※記事内の社名は取材当時のものとなります。2023年12月1日付でPwCあらた有限責任監査法人はPwC Japan有限責任監査法人に名称を変更しました
幅広いクライアントに数学の素養を直接的に活かせる

――お二人が学生時代に研究していたことや、就職活動で軸にしていたことを教えてください。
M.E:学生時代は偏微分方程式論、具体的には生物の侵入・移動現象をモデルとする反応拡散方程式の自由境界問題について研究をしており、時間の経過に伴う生物の個体数密度や生息域の境界の挙動を数学的に解明しようとしていました。
就職活動では、専攻していた数学の素養が活かせる職種に就きたいと考え、当初はアクチュアリーを志望。数学科ということもあって、周囲も同様の志望者が多く、就活を始めた頃は監査法人やコンサルタントという選択肢はあまり考えていなかったんです。
ところが、あるとき就活サイトでPwCあらたのリスク戦略コンサルタントの1Dayワークショップの存在を知りました。「監査法人は選択肢になかったけれど、数学が使えるのかな」と思い参加してみたところ、クライアントの課題解決に対して直接的に数学を使う機会が多そうで、魅力を感じました。保険業界で保険料率の算出など数理業務を担当することが中心のアクチュアリーに対し、コンサルタントは銀行や証券など幅広い金融のクライアントに対して数学の素養を活かせると思い入社を決めました。
Y.T:大学では物理学科で、レーザーを使って物質の光学的な特性を調べる研究をしていました。その後、大学院では情報科学系の研究室に所属。ディープラーニングを使って生成した探索問題を解く際のアルゴリズムをいかに改善するかという研究を行っていました。
研究で培った技術や知見を活かして就職したいと考えていたので、就職活動では情報系のプログラマーやIT企業をメインにみていました。その後、理数系にまで視野を広げる中で、金融系にもアプローチするようになりました。
PwCあらたは、縁があって知り、理数系の知識を活かせる業務内容や、プロジェクトの現場で幅広いクライアントの方との接点があることに惹かれて入社を決めました。
「リスク」を軸に、クライアントのさまざまな課題解決をサポート
――お二人の「リスク戦略コンサルタント」とは、どのような仕事なのでしょうか?
M.E:リスク管理や金融工学、データ分析などの知見・経験を活用し、国内外のクライアントに対してリスクを軸に経営に関するさまざまなコンサルティングサービスを提供する仕事です。例えば、定性面ではリスク戦略の策定支援や定量化が難しいリスクの管理手法・ガバナンスの高度化支援、定量面では定量モデル等の構築・導入・高度化・検証支援などが挙げられます。昨今では気候変動関連のリスク分析のアドバイザリーなど、クライアントのさまざまな課題を解決するお手伝いをしています。
Y.T:リスク戦略コンサルタントは、「リスク」という言葉を軸にクライアントに対してコンサルティングサービスを提供する仕事です。スマートに課題解決を行うイメージがあるかもしれませんが、実際にはクライアントの潜在的なニーズまで考慮しながら地道に議論を重ね、クライアントと一緒になって課題解決に取り組んでいます。
――お二人はこれまでどんな業務を担当してきましたか。
M.E:私は入社5年目ですが、これまでは主に、金融機関に向けた市場リスク・信用リスク領域に関わる金融規制の対応、リスク管理のアドバイザリー業務などを行ってきました。
現在は、バーゼル規制という大きな国際金融規制の対応をしています。バーゼル規制とは、国際的な銀行に対して自己資本比率や流動性比率など、国際統一基準を定める規制なんですが、各金融機関はバーゼルIII規制に伴う対応の最終段階の時期を迎えています。私はそれらの金融機関に対し、 規制面での知見、定量的な検証、管理体制の構築など、定量面から定性面まで包括的に支援しています。
Y.T:私は入社2年目で、入社後は金融機関の信用リスクを管理するモデルの高度化、市場リスクを分析するモデルのプロトタイプの作成などを担当してきました。
現在は気候変動に関するシナリオ分析に関わっています。シナリオ分析とは、将来的に起こりうるシナリオを作成したうえで、その影響や結果を分析すること。気候変動は時間軸が長期にわたる上に影響範囲も広いため、想定されるシナリオも多様です。気候変動への対策が全く行われないシナリオや、逆に対策が取られた結果、ある時点でCO2排出量がネットゼロになるシナリオなど複数のシナリオを仮定し、金融機関や事業会社の持つリスクや機会がどのように変動するかの分析を行うプロジェクトに携わっています。
また、金融機関が事業を行う際に人為的ミスや自然災害により損失を被る可能性を「オペレーショナルリスク」というのですが、その新たな規制に対する対応や支援も行っています。
――リスク戦略コンサルタントとして働くうえで必要な知識やスキルには、どのようなものがありますか。
M.E:「コンサルタントとしてのソフトスキル」と「金融リスク専門家としての知見」の二つが不可欠です。
まずソフトスキルは、資料作成やプロジェクトをマネジメントする能力、クライアントにロジカルに説明するコミュニケーション力など、コンサルタントとして必要な基本スキルのことを指します。専門家としての知見は、金融工学やリスク管理、金融規制に関する知見や、プログラミングスキルも用いたデータ分析の知識などですね。
――M.Eさんは、それらをどのように身に付けましたか?
M.E:どちらも入社後に自らキャッチアップして身に付けました。具体的には、メンバーとしてアサインされたプロジェクトの提案書を読み込んで全体像を把握してから、プロジェクトのマネージャーや私のキャリアアドバイザーの役割を担っているコーチに「プロジェクトを遂行するうえで必要な知見をインプットできる最短ルートを教えてほしい」と聞くようにしていました。アサインされるプロジェクトごとに求められる知見やスキルは変わってくるので、足りない知識があればその都度学んでいます。
また、社内では金融工学やプログラミングの勉強会も定期的に開催されています。それらを活用しながら、体系的な知識を身に付けてきました。
――Y.Tさんはいかがでしょうか。
Y.T:働くなかで、学生時代に学んだデータ分析の知見を活かせる場面はありました。ただ、私もM.Eさんと同じで、金融工学の知識やビジネスのソフトスキルはほとんど入社してから身に付けていきましたね。
多様なプロジェクトに携われるのが、コンサルタントならではの面白さ

――お二人がどんなときに仕事のやりがいを感じるか教えてください。
M.E:多様なステークホルダーが関与する規模の大きいプロジェクトや、先行事例が少なく課題解決の難度が高い先進的なプロジェクトなどは円滑にデリバリーするのが大変です。しかし、そのぶん私たちが入ったことで解決に導けたときは、やはりやりがいを感じます。
最近はどんどん携われる領域が増えているため、担当するプロジェクトのテーマが多様化し、プロジェクト内での役割が広がっていることも面白さを感じます。
Y.T:以前、クライアントのオフィス常駐の案件があり、2か月ほどクライアントの方と対面で仕事をしたことがありました。初めは何ができるか分からないような状態からのスタートでしたが、期待に応えられるようできる限りの仕事をし、最終的には高く評価していただけました。
当時はリモート業務が多かったので、常にクライアントの方と同じ空間で仕事をすることに緊張もしていました。だからこそ、プロジェクト終了後にお礼の言葉をいただいた際には大きなやりがいを感じましたね。
今は入社後からだんだんと業務の幅が広がっていき、できることが増えていくことが面白いです。また、金融機関のさまざまな悩みや課題に直接触れられるのは、一つの会社に勤めていては得られない経験なので、コンサルタントならではのやりがいを感じています。
クライアントのニーズに応えるために成長し続ける

――今後のキャリアについて展望を教えてください。
M.E:自分の専門性を強みにプロジェクトを獲得して、現場の責任者としてプロジェクトを遂行できるようになって初めて「コンサルタント」と名乗れると思っています。だからこそ、目先の目標はコンサルタントとして一人前になることです。
Y.T:私はまだ入社2年目で、一人前のコンサルタントになるにはまだまだやるべきことがあると思っています。これからも自分の役割やできる範囲を広げていって、チームで存在感を持ち、力になれるようなコンサルタントを目指していきたいです。
――新卒でPwCあらたを選ぶメリットはなんだと思いますか?
Y.T:金融機関、事業会社それぞれのインダストリーのさまざまな知見・経験をもつプロフェッショナルが、一つの組織に集まり、その知見や経験を社内で共有しているのは当社ならではの特色です。深い知見を持つ専門家が社内に多くいることで、自分自身もより幅広く、より専門的に成長できることは新卒でPwCあらたを選ぶメリットだと思います。
M.E:中途入社の場合は、前職での経験に基づく専門性を活かしたプロジェクトから幅を広げていくことが多いです。一方、新卒入社は最初の数年間、いろいろな案件をバランスよく経験することができます。さまざまなプロジェクトを担当しながら自分の専門性やスキルを高めていけることが、新卒で当社に入社するメリットだと感じます。
――最後に、どのような人材がPwCあらたに向いていると思いますか。
M.E:クライアントのニーズは常に変化しています。よって、私たちがクライアントに提供する価値も常に変化させていく必要があります。アンテナを張り続けていろいろなことに好奇心を持っていられる人、かつ、目の前の課題に対して真摯に向き合い続けられる人、そんな人がPwCあらたには向いていると思います。
Y.T:学生時代に行う研究は、新規性があるもの、最先端のもの、誰もやっていないことを深掘りしていくことが多いと思いますが、コンサルタントは違います。クライアントが何を希望しているか、何が真の課題なのかを読み解いて、相手の期待に応えることができる人が活躍していると思います。
クライアントのニーズや課題を言語化しながら、それらを伝え、目標達成や課題解決をサポートする。それがコンサルタントの仕事です。幅広いクライアントをさまざまな関わり方でサポートできるコンサルタントの仕事に興味を持った方は、ぜひ応募してみてください。
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編集後記
理系の素養を活かせるフィールドとして、PwCあらたのリスク戦略コンサルタントのような監査法人という選択肢がある。お二人はそれぞれ数学と情報系のバックグラウンドを持ち、必要なスキルを入社後にキャッチアップしながら活躍している。コンサルタント業界に興味がある学生、専門性と幅広い視野を持ちたい学生は、PwCあらたのコンサルタントに応募してみてはどうだろうか。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年10月公開)
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