約700の職種から「輝けるフィールド」を見つけられる

――まずは人事部の沓川さんから、自己紹介と今回注目する配属先指定リクルート制度(以下、配リク)の説明をお願いします。
沓川:2016年の入社以降、静岡製作所で採用や人事考課、労働組合対応などのさまざまな業務を担当しています。現在は技術系の新卒採用および事務系、技術系の中途採用を主に担当しているので、今後事業所説明会やセミナーで読者の学生さんとお会いする機会があるかもしれません。
「配リク」は、家電から宇宙まで幅広く事業を展開する三菱電機で、技術系職種の方々が「自分の強み・専門性を活かして輝けるフィールド」を見つけてもらうためのマッチング制度です。現時点で事業・技術分野や求められるスキルが細かく定義された約700の「配リク枠」があります。
すでに自分の強みを明確に自覚されている学生さんは、最適だと思う枠を自ら選択いただけます。もしくは、リクルーターと相談しながら勤務地などの「学生さん側の希望条件」と「該当する職種に求められているスキル」をすり合わせ、応募枠を絞り込んでいくことも可能です。
近年、ジョブ型採用が脚光を浴び始めていますが、三菱電機では1990年代と古くより配リクを導入しており、学生の皆様にとって意味のある制度となるよう試行錯誤を繰り返し、近年では新卒社員の約90%がこの制度を利用しています。
――他社の類似制度とは異なる「配リクならではの強み」はありますか?
沓川:第一の特徴は「粒度の細かさ」です。特定の事業や職種、場合によっては担当製品まで部署単位で指定する細かなジョブディスクリプションをもとに、希望の配リク枠を選んでいただけます。
第二の特徴は、選考途中や内々定後でも利用できることです。就職活動開始直後は「いろいろなことに挑戦したい」と考えていても、選考が進み当社への理解が深まるにつれて「やっぱりこの仕事がやりたい」と考えが変わることもあるでしょう。タイミングにとらわれずご自身のキャリア感が固まった時点で配リクを申し込んでいただき、マッチングが成立すれば、「本当にやりたい仕事に就く」ことを確約できます。
さらに、配リク枠の約10%に相当する先端技術を扱う希少性の高い職務と、学生時代に身につけた知識・スキルがマッチする方には、通常の新入社員よりも高い処遇をお約束する「配リクPLUS」もあります。
大企業であるがゆえに持たれがちな「保守的で横並びの年功序列」というイメージを払拭するための制度で、まずは配リクがマッチするか、その後、配リクPLUSを適用するかを検討するため、高処遇とはならずとも内定につながりますので、気軽にチャレンジしていただければと思います。
業務内容も、勤務地も、事前に確定する安心感を魅力に思った

――それでは、実際に配リクを活用して入社した明田川さんに伺います。まずは自己紹介と入社経緯をお話しいただけますか?
明田川:慶應義塾大学理工学部機械工学科を卒業し、2020年に入社しました。大学では、流体力学の研究室でパソコンなどのデータを記録するハードディスクドライブ(以下、HDD)内部のディスクの回転時に発生する渦の研究をしました。HDD内部で渦が発生する様子を実験で確認でき、楽しく研究に取り組むことができました。
就職活動を始めたのは、学部3年生の冬休み明けからでした。モノづくりに従事できるメーカー希望で、勤務地や働きやすさに加えて「今後も働き続けられるくらい長期的な成長が見込めるか」を重視し、志望業界を総合電機メーカーに絞りました。
――総合電機メーカーのなかでも、三菱電機を選んだ決め手を教えてください。
明田川:総合電機メーカーは事業範囲が幅広いからこそ「分野Aは面白そうだけど、分野Bはいまいち」と関心の深さにばらつきがありました。そのため、配リクで業務内容も勤務地も事前に確定する三菱電機が最も魅力的に感じました。
現在は、配リクでマッチングしたパッケージエアコン開発推進プロジェクトグループ室外機技術第二課で働いています。パッケージエアコン(ビルや空港、病院など大きな施設に据え付けられる業務用の大きめの空調機器)という、室外機1台で複数台の室内機に接続できる室外機の設計開発を担当しています。
専門知識・スキルのほか、性格も含めて配属先への適性を見極める

――就職活動中、配リクについてどの程度理解していましたか?
明田川:会社説明会への参加後は「独自の制度があるんだな」とぼんやりとした理解でした。その後、リクルーターとのやりとりを通じて詳細を教わり、「こんなに細かく選べるんだ」と驚きましたね。
配リク面談の前にリクルーターに面談を行っていただき、自分の興味のある領域だけでなく、想定していなかった専門性を活かせる部門を含め、「こんな配リク枠がありますよ」といくつかピックアップしてもらいました。
そのなかから、ジョブディスクリプション記載の業務内容と所属先の部署、勤務地を検討して希望する配リク枠を決めました。多くの配リク枠があり細かく選べるからこそ、理解度に合わせてリクルーターから補足いただき、大変助かりましたね。
――配リク利用の選考がどのように進むのか、教えてください。
明田川:リクルーターを通じた申し込み後、当時の製造部長と課長、人事担当者が参加する配リク面談を受けました。面談では研究内容を説明したあと、「これができます」「こういうことが向いていると思います」と自分の考えや希望を率直に伝えることができました。
自己PR以外には「物事がうまくいかないときはどうしますか?」など、仕事をするうえでの心構えや対人スキルを問う質問が多かった印象があります。現在の業務では開発品の試験も担っており、複数の試験をスムーズに実施できるよう他部署に作業依頼をしたり、部署間で日程調整をしたりする機会が多いので、振り返ってみれば納得のいく質問内容でしたね。
私は初回でマッチングが成立し、2回目の面談で入社意思の確認を受けたあと内定をいただいたので、残りの学生生活を安心して過ごすことができました。申し込みから結果連絡まで最大3週間と期間が定められていますが、マッチング不成立の場合には別の枠で再チャレンジすることもできます。
――面談での質問内容も部署ごとに考え抜かれているのですね。なぜ三菱電機でジョブマッチングにこれほど力を入れているのか、沓川さんからご説明いただけますか?
沓川:最大の理由は「ミスマッチの防止」です。明田川さんが心配していたとおり、事業領域が幅広いからこそ、配リクがなければ「自分の強みを活かせない」「やりたかったことができない」部署への配属となる可能性は大いにあります。そうすると仕事へのやる気が出ずに早期転職してしまうなど、当社にとっても、意欲を持って入社を決めた学生さんにとっても、不幸な結末となります。
一方、配リクを活用すれば、マッチング過程で希望する部署の管理職と面談する機会があるため、「この人と、こんな雰囲気の部署で働くんだな」と具体的なイメージを持って入社できます。ミスマッチを未然に防ぐことができる結果、三菱電機の新入社員の3年後定着率は95%前後と高水準を維持しています。
配リクで「強みを活かせる就職先」を選び取ろう

――配リクの申し込みや面談時にイメージしていた上司の雰囲気や業務内容と、入社後の実態にギャップを感じたことはありますか?
明田川:面談中は厳格な人に見えた直属の上司は、実際は親身になって話を聞いてくれる頼りになる存在です。このようなポジティブなギャップはありましたが、ミスマッチを感じたことはありません。
業務については、リクルーターから「あなたの学びはこのように活かせるよ」と言われていたことを「そのとおりだな」と日々実感しています。エアコンによる部屋の冷暖房は、室内機と室外機の熱交換器の間で冷媒の循環で実現しているので、室外機の設計には冷媒の動きの設計が不可欠です。流体である冷媒の回路設計に、流体力学の知識を大いに活用できています。
――最後に、就職活動中の理系学生に向けたメッセージをお願いします。
明田川:私はいま、二つの大きなやりがいを感じながら、楽しく仕事に取り組んでいます。一つ目は、大学での専門を活かせる部署でモノづくりに携わり、自分の設計が製品として形になること。二つ目は、部署間の調整がうまくいったときに、いろいろな人の役に立っていると実感できることです。
どちらも、配リク枠に定義されていたとおりの業務内容に従事できているからこそ実感できているやりがいです。希望する職種・勤務地や事業領域がすでに明確な方にとって、配リクはぴったりの制度だと思うので、ぜひ活用してください。
沓川:配リクは「学生さんが輝けるフィールド」を一緒に探していくマッチング制度です。独力での自己分析や企業研究だけでは見えてこない適性もあるでしょうから、「自分には何が向いているか」「どこでなら自分の強みが活かせるか」を当社のリクルーターと相談しながら見定めてください。
今後の人生を左右しかねない大きな決断に後悔が残らないようお手伝いできれば、私たちもうれしいです。
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編集後記
「業務に必要な専門知識」と「研究内容」との合致といった部分だけでなく、対人スキルまで確認されるという点が、明田川さんの体験談のなかでも特に印象的だった。約700もの「配リク枠」は、職種ごとに必要なスキルが明確に言語化・体系化されていることの表れなのだろう。自分の強み・適性を見定め、入社後の不本意な配属を避けたい技術系職種志望の理系学生は、三菱電機の「配リク」利用を検討してはどうだろうか。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年12月公開)
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