハキ
「コミュニケーションが大事だから、とにかく元気に!」
良いですね、元気なことは。明朗快活なことは、一緒に働くメンバーにもいい影響を与えるでしょう。
ただ、勘違いしていただきたくないのは、コミュニケーションとは「キャッチボール」なのです。 つまり、テンションが高いことが重要なのではなくて、齟齬が無く意思疎通をすることがポイントなのです。
上述のグループディスカッションでもコミュニケーションが一つの判断軸になりえます。
相手が期待することは何か?それに対して伝える内容はどうあるべきか?
社会人に求められるコミュニケーション力というのは、相手の意図を踏まえ、相手が知りたいことを分かり易く伝える力です。この繰り返しが円滑な商談や取引相手との中長期的な関係構築にもつながってくるのです。
したがって、面接の時であれば、質問内容を一旦咀嚼します。「あ、これはこういうことを知りたがっているな!」と思考を巡らせて、そして相手の意図に対して答える。
これがコミュニケーションのポイントです。これができれば、面接官も「コミュニケーション力とは何たるかを知っているな」と思ってくれるでしょう。
明るくウェイウェイしていなくても、落ち着いて冷静沈着ながらも相手の意図を汲んだり、集団の中での役割を果たせていればマイナスに評価されることはありません。むしろ、無理してキャラクターを演じているほうが痛々しくうつることがあるかも。。。
終わりに
いかがでしたでしょうか。書いた内容は、文理問わず言えることもあるかもしれません。
しかし、理系に特化した理由として、一般的に理系学生が「論理的思考に優れているだろう」「コミュニケーションは下手だろう」「数字にはうるさそう」というバイアスを持っている人が多い為です。そしてそのバイアスに応えてくれる(?)学生が多くいます。
せっかく見つけた意中の企業を掴むためにも、NG集の中の1つを気を付けるだけでも、結果は変わってくるかもしれません。