決め手はキャリアもプライベートも大切にできること

――皆さんの自己紹介と、シーメンスへ入社した決め手を教えてください。
山本:現在は入社2年目でカスタマー・サポート・エンジニアをしています。就職活動では大学時代に学んだ音響工学の知識を活かせるか、幅広い分野で経験を積みながらキャリアを考えられるかを重視していました。
音響工学の知識を活かすという点では、メーカーへの就職も一つの選択肢でした。ですが、特定の分野にフォーカスするよりも、さまざまな現場を通して幅広い視野が持てる人になりたいと考え、シーメンスへの入社を希望しました。
Ting Hao:入社5年目、エンジニアリング・サービス部の技術職をしています。会社を知ったきっかけは、インダストリー4.0(第4次産業革命と呼ばれる製造業のデジタル化)を調べるなかで「シーメンス」という社名を何度も目にしたこと。製造業におけるあらゆる分野でオートメーション化を推進するという事業内容に、「ここでならキャリアの成長が見込める」と感じ入社を決めました。
カクライ:私は企業と自身の成長を実感できる環境に加え、働くママとして働きやすい環境かを重視していました。シーメンスは2019年の入社当時から、幅広い分野でDX(IT・デジタル技術の活用による変革)に力を入れており、プライベートも両立しながら働けると感じました。
掛川:新卒で入社した会社では、半導体の設計開発エンジニアをしていました。その中でものづくりにおけるシミュレーションの重要性を感じ、製造業のデジタル化を追求したいと思い、2016年シーメンスへ転職しました。
入社後は前職の経験を活かし、お客様のソフトウェア導入後におけるコンサルティングや技術サポートを担当。現在は入社7年目でカスタマー・サポート本部でチームリーダーをしています。
――シーメンスで女性エンジニアとして活躍する皆さんですが、就職活動のときにプライベートとの両立は意識されていましたか。
掛川:転職時は中学生と高校生の子どもがおり、「子どもが小さいうちは同じ場所で暮らしたい」と考えていました。国内の製造業の技術開発職は地方の転勤も多い中、シーメンスは「自身が成長できる業務内容であり、希望する拠点で長く勤務できる」という、まさに自分にぴったりの職場でした。
Ting Hao:2人の子どもがいたこともあり、就活では「企業と自分の成長を感じられるか」「働くママとして仕事しやすい環境か」を重視していました。いくつかの会社の面接を通じて、シーメンスは特に仕事とプライベートが両立できる環境が整っていると感じましたね。
世界中にいるメンバーとチームで働ける実感

――グローバル企業で働いていることを実感する場面はありますか?
掛川:入職後に担当した、半導体を開発するお客様からの受託解析のプロジェクトが印象に残っています。そのプロジェクトでは上司がサポートに付きながら、私がメインでお客様の対応を行いました。
当時はまだ半導体の知見が日本法人にあまりなかった状況。そんな中でアメリカ法人へ行き、現地エンジニアに付きっきりで半導体シミュレーション技術について教えていただきました。あのときにできたネットワークが、今の業務にも役立っています。
カクライ:入社1年目に関わった電動オイルポンプの解析案件で、グローバル・チームの皆さんからサポートをいただきました。お客様の課題解決に向けたシミュレーションのシステムモデルを作成するなかで、私の専門ではない流体工学の知識をアドバイスしてくれました。
山本:配属後すぐの頃から、今も海外のエンジニアとやり取りをする機会がたくさんあります。シーメンスのスタッフは皆さん親身に相談に乗ってくれるので、とてもありがたいです。まだまだ経験不足で助言をいただくことが多いので、今後は私も助言ができるようになっていきたいですね。
――シーメンスでプロフェッショナルとして成長するために、皆さんから新卒の方へ向けてアドバイスはありますか。
Ting Hao:「分からないことがあったら、すぐに周りの人に聞く」ことです。社会人になったばかりなのだから、分からないことがあるのは当然のこと。「聞いてもいいのかな?」と思わずに、迷わず先輩たちに聞いてほしいです。
カクライ:私たちの仕事は、お客様の業種や課題が多種多様なため、話を聞くだけでも「難しい」と感じることがあると思います。そんなときは上司や同僚にどんどん勇気を持って質問をすること。疑問をすぐに解決することが、自身の成長につながります。
掛川:私は先ほどの山本さんの発言が、非常に頼もしいと感じました。最近は日本法人からグローバルチームへ情報を伝えることも増えているので、若手の方もどんどん意見を発信していってほしいです。
自身の成長も子どもの成長も感じる日々

――「仕事もプライベートも大切にしたい」という思いでシーメンスを選ばれた皆さんですが、「この会社に入ってよかった」と思う瞬間を教えてください。
Ting Hao:子育てをしていると、子どもたち次第でスケジュールが変わってしまうことがあります。そんなとき、働き方について上司がいつでも相談に乗ってくれます。育児休業からの復帰時も「じゃあどこから仕事を再開しようか?」と柔軟に対応してくれたので、安心してキャリアを積むことができました。
また在宅勤務を通して、私が働く姿を子どもたちに直接見てもらえるのもよかったです。以前、電動自動車の「音」を開発するプロジェクトに関わっていたときは、外出時に子どもたちが「ママ、これは電動自動車の音だね!」と言ってくれました。子どもたちが私の仕事を通して社会に興味を持つようになってくれるのはうれしいですね。
掛川:最近チームメンバーの男性が育児休業を取得したとき、「良い会社だな」と思いました。私が出産した当時、男性が育児休業を取ることは世間的にも一般的ではありませんでしたが、最近は男性女性問わず育児休業を取れるようになっています。
子育ては周りの人の協力がないと成り立ちません。シーメンスにはそれぞれがきちんと支え合おうという文化が根付いているからこそ、男女問わず安心して働ける環境が整っています。そんな環境を守り続けることが、管理職である私の仕事でもあります。
――「幅広い分野で知見を深め、成長したい」と入社を決めた山本さんは、実際に働き始めてからギャップを感じることはありましたか?
山本:さまざまな分野の技術課題を考える機会があり、まさに入社当時に思い描いていたような経験ができています。
配属後からお客様の現場に関わらせていただいて、お客様の困りごとに向き合う中で、知識を広げる方向だけでなく、一部の分野については知見を深めることもできています。
初めの頃に比べると、今では自信を持ってお客様の課題をヒアリングできるようになりました。
異なる背景を理解し合うことで作られる働きやすさ

――これからシーメンスで挑戦したいことを教えてください。
掛川:管理職として、チームメンバーそれぞれが輝ける環境を作りたいですね。家庭環境やプライベートが異なる人たちが集まっているからこそ、あらゆる立場のメンバーがどんなときでもポジティブに仕事できる環境づくりをしていきたいです。
山本:まずはカスタマー・サポートのエンジニアとして独り立ちすることが目標です。将来的にはお客様の抱える具体的な課題だけでなく、「こういうことに挑戦してみたい」という抽象的な要望にも対応できるよう、自分の知識を広げたいと思っています。
Ting Hao:私は入社当初から、「お客様から信頼されるエンジニアになる」ことを目標にしてきました。お客様より早く問題を発見し、かつ解決まで提案する。社会貢献につながるプロジェクトを、お客様と一緒に作っていきたいです。
カクライ:今関わっている分野に関わらず、さまざまなソフトウェアに対する知見を広げたいですね。私のできることが増えればチームメンバーの負担を減らすこともでき、かつお客様へ提案の幅も広がるため、これからも学んでいきたいです。
――今回は異なる背景を持つ皆さんにお話を伺いましたが、それぞれのお話を聞いていかがでしたか。
山本:今回話してくださった皆さんは子育てもしながらバリバリ働いており、本当にすごい方たちばかり。まさに私にとってのロールモデルです。
掛川:皆さんのお話を聞きながら「私にもそんな時代があった」といろいろなことを思い出しました。私が新人だった当時、同僚や先輩は男性エンジニアばかりで、話を聞きに行くだけで緊張していたときもありました。今は男女や国籍といった垣根を超え、エンジニア同士が「個」と「個」でつながり、支え合う時代になってきているんだなと感じます。
カクライ:私は今まで在宅勤務の際、仕事に集中できるように1人部屋で働いていました。でも今回皆さんのお話を聞いて、今後はもうちょっと子どもたちの前で仕事をしてみたいと思いました。働く私の姿を通して、「ママの仕事はこんな仕事で、こういうところが面白いね!」なんて子どもたちが興味を持ってくれたらうれしいですね。
Ting Hao:掛川さん、これから私の子どもも中学に入るのでぜひいろいろ相談させてくださいね。
掛川:はい。いつでもウエルカムです!
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#### 編集後記
シーメンスで働く女性エンジニア4名のトークは、終始穏やかで温かい雰囲気に包まれていた。制度やカルチャーに裏付けられた働きやすさがあるだけでなく、インダストリー4.0の先駆的企業である同社では、幅広い分野でスキルを高めながら百人百様のキャリアをつくっていけるだろう。性別や国籍を問わず、仕事もプライベートも大切にしていきたい学生は、ぜひ一度会社を訪れてみてはいかがだろうか。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年12月公開)
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