研究室から「公認会計士」に! PwCあらた有限責任監査法人のグローバル・リーダーシップ・プログラムを選んだ2人の挑戦

インタビュー

LabBase Media 編集部

研究室から「公認会計士」に! PwCあらた有限責任監査法人のグローバル・リーダーシップ・プログラムを選んだ2人の挑戦

会計だけでなく経済、法律、経営など広範な専門知識を身に付け、仮説検証の思考で挑む監査という世界。理系出身者が公認会計士として活躍するPwCあらた有限責任監査法人(以下、PwCあらた)は、日本の4大監査法人の一角をなす組織だ。大学院から同法人への道を進み、公認会計士試験にチャレンジした若手2人に、監査法人を選んだ理由やグローバル・リーダーシップ・プログラム(以下、GLP)の体験、研究と監査業務の共通点などを語ってもらった。 PwCあらた有限責任監査法人: 公認会計士、コンサルタントなど多様なプロフェッショナル人財が、自律的に、相互に尊重しあい、アシュアランス(保証)業務およびアドバイザリー業務を通じて「共通の行動規範」に基づく言動を行うことによって「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPurposeを実現。

※記事内の社名は取材当時のものとなります。2023年12月1日付でPwCあらた有限責任監査法人はPwC Japan有限責任監査法人に名称を変更しました


未知の領域だった「公認会計士」や「監査法人」



――学生時代の経験についてお聞かせください。


R・T:物理情報工学を専攻し、大学院ではスピントロニクスという量子力学系の分野を研究しました。ニッチな研究の面白さの一方で、「人と距離の近い仕事で社会に貢献したい」という気持ちも出てきていました。


就職活動では興味があった航空業界やコンサルティング業界を志望。コンサル企業のインターンシップでは、自分がまだまだ世の中のことを理解していないと分かり、堅実に基礎的な知識を付け、自信を持って人の役に立てるようになりたいと感じました。


その頃にPwCあらたの公認会計士のインターンシップを見つけ、「専門性をベースに、監査やアドバイザリーで人の役に立つ格好いい仕事」というイメージを持ちました。当時、公認会計士については「資格試験に合格して入る世界」という程度の認識で、仕事内容は全く知りませんでした。


――現在の仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。


H・S:大学院では、物理学部の中でも気候系の専門で、化石燃料を燃やした際のCO2の大気循環などをモデルシミュレーションしていました。


地球温暖化に関わる研究や発展途上国で家を建てるボランティア活動の中で、CO2排出量と経済成長率のバランスの取り方に興味を持ちました。そして両専門性の視点から企業に提案するコンサルタントのような仕事に興味が出てきたんです。


情報を探していたときにPwCあらたのコンサル系インターンシップの中の公認会計士を目指すプログラムを知り、「一つの選択肢として面白そう」と思い応募しました。在学中から簿記に興味があり独学していましたが、監査法人とコンサル企業の違いは知らず、就職活動を通してイメージの解像度が上がっていきました。


公認会計士試験は「急がば回れ」のルート



――お二人は「グローバル・リーダーシップ・プログラム(GLP)」という採用枠で入社されたそうですね。


H・S:GLPは社会を動かす力を手に入れ、世界を変革するグローバルリーダー人財を育成するプログラムです。


世界で通用する「本物」の人財になるために、マネジメントメンバーによる直接コーチング、PwCネットワークにて、さまざまなプロジェクトを体験、入社3〜4年の期間に海外駐在へ挑戦など、さまざまなプログラムが用意されています。キャリアをスタートするためには公認会計士資格取得が必須となっており、会計士資格早期取得サポート制度(給与および専門学校費用の支給)を通じて試験合格を目指すことができます。


私は修士1年の2月に内定をもらってから勉強を始め、卒業して入社後の8月まで論文式試験に向けて勉強しました。当初から異分野に飛び込む不確実性は感じつつも、公認会計士は国家資格なので、会計の専門家として将来性があるという思いも正直ありました。また、簿記、法律、税務、経営管理などの知識を包括的に要するので、その全てが身に付く価値も感じましたね。


R・T:私は研究室が多忙だったので、内定後の試験勉強時間の確保に不安があり、会社側に事前に相談しました。すると「研究との両立前提でOK」と内定者に寄り添うスタンスだったので安心できました。


修士2年の8月、ちょうど研究発表の準備などがなかったので簿記3級の勉強を始めました。あくまで研究を優先しながら卒業し、入社に至りました。


――公認会計士試験(2022年)は合格率7.7%の狭き門ですが、勉強中はどんな心境でしたか?


R・T:大学院を出てさらに1〜2年勉強を続けることで「本格的なキャリア開始に時間がかかる」ということと、「もし試験に受からないまま諦めることになったら」という2点が気になっていましたね。


ところが結果的に、公認会計士の勉強は自分にプラスになりました。社会の動きや企業活動に関する法律の内容など、世の中の仕組みをしっかり学んだ上で今、社会人としての知見を蓄積できています。私にとってGLPは「急がば回れ」のありがたいルートでした。


――勉強中はどんなサポートがありましたか?


R・TGLPの先輩でもあるメンターが、勉強の進め方からメンタル面まで丁寧に指導してくれました。おかげで、給与をもらいながら勉強をするプレッシャーも力に変えられましたね。


公認会計士試験の勉強の面では、専門学校の指導が手厚く、個人のスケジュールに合わせて対応してくれました。


PwCというブランドを背負う責任



――晴れて公認会計士となり、どんな業務を担ってきましたか?


R・T:監査とアドバイザリーの両業務を担当してきましたが、いずれも難易度が高く、最初はかなりあたふたしました。


現在従事している監査業務は、「外部向け」と「内部向け」の2種類に分けられると思っています。外部向けは、一般的な投資信託運用会社などの監査。内部向けは、数ある監査チームの品質向上や新基準の対応などです。


アドバイザリー業務は、資産運用会社の規制対応のサポートです。クライアントが規制に早めに対応できるよう、私たちが動向をキャッチアップしてお伝えします。


H・S:私は資産運用アシュアランス部で、投資信託運用会社、特に不動産に投資するファンドの監査を担当中です。他に、監査業務の効率化・自動化の取り組みや、GLPを含む採用支援にも関わっています。


1年目の途中までは先輩に教えてもらいながら、それ以降は自分主導でタスク管理を行い後輩に作業指示を出すなど、チームとしての働き方を実践中です。


――監査業務について、学生にも分かりやすく教えてください。


H・S:企業が投資家に対して、経営成績や財務状況を報告するのが「財務諸表」であり、その情報が正しいかを確かめるのが監査です。単に資料とデータを照らすだけではなく、企業が動かすビジネスの実態や収益発生の理由まで理解し、不正や作業ミスの生じやすい領域を特定し、確認作業を重ね、適宜クライアントとコミュニケーションを取る仕事になります。


例えば、前期の赤字と後期の業績回復が財務諸表から分かる場合、「パンデミックの落ち着きや円安で客足が伸びた」という合理的な理由が考えられます。


しかし別の見方をすると、赤字続きで投資家から見限られないよう不正による虚偽表示の可能性もあるかもしれません。このように会計士には、職業的懐疑心が求められ、監査では財務諸表の裏側を読み取る必要があるんです。


私たちがデータをつぶさにチェックすることが、企業経営の健全性の裏付けや投資家の損失防止につながっていくと信じています。


――業務にはどんな知識やスキルが求められますか?


H・S:自分で調べ、考え、相手に伝えるという三つのスキルが重要で、まさに研究経験が活きています。チームワークにおいては、学生時代の結婚式場のアルバイトで培った簡潔かつ丁寧なコミュニケーションの力が役立っています。


公認会計士としての知識を蓄え始めたのは内定以降ですが、GLPは知識そのものではなく学びのチャンスを提供するプログラム。もらったチャンスを活かして自律的に勉強し、足りないものは先輩から学ぶという感覚です。


R・T:監査など保証業務で用いる仮説・検証の流れは、研究室での実験と共通しています。実験が好きな人には楽しい仕事ですよ。


――理系の思考や知見にマッチしやすいということですね。やりがいを感じるのはどんなときですか?


H・S:主体性重視の会社なので、自分が関わる業界や働く場所を選べて、やりたいことを上司に相談すれば環境を整えてくれるなど張り合いがあります。資産運用業界に詳しくなり、専門性を追求できることもやりがいの一つですね。


R・T:日本を代表する企業の内部統制や経営方針に触れながら経済や業界の専門知識が身に付き、働くほどに自分にリターンがあります。ITや経営の専門家との協業や海外駐在のチャンスがある他、日本でも多国籍なメンバーと仕事をしながらコミュニケーションやマネジメントなどのソフトスキルを磨けます。


――仕事で大変だと感じることはありますか?


H・S:クライアントと話すときは、相手業界の専門知識がない場合でも監査のプロとしての対応が求められます。ただ、困ったときは社内のパートナー職階の人に個別相談ができる仕組みがあり、相談や質問がしやすい組織風土にも助けられています。


R・T:1チームの保証業務の品質が全社の信頼に関わるため、緊張感を持って業務にあたっています。クライアントとの言葉のやりとり一つにも、PwCというブランドに伴う責任を感じます。


とはいえ風通しの良い会社なので、社内では立場の上下なく意見し合うことができるんです。基本的に楽しい雰囲気で仕事ができ、違う職階の人と一緒にプライベートで山登りに行くこともあります。


「自信を持って人の役に立つ」ことが価値を生む



――今後のビジョンやキャリアイメージをお聞かせください。


H・S監査業務における単純作業の自動化に興味を持っています。新規制への対応の検討や、よりクリティカルなコミュニケーションに集中できる環境を作っていきたいです。


R・T:多くの情報にアクセスできる世の中ですが、「情報の信頼性」の問題は深刻です。例えば企業の発信する情報が正しくても、その正しさがうまく伝わらなければ情報の受け手は「これって本当?」と感じます。


そんな中、信頼性を付与するための保証業務の重要性は、今後さらに高まると意識しています。業界を絞らずに業務経験を積み、企業のペインポイントに対応し、監査人としてのプロフェッショナル性を追求したいです。それは就職活動時の「自信を持って誰かの役に立つ」という軸にも直結しています。


――最後に、読者にメッセージをお願いします。


H・S公認会計士は、監査業務以外にも可能性のある仕事だと思います。GLPを通じて公認会計士の業務を知り、公認会計士の可能性を広げていってほしいです。


R・T「相手の困りごとを解決しよう」「役に立てるよう頑張ろう」という基本姿勢があれば、仕事で価値が生まれ、自分に返ってくるものも大きくなります。一緒に働く人にもその思いが伝わり、大いに活躍できると思います。


PwCあらた有限責任監査法人の 「企業情報」をチェック!
グローバル・リーダーシップ・プログラムの募集要項は こちら


編集後記


PwCあらたでは、十分なサポート体制の中、公認会計士として堅実に知識を付けてからキャリアを追求できる。二人の率直な語り口からは、若手が自由に発言し活躍できる組織カルチャーも感じられた。決して遠いフィールドではない公認会計士や監査・保証業務の世界を知り、自身の適性を確かめてみてはいかがだろうか。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年9月公開)


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ライター
水田 真梨
カメラマン
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PwC Japan有限責任監査法人

PwC Japan有限責任監査法人は、卓越したプロフェッショナルサービスとしての監査を提供することをミッションとし、世界最大級の会計事務所であるPwCの手法と実務を、わが国の市場環境に適した形で提供しています。さらに、会計監査だけでなく、内部統制、ガバナンス、サイバーセキュリティ、規制対応、デジタル化対応、株式公開など幅広い分野に関する助言を通じて社会の重要な課題解決を支援しています。PwCビジネスアシュアランス合同会社、PwCサステナビリティ合同会社、PwCリスクアドバイザリー合同会社、PwC総合研究所合同会社とともに、信頼されるプロフェッショナルとして、日本の未来にあらたな信頼をもたらすことを、Assurance Vision2030として掲げています。 「Build trust in society and solve important problems」 社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する 私たちPwCは、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことを自らのPurpose(存在意義)として定めています。これは、世界情勢やビジネス環境が大きく変化し続ける中、複雑な課題に対してPwCが重要な決定を下すにあたってよりどころとしているものであり、また世界各国のPwCと連携をするうえでも重要な役割を果たしています。 Assurance Vision2030 https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/assurance/vision2030.html