理系就活ラボ:エントリーシートは方程式で勝てる!

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LabBase Media 編集部

理系就活ラボ:エントリーシートは方程式で勝てる!

就活解禁から早1ヶ月半。みなさんの就活は順調でしょうか? 就活を進める中で、就活スキルやお作法についての疑問も生まれてきた頃かもしれません。でも、心配無用。就活には「勝ち方」がある。過渡期にある就活を勝ち抜く方法を理系就活サービスLabBaseを運営する株式会社POLのメンバーが伝授します。 記念すべき第1回は、「エントリーシート」。学生部責任者の橋本光にインタビューしました。


橋本光
岩手県出身 東北大学4年(2019年4月時点)。大学1年生からインターンを始め、2016年12月に株式会社POLでインターンを開始し、2019年4月にPOLに入社。現在は東京で学生部責任者として、学生獲得のためのマーケティングに関わる。


  

橋本光がESに精通する理由


自分自身は就活をほとんど経験していないので、ES作成の経験は限られます。
しかし、企業の人事の方と話すことで身につけた人事視点や、論理性と心に訴えるビジネスコミュニケーションスキルをESに方法論として落とし込み、それをもとに就活生にアドバイスをしています。


最近では、Twitter上でESの公開添削イベントを行ったり、Twitter経由で応募のあったES添削の依頼に応えており、就活生からも非常に高評価をいただいています。


ES添削をして感じることは「最初に結論から伝える」だったり、「目的から伝える」だったり、そういった基礎的な部分に課題を抱えている人が多いということです。また、自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)など、自分の強みの伝え方に苦労している人が多いなとも感じます。
ESを書く心得として大事にしてほしいことは、「人事がESを読んだ時にどういう風に捉えるか」という客観的な視点です。
  
  

ESの極意① 人を動かす方程式



ESには営業のスキル「人を動かす方程式」を当てはめることができると考えています。
『(メリットx権威付け)xプラス感情x責任感>コスト』
  


  • ①メリットは、「自分を採用したら会社にどのようなプラスがあるか」と言った合理的な採用要素。
  • ②権威付けとは「メリットを補強する要素」。例えば、「学生時代は学生団体の代表としてこんなことを成し遂げてきた」だとか、「メルカリのインターンに行ってきました」などです。
  • ③プラス感情には色々な種類がありますが、就活だと「印象いいな、いい子だな、一緒に働きたいな」などのような感情を相手に生み出すこと。
  • ④責任感はES段階ではあまり発生しないと思いますが、企業側の採用要件に近いイメージです。
  • ⑤コストとは、企業側の「採用するコスト」

  
多くの学生は、自分の強みだけを主張しすぎる傾向にありますが、ES作成の根本は自分を採用することが会社ににどのような「①メリット」があるかを考えることです。


メリットを押さえた上で、「②権威づけ」や「③プラス感情」など他の要素をバランス良く盛り込んでいくことが大切です。


   

ESの極意② 学生時代に力を入れたこと&自己PR


私が考えるガクチカ作成のポイントは2つです。
1つ目は、エピソードを抽象化して学びとして加えること。
エピソードだけで終わってしまうESがありますが、人を動かす方程式の「メリット」の部分(この子を採用したら会社にどのようなプラスがあるか)を付け加えるべきだと考えます。


仕事の中では単発の成功よりも再現性を持って取り組める人が評価されていきます。就活も同様、日々のバイトやサークルの取り組みはどうして成功したのか、もう一度成功するためには何が必要かをエピソードから抽象化して学びとして伝えることが周りから一歩抜け出すポイントです。


抽象化というと難しく聞こるかもしれませんが、「どうしてその取り組みが成功したのか」という問いを掘り下げていくことでうまくできるのではないでしょうか。



  
*実際のES添削例


「長期インターン先で企業課題解決に向けて自ら取り組んだ経験を通して、問題意識を持ち率先して取り組むことのやりがいと、周囲 を巻き込み 成し遂げることの面白さを感じました。」

橋本フィードバック


人事や会社が求めているのって、やりがいや面白さのような「感情」「スタンス」より、「実際のスキル」の方 が強いんじゃないかな? 課題に対してどう取り組んで何を得たのかを抽象化して追記したい。

橋本リライト


組織のメンバーの働きやすさ向上やモチベートに時間を割くことで、結果的に大きなパフォーマンスを出 せるということを学びました。パフォーマンス向上のためには、環境整備が大切ということです。このプロジェクトを進めるにあたって、まず出勤日のばらつきのあるメンバ ーが働きやすい仕組みを作ることから始めることによって、結果的にその後のプロジェクトの生産性が 大きく上がりました。これは私にとって、組織環境を整えることの重要性を理解するとても良い成功体験になりました。

上記リライトの意図


「周囲 を巻き込み 成し遂げることの面白さ」というだけだと、巻き込む方法やスキルの獲得についての説得力が弱い。そこで、「働きやすさ向上やモチベート」といった環境整備が必要という学び、気づきを得たことを追記しました。ESを読む人に対しても、「こうやって具体事象を抽象化して学べる学生は、どんな環境でも成果を残せる=自社でも採用した い!」と印象付けられるのではないでしょうか。
このようにスキル面に比重を置きつつ、「加えて、このプロジェクトを通して、自分は”自分が問題意識 を持ったことに対して能動的に取り組む環境””個人ではなくチームで仕事をする環境”で力を発揮する ことができるという風な気づきも得られました」とスタンスについても言及を付け加えるとなおよし。

ガクチカ作成2つ目のポイントは、「強烈なエピソードと表現で一歩抜け出すこと」です。


単に「勉強しました。」「TOEICの点数を200点あげました。」だと周りと差がつかないし、印象に残りません。「勉強しました」というエピソードを伝えるにも、ソフトバンクの孫さんは「食事中は教科書を読みながら利き手で適当にお皿を刺して刺さったものを食べていたので、何を食べていたかをあまり覚えていない」と言っていました。
 
「勉強を頑張った」という同じ内容でも表現ひとつで聞き手が受ける印象は大きく違いますよね。他にもただ単に「勉強に打ち込みました」と伝えるよりも、「友達の誘いを断って隙間時間に勉強していたので、この期間でだいぶ友達減りました。」など、表現を少し工夫すると数多くのESの中でも強い印象を残すことができるのではないでしょうか。


  
 

ESの極意③ 志望動機



  
まず志望動機を考える前提として、企業に受かることより自分にあった企業を見つける方が100倍重要だということを伝えたいです。


「内定をもらうこと」が目的化している就活生が多いですが、就活における一番のゴールは『自分にマッチした企業で楽しく働き活躍すること』だと考えています。なので、志望動機に悩む時点で自分に合った企業を見つけられていない可能性は十分にあります。
自己分析を通して自分に合う企業を人の5倍考え抜くことで、必然と企業からは魅力的な学生に映ると思うし、志望動機も必然的に見えてくるのではないでしょうか。


『人の5倍考え抜く』をもっと掘り下げると、例えば就活の軸を30個考えてみるということがそれにあたると思います。
人事は自社を志望する理由が明確かつ論理的で、それが自社に合っている子を採用したいと考えます。そのため、100社の選択肢から自社を選んでいる子よりも、就活の軸をしっかり立てて3社の中から自社を受けてくれている子の方が必然的に魅力的に映るんです。


『裁量が与えられる』や『風通しが良い』など自分が重要視する項目以外にも就活の軸を考え抜き、1社になるまで絞り込んでみると良いと思います。


    
  

ESの極意④ 人事目線でいいと感じるESとは



僕自身、学生採用に携わることが多いのでその経験から話します。
人事視点で良いと感じるESは、「企業の採用目的は自分の成長や自己実現ではない」ことを理解していることが伝わるESです。


企業が学生採用をする目的は「ミッションビジョンの実現」であるにも関わらず、多くの学生はESで「自己実現」を語ろうとするので、 企業の主語はWE、就活生の主語はIといった風にズレが生まれます。「相手は何を実現したいのか」を考え、「企業のミッションビジョンに共感している」と伝えたり、「自己実現することが企業の成長にも繋がる」という伝え方をすることが大事です。


  
  

ESの極意をLabBaseでも活かす方法とは


LabBaseでは理系学生の研究について「研究の概要」「研究の意義」「研究を通して学んだこと」など各項目を埋めることで個人プロフィールを完成させていくことが出来ます。
ESとは違い、いい意味で企業の顔色を窺った内容にする必要はありませんが、ESの極意で説明したことはLabBaseプロフィールに生かすことが可能です。


例えば「研究から学んだこと」ではESの極意で説明した「抽象化転用能力」を見せることが出来ますし、「研究を選んだ理由」では原体験をわかりやすく説明することが大切です。自分にフィットした企業に見つけてもらい、スカウトを獲得するためにも、「これからやってみたいこと」の欄でも自分自身をオープンにし、こだわりを持って記入することが大切だと思います。


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それでは最後に就活生へ一言お願いします。


就活の時点では企業の情報を100%取りきることができないので、「行ってみたら想像と違った」ということはよく起こります。
就活の本質である「自分にマッチした企業で楽しく働き活躍すること」を達成するために、できるだけインターンでリアルな仕事場を見に行き企業の内側の情報を取りに行って欲しいです。


また、何社か迷っているのであれば隣の青い芝生を追うのでなく、内側の見えている方に行くのが良いのではないでしょうか。就活で悩んでいるときは気軽にLabBaseスタッフに相談してください!


  
   

More LabBase!!!


LabBaseの作り手の思いを知ってほしい!ということで、今回講師を務めてくれた橋本光をちょこっと紹介します!



Q 今後、LabBaseをどんなサービスにしていきたいですか?
理系学生が自分にマッチする企業に出会い幸せになってほしいです。LabBaseの価値はそういう学生が増えることにあるので、幸せになる学生が増えると嬉しいなと思います。また、働く環境は優れているにも関わらず、これまで日の目を見なかった企業(隠れ一流企業)と優秀な理系学生がラボベースで出会うような、両者にとってWinWinな関係をLabBase事業を通じて作っていきたいです。

ライター
アオト アンナ
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