新しいことに挑戦したい――それがディスコを選んだ理由

――お二人の学生時代について教えてください。
太田:学生時代の専攻は化学で、毎日フラスコを使って有機合成や重合をしながら、高分子化学を研究していました。
吉野:私は光情報工学研究室に在籍し、光通信に関係したデバイスの設計やソフトのシミュレーションをしていました。
――お二人とも学生時代の専攻は半導体や精密加工に関連するものではなかったのですね。なぜディスコで働こうと思ったのですか?
吉野:もともと自分が研究してきたことにこだわってはおらず、漠然と技術職として新しい挑戦ができたらいいなと考えていました。そんな時アメリカへ短期留学をする機会があり、ボストンキャリアフォーラム(アメリカで開催される日英バイリンガルを対象にした就職イベント)に参加して、ディスコのことを知りました。研究を活かせる事業内容と独自の社内制度についての話を聞いて、 進化し続けるベンチャー気質と安定性の両方を兼ね備えている会社だなと思い、魅力を感じました。
太田:私も新しいことに取り組める会社であることと、東京で研究開発ができることが決め手になりましたね。製造業の開発部門は地方勤務が多い印象がありますが、ディスコの場合は東京本社とR&Dセンターが同じ建屋内にあるため、都内で研究開発ができるんです。
「アプリケーション大学」のような他社にはない面白い制度があることも、ディスコを志望した理由です。
コア技術を1から学べるアプリケーション大学が開発業務の基盤に

――アプリケーション大学(以下、AP大)とは何ですか?
太田:総合職として新卒入社した社員が、新人研修終了後に所属する部署のことです。ここではディスコの技術力の核となるアプリケーション技術(ディスコの「装置」「加工ツール」と「加工条件」を組み合わせて最良の加工結果を導く技術)について学び、並行して興味のある部署の仕事を経験しながら 志望配属先を見つけ、その部署との合意で異動が成立します。なので、学生時代の専攻や文系・理系といったくくりにかかわらず、自分のキャリアをスタートさせることができますし、 ディスコで働くための基礎的なスキルや経験を身につけられる部署といってもよいかもしれません。
――具体的にはどのようなことを学ぶのでしょうか?
太田:まずは加工実験を行うために必要な社内資格の取得を目指して、当社の装置・加工ツールの仕組みや扱い方について学びます。社内資格を取得した後は、実際にお客様のワークを加工し、レポートを作成するといった、かなり実践的な経験を積むことができるんです。
吉野:もちろん入社前にディスコの装置を使ったことなんてなかったので、自社製品や加工技術について理解を深められるいい機会になりましたね。特定の装置を扱う今と違って、いろいろな仕様の装置に触れることができ、その違いを知れるのは面白かったです。
またディスコにおいて共通言語となる知識を一通り学べたおかげで、配属後は営業や他部署のエンジニアと話す時「この用語が分からない」といったストレスがなく、 円滑にコミュニケーションがとれています。
太田:配属された今振り返っても、AP大で学んだ知識や経験はとても役立っているなと感じますね。加工の全体像を把握できたからこそ、装置の使い勝手を向上させるために「これとこれは連携させたほうがいい」といったアイディアもすんなり浮かんでくるんです。
さまざまな部署で仕事をしながら自分のキャリアを決める

――AP大では、アプリケーション技術を身につけることができるだけでなく、配属先を自分の意志で決めることができるんですよね。お二人はAP大に在籍しながら、どのようにして今の部署を志望するに至ったのでしょうか?
吉野:私はもともと光学を専攻していたこともあり、入社前からレーザ加工に携わる仕事がしたいと思っていました。とはいっても、レーザ技術部のなかにはさまざまなチームがあるんです。そのなかで、特に新しい加工プロセスを開発し、一つの装置に作り上げる現在のプロジェクトチームと、さまざまな装置に実装する特定の機能を開発していく光学設計のチーム、どちらを志望しようか迷いました。
最終的に今のチームを志望したのは、自分たちの開発が装置そのものの「売れる・売れない」に直結することにやりがいを感じたからです。どちらのチームの仕事も面白かったので、いずれにせよ楽しく働けていたとは思いますが、 自分で悩み決断できたことが、仕事に取り組むうえでのモチベーションにもなっていて、貴重な経験だったと思っています。
太田:私は入社時点ではやりたい仕事を明確に決めておらず、AP大在籍中にさまざまな部署で仕事を経験しながら、志望配属先を決めていこうと思っていました。そんななか興味本位で始めてみたソフトウエア開発の面白さにはまり、ソフトエンジニアとしてのキャリアを志すようになったんです。 知識ゼロの状態からのスタートではありましたが、先輩方にもサポートしてもらいながら、 実務を通して少しずつ開発スキルを身につけることができました。
装置の保守・点検を行うカスタマーエンジニア部での仕事も面白かったですね。AP大在籍中に、カスタマーエンジニアの出張にも何度か同行したのですが、お客様の工場で、かなり古い装置が稼働しているのをみて、「こんなにも長く使っていただける装置が開発されているんだ」と感動したのを覚えています。
吉野:ディスコには独自の管理会計「Will会計」という仕組みがあり、業務や人件費などを金額換算し、社員一人ひとりが個人の収支を管理しています。AP大は、この社内通貨「Will」を仕事を通じて一定額稼ぐことが配属にあたっての「卒業要件」になっているんです。そのため、私もAP大在籍中は、志望していたレーザ技術部だけでなく、経理部や採用グループでも単発の仕事をしていました。技術のことだけでなく、会社全体を理解することにもつながりましたし、社内の人脈を広げることもできました。
(出典:株式会社ディスコ採用HPより)
――AP大の雰囲気は?
吉野:日中はそれぞれ興味のある部署で仕事をしていることが多いのですが、AP大専用のフロアがあって、仕事の合間や退勤前に自然とみんなが集まってくるんです。するといつも同期の誰かがいて、「おかえり!今日はどんな仕事したの?」と会話がはじまっていきます。キャリアの悩みも相談できる関係になり、同期の絆は強まりましたね。
太田:AP大を経てそれぞれ異なる部署に配属されたあとも、他部署の知識が必要な時は、まず同期に相談できるのでありがたいですね。
理系出身で営業をしている人、文系からエンジニアになっている人もいて、普通の会社だとあり得ないキャリアかもしれませんが、 自分の選んだ道だからこそみんな楽しそうに働いています。
年次にかかわらず大きな仕事にチャレンジできる
――お二人は入社4年目ですが、現在はどのような仕事を担当していますか?
吉野:私は、レーザ加工によるウェーハメイキングの新規プロセス開発に携わっています。この新規プロセスは数年前に開発された比較的新しい手法なんですよ。チームメンバーの平均年齢も若く、一人ひとりが重要な機能の責任者として開発を進めています。先日は、装置納入の責任者として、3カ月間海外出張にいっていました。
「4年目なのにもう責任者?」とびっくりするかもしれませんが、当社では珍しいことではなく、若手でも大きな仕事を任せてもらえるんです。

――入社年次にかかわらずさまざまな仕事に挑戦できる社内環境なのですね。太田さんは具体的にどのような業務を担当されているのでしょうか?
太田:現在はダイシングソーの新機能開発におけるソフトウェア開発を担当しています。吉野さんも私も、チームメンバーが少数精鋭で頑張っていることが特徴ですね。入社2年目のAP大在籍中からソフトウェア設計の主担当を任されていました。開発した機能が社内の 発明コンテストで3位に選出されたときや、特許を出す書類に私の名前が入っているのを見たときはやりがいを感じました。元々化学を専攻していてAP大からソフトウェア開発を始めましたが、 これまでできなかったことが当たり前にようにできるようになっていて、成長を日々感じられるのがうれしいですね。
「やってみることのすごさを忘れない」意識
――一緒に働くエンジニアはどういう方が多いですか?
吉野:プロジェクトを成功させようという熱い思いをもったメンバーが多いですね。これは、一緒に働いてみないと分からなかったことだと思いますし、実際に今のチームへの配属を志望した決め手の一つでもありました。
太田:部署で働いていると、 20歳近くも年上のベテランたちが「次はこんな装置を開発したい」と話しているのをよく耳にするんです。 いくつになっても新しい装置を作れる環境があるんだと思うとワクワクしますし、私のような若手エンジニアに対しても、「一緒に新しいことをやっていこう」と 前向きな姿勢で接してくれます。
――上下関係を気にしない、フラットな社風があるんですね。ほかにどのような社風がありますか?
吉野:当社は、DISCO VALUESという企業理念を定めているのですが、そのなかの一つである「やってみることのすごさを忘れない」というフレーズはエンジニアもよく口にしていますね。会社やチームとして目指すべき方向は示されているのですが、そこに至るまでの過程で いろいろ自由に試せるのはエンジニアとして楽しく働ける理由の一つかもしれません。
太田:たしかに。「これをやりたいです」とリーダーに相談した時に頭からだめだと断られることはなく、「いいんじゃない」と挑戦を後押ししてくれますね。まずやってみて、その結果に対して「今後どう改善しようか」と議論がはじまるんです。やりながら100点を目指していくことで開発のスピードもあがりますし、たとえうまくいかなくても次の挑戦へ向けた気づきを得ることができますよね。
何事も楽しみ、主体的に挑戦できる人と働きたい

――最後に、どのような人がディスコに向いていると思いますか?
吉野:考えることが好きで、自分のやりたいことを楽しんでやれる人、またその楽しさを周りと共有し、ワイワイしながら働ける人が向いているかなと思います。また 仕事で関わる人たちとの信頼関係を大切にし、社内通貨のWillやAP大などディスコならではの制度をうまく活用できるかも重要です。チャンスはたくさんあるので、入社後は挑戦することを忘れず仕事を楽しんでほしいですね。
太田:分からないことがあれば分からないといえる、素直さや誠実さも大切だと思います。反対に、 指示をされて動きたい人、自分で責任を取るのが嫌な人は向いていないかなとは思います。いろんなことに興味を持って、主体的に挑戦できる人を求めています。私個人としても、そんな人と一緒に働きたいですね。
編集後記
若手社員の二人はディスコ独自の社内制度を活用しながら挑戦し、入社4年で大きな成長を遂げた。ディスコの取り組みは、若手の活躍の幅を確実に広げ、いま就活をしている次の世代が取り組む挑戦が、まだ世の中にないものを生み出す土壌になっている。
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※インタビュー日:2024年1月19日