「いろいろなチャレンジができること」に惹かれ入社

――まず、学生時代の研究内容を教えてください。
別所:トラックの走行速度や急ブレーキ・急発進を測定するため搭載が義務化されているタコグラフという機械があり、このタコグラフの活用程度と事業規模の関連性を研究していました。タコグラフのデータを運転⼿の教育や業務の改善に活⽤できないかと考え、複数の事業者にアンケートをお願いし回答結果の分析を行いました。
大和田:車や工場の排ガスに含まれる酸性雨の原因物質である窒素酸化物の検出手法を研究していました。リトマス試験紙のように環境汚染物質が分かりやすく計測できるものがあれば環境に対する意識も高まるのではと考え、安価で簡便なセンサーの開発に取り組んでいました。
――就職活動にはどのように取り組みましたか?
別所:学生時代の知識を生かせる物流業界を希望していましたが、やりたいことが明確に分からなかったため「いろいろなチャレンジができること」を会社選びの軸としました。物流だけでなく鉄鋼・食品・化学品など多領域でものづくりに携わっている鴻池運輸株式会社(以下、鴻池運輸)であれば新たな挑戦ができそうだと思い、⼊社を決意しました。
大和田:父が製鉄所関係で働いていたため、仕事のイメージがしやすい鉄鋼業界への就職を希望していました。しかし、一つの業界の中だけで働くということは、自分に合っていなかったときに他の選択肢がないことを不安に感じました。鴻池運輸なら複数の事業本部があり、万が一鉄鋼事業がイメージと違っていても同じ会社の中で環境を変えながら働き続けられると思い、入社を決めました。
総合職こそ理系的思考が役立つ

――コース別(技術系/事務系)に分かれている会社ではなく、総合職という形での募集をしている会社を選んだ理由と、総合職の具体的な業務内容や魅力を教えてください。
別所:ジョブローテーションでいろいろな経験ができることを魅力に感じ、総合職を志望しました。これまでには社員の労務・業績管理のデスクワークを行うかたわら、プラントの企画や設計、建設工事から施工管理、保守・メンテナンスなどの業務を行うプラントエンジニアとして、ヘルメットと安全帯、腰道具をつけて現場管理業務にも従事してきました 。
鴻池運輸の総合職は営業所を管理する立場になるので、若手から一定の裁量が与えられます。現場を巻き込みながら自分のやりたいことに取り組める環境は魅力ですね。ジョブローテーションがあるとまるで転職したかのように業務内容が変わることも、よい刺激になっています。
現場管理業務と労務・業績管理業務では考えなければならないことがまったく異なるので、切り替えができるようになるまでは大変でした。しかし、メリハリをつけてたくさんの業務をこなしたことで、ジェネラリストとして幅広いスキルが身についたと思います。
大和田:何か一つを極める働き方に憧れはありましたが、少しずつできることが増えていく達成感を感じながら働くほうが自分に向いていると思い、総合職を選びました。入社後、プラントエンジニアとして主に⼯事現場の管理を担当していましたが、今年4月に「連続鋳造機」の保全業務を⾏う職場へ配置転換がありました。製鉄所には製品を作る前段階の素材である鉄塊を作るための大型設備があり、このメンテナンスの担当です。
配置転換以降、同じ課内でも担当職場が変わると視点が変わり、これまで⾮効率だと思っていたことにも理由があると気付きました。こうした気付きは、現場管理だけでなく業績管理業務にも反映できます。環境が変わることで新しい発見を積み重ねて個人的にも成長でき、現場や会社全体、ひいては社会全体に貢献できるのは、ジェネラリストである総合職だからこそ得られるやりがいだと思います。
――働いていて、理系出身であることが強みになっていると思ったことはありますか?
別所:日常業務の中でも数字の管理は多く、例えば月々の業績を分析したり、新規プロジェクトを行ったりするときはさまざまなデータを集めて分析し、結果を考察する理系的アプローチが生かせます。
大和田:現場管理でも理系出身者は有利です。実際、配置転換前は理系出⾝で基礎知識があるだろうという理由で化学系のラインの管理をいくつか任せていただきました。
実際に現場に赴くまではまったくピンと来ていませんでしたが、いざ中身を見てみると化学系のラインは極端な言い方をすれば学生時代の実験装置が大規模になったものでした。そう気付いてからは「あ、これ見覚えあるな」とすんなり理解できたんです。
やりがいを感じるのは、組織として成果を上げたとき

――就職してから新たに必要になった知識や技術はありましたか?
別所:営業所の管理者として、現場で働く人の健康管理は業務の一環です。衛生管理や健康に関する知識が必要になり、資格取得のため勉強しました。データや研究に裏付けられた対応を学び、自信をもって管理業務にあたりたいと考えたためです。
大和田:労働基準法や、業績管理のため簿記の知識も重要です。加えて、 現場管理では工程やスケジュールを綿密に計画し、不備なく書類を作成して計画通りに作業を進める能力も必要。社内研修でも締め切りを守る重要性を繰り返し言われました。漫然と業務をこなすだけでは身につかない能力なので、常に意識するようにしています。
――仕事のやりがいを教えてください。
大和田:工事を終えたときが一番やりがいを感じますね。管理責任者である自分の行動が工事の進捗に直結するので、工程がタイトだった、物資の調達が厳しかったという困難があった現場ほど達成感が大きいです。
別所:私も、工事が問題なく終了したときや、組織としての安全や業績の目標を達成できたときなど、みんなで何かをやり遂げたときにやりがいを強く感じますね。無駄な経費や残業時間の削減など、周囲と相談して対策を講じ、その結果が数字で表れたときも「自分は間違っていなかったんだ」とうれしくなります。
――今後どのような仕事をしたいか、どんなキャリアプランをお持ちですか?
別所:これまでは現場管理といってもサブの立場だったので、今後は自分が支柱となって一人で工事の開始から終了まで担当できるようになりたいです。また、今の職場で得た知識を次の職場で還元し、そこで新たな知識を得ながらキャリアを積み重ねていきたいですね。
大和田:機械の整備は人の手で行うので、負担が現場の作業者に集中してしまいます。現場作業者の負担を軽減しつつ、収益を上げて業績を改善することが目標です。10年、20年先の目標はまだイメージできていませんが、中期的な目標として 「お客さまと交渉し、計画を立て、実際の作業に落とし込む」一連の流れを完遂できるようになることを目指しています。
人を巻き込んでいく能力が活躍の秘けつ

――入社するまでに必要な心構えはありますか?
大和田:管理者として年上の方に指示を出すこともあるので、その際の接し方や伝え方は考えておくとよいと思います。のちのち自分のやりたいことをやろうとするときも、それまでに信頼関係を構築できているかどうかで周囲の協力体制が変わってきますから。
別所:そうですね。入社直後から親世代の方もいる現場の管理者を任されるため、年上の方と対等な立場で働くことへの心構えは必須だと思います。
それから、働き始めると自分で時間を作り出すことが大事です。いまのうちに自由な時間を満喫しつつ、入社までに時間管理をする習慣を身につけておくといいですね。
――社内で活躍している人、これからともに働きたい人はどのような人でしょうか。
別所:一人で仕事を遂行する能力も重要ですが、現場では実際に作業をする方の協力を得られなければ物事を進めることはできません。当たり障りのないコミュニケーションだけでなく、実際に人を巻き込んでいける能力は、総合職としてとても大事。積極的に人と関わっていける人とぜひ一緒に働きたいです。
大和田:私も、人を巻き込む力がある人が活躍していると思います。個人的に一緒に働きたいと思うのは、仕事でもプライベートでも、何かやりたいことを明確に持っている人。趣味の話でお客さまと話が弾むこともありますし、仕事でも「こういう改善をしたい」という思いが人を巻き込んで変化をもたらしていく原動力になっています。 やりたいことを見つけ、それに向かって進んでいける人と仕事がしたいですね。
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編集後記
プラントエンジニアとして活躍する二人の話から、理系のバックグラウンドを持つことの利点が実感できるインタビューだった。プラントエンジニアリング以外にも幅広い分野で事業を展開する鴻池運輸であれば、「理系ジェネラリスト」として活躍するフィールドが広がっているのではないだろうか。