現代の「産業革命」を推進するシーメンス。業務を通じて成長できる職場環境の魅力とは

インタビュー

LabBase Media 編集部

現代の「産業革命」を推進するシーメンス。業務を通じて成長できる職場環境の魅力とは

IoTやビッグデータ、AIを活用した「第4次産業革命」の進展に注力するシーメンス。最新技術を駆使したソリューションを提供し続けるため、万全の教育体制で人材育成にも力を入れている。そんなシーメンスで活躍する入社3年目の若手に、社員のスキルアップを後押しする成長環境の実態を聞いた。 シーメンス株式会社: シーメンスはドイツで今から約170年前に創業されました。中でもデジタルインダストリーズ部門は、オートメーションとデジタライゼーションにおける革新的なリーダーとして、パートナーやお客様と緊密に協力し、プロセス産業とディスクリート産業のデジタル・トランスフォーメーションを牽引しています。

研究開発に特化するよりも面白い仕事ができそうだ



――自己紹介を兼ねて、学生時代の取り組みとシーメンスへの入社経緯を教えてください。


製造業のデジタライゼーションを推進するMOM(Manufacturing Operations Management:製造オペレーション管理)サービス部所属の足立です。


大学院では、制御工学について学び、ドローン複数台をネットワークによりつなげ全体として賢く動作させる研究に取り組みました。就職活動でも、はじめは研究開発職を中心に見ていましたが、業界研究を進めるうちに違う業界も気になり始めました。


対象を広げていろいろと調べていたときに、研究開発から流通までの幅広い領域で製品を提供しているシーメンスの事業内容を知ったんです。「広い視点からものづくりに関わり、製品に付加価値を与えることに取り組むほうが、研究開発に特化するよりも面白そうだ」と感じて入社を決めました。


――入社後、配属先はどのように決まったのでしょうか?


私の代は、全員が希望通りの部署に配属されました。入社後の新入社員研修で、4月から7月までの4カ月間、シーメンスの製品に実際に触れて、どんなことに興味があるかを考え、希望の配属先を絞り込んでいったんです。


研修の最後には、「会社の成長方針」と「自分が今後挑戦したいこと」を一人ひとりプレゼンする機会がありました。私はMOM領域の製品「Opcenter」に強く興味をひかれたので、「Opcenterを用いてやりたいこと」をプレゼンしました。


――足立さんの職種と、現在担当しているプロジェクトの簡単な説明をお願いします。


Implementation Consultantとして、当社製品を導入決定されたお客様へソリューションを実際にお届けしています。製品の円滑な運用を支援することによって製品の付加価値を最大化し早期にお客様の課題解決を実現する役目です。


具体的には、お客様の課題・要望に合わせた製品のカスタマイズや、実際に製品を利用するエンドユーザーを対象としたトレーニングの提供などですね。問題発生時には、プロジェクト・チーム一丸となって原因の調査・解明に取り組み、お客様の元で作業することもあります。


現在は、半導体デバイス製造業のお客様向けにOpcenter製品の導入支援プロジェクトに参加しています。従来紙媒体で行われてきた作業のデジタル化と、デジタル化された各種データの一括管理の実現を目指すものです。このプロジェクトは海外チームが主導しているため、私たち日本チームはお客様からの要望を英語で伝えたり、質問対応をしたりと、日本のお客様と海外チームとの間の橋渡し役や、課題やタスク管理などプロジェクト・マネジメントの一端を担っています。先述のプレゼンで、まさに「やりたい」とアピールしたことなので、とてもやりがいを持って取り組んでいます。


「適切に周囲を頼る」ことも円滑なプロジェクト進行の秘けつ



――これまで担当したなかで、印象に残っている業務はありますか?


入社後初めて参加したプロジェクトでのエンドユーザーへのトレーニング業務ですね。配属直後で、自分自身も製品知識を勉強中の状態で講師を務めたため、準備中は不安も感じていました。しかし、経験豊富な先輩たちが資料作成やプレゼン練習に親身に付き合ってくれたおかげで、お客様から好評価をいただくことができました。


トレーニング終了後には、より良い内容とするためにプロジェクト・メンバーと改善策を議論する機会もありました。ユーザーへのトレーニングは一度では完結せず、継続的に行う業務なので、このプロジェクトが将来にもつながる経験となり、感慨深かったですね。


――先輩や周囲のサポートを受けつつ、製品知識を身につけてきたのですね。


製品ごとに数百ページ規模の膨大な資料が用意されていますが、日本語資料は少なく、ほとんどが英語です。業務をしながらすべてに目を通す時間はないので、重要な部分を抜き出して読み込みつつ、分からないことは社内の詳しい人に質問して身につけています。


シーメンスには中途採用で入社した専門知識・経験の豊富な社員も多く、とても助けられています。しかし、先輩たちもそれぞれの業務を抱えているので、サポートを期待するのではなく、自発的に質問しに行っています。私の部署では定期的に情報交換の場が設けられているので、その機会に教えてもらうこともあります。


製品の適切な導入・運用のためにはお客様の業務内容を把握する必要があるので、製造業の用語や基礎知識などは自分で単語帳を作るなどして勉強しています。常に、業務と並行して新しいことを学ぶ努力をしています。


――会社として、スキル習得を支援する教育制度などは用意されていますか?


オンライン学習ツールが提供されており、学習教材や資料を簡単に入手できる環境が整っていますよ。私も、隙間時間にスマートフォンで日々の業務で知識不足を感じたテーマの動画を見たり、実際に手を動かしてプログラムのソースコードを書いてみたりして学んでいます。私が現在担当しているプロジェクトのように、海外のチームと協働する業務も多いため、英語の研修制度も充実しています。


――大学院での経験は業務に役立っていますか? また、働いてみて感じた研究との違いがあれば教えてください。


課題を明確にし、解決に向けて計画的に取り組むことや、成果発表に向けた資料準備など、研究を進める過程で身についた能力は業務にも応用できています。


しかし、一人で取り組む研究とチーム全体で期限内の目標達成が求められるプロジェクトでは相違点のほうが多いですね。困難なタスクを自分で抱え込んでしまうと全体の進行が遅れるなど周囲にも悪影響があるので、「適切に周囲を頼る能力」が必要だと痛感しました。


できることには積極的に取り組み、難しい問題にぶつかったときは周りに助けを求めてできる人にタスクを渡す。自分の手元に課題やタスクを抱え込まず、チームとしてどう円滑に業務を進めていくか。先輩社員を見習って学んでいるところです。


日本の製造業の不足を補うDXのスペシャリストを目指して



――シーメンスは世界中でDXを推進し、日本でも「第4次産業革命」の定着を牽引しています。そんなシーメンスで働くうえで、心がけていることはありますか?


「どうすれば海外の知見を日本企業の実態に合わせて活用できるか?」を考えて業務に取り組んでいます。シーメンスは全世界で製品・ソリューションを提供しており、海外での導入事例など豊富な情報を保有していますが、海外の事例をなぞるだけでは日本の市場・社会になじまなかったり、従来のシステムが使いづらくなることがあるからです。


とりわけ、現在担当しているプロジェクトはOpcenter新製品を日本に初めて導入する事例なので、海外のトラブル事例を参考にしつつお客様の要望も上手に取り入れられるよう日々試行錯誤しています。


――足立さんの理想のキャリアパスを教えてください。


シーメンスでは、社員が理想のキャリアを実現するため、「特定の役職に就くために、どのスキルをどのレベルまで習得すべきか」が明示されています。サービス部でも、プロジェクト・マネジャーから特定の領域のスペシャリストまで、さまざまなキャリアパスが用意されています。


私の長期的な目標は、担当製品の知識を究め「当社製品を使えば、お客様の課題を解決したうえで、こんなことまでできますよ」と課題解決と価値の提案ができるスペシャリストになることです。お客様の製品の開発・製造・流通の各フェーズで複数のシーメンス製品が導入されている事例も多いので、ゆくゆくは他領域の製品の知識に加えてプログラミングなどIT全般のスキルも習得し、総合的なソリューションを提案できるようになりたいですね。


また、的はずれな提案を防ぐためには、お客様側の事情にも精通する必要があります。海外の事例を参照しつつ、日本の製造業に何が不足しているかを考えながら業務に取り組み、製造業界全般の知識を学んでいきたいと思います。


――シーメンスで現在活躍している人や、今後ともに働きたいと思えるのはどんな人でしょう?


自ら新しい情報を追い求め、業務に取り入れていく好奇心旺盛な人が活躍しています。常に情報が更新されるので、取り残されずついていくためには自ら学ぶ姿勢が不可欠。それを苦にせず、楽しんで取り組める人は、困ったときにも非常に頼りになる存在です。


ともに働きたいと思えるのは、「物事を最後までやりきる力」がある人です。サービス・エンジニアはお客様と直接やりとりする機会も多いので、お客様の課題にとことん向き合う姿勢が求められます。できることを最後までやりきる姿勢は、お客様との信頼関係につながりますからね。


――最後に、読者の学生へのメッセージをお願いします。


研究内容にこだわらず、いろいろな業界を見てほしいと思います。特定の専門領域の追究も大切ですが、世の中には学生時代には関わることのない業界・職種がたくさんあります。就職活動中の学生だからこそ踏み込んだ質問をする機会に恵まれることもあるでしょう。「学生のうちにできること」をどんどん経験し、調べ尽くして納得したうえで就職先を選んでほしいと思います。


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#### 編集後記


「第4次産業革命」を提唱したものづくりの国ドイツでの創業以来、最先端技術を活用して世界の産業をリードするシーメンス。そのソリューションをお客様の元に届けるサービスの「肝」を担う足立さんのお話からは、やみくもに幅広い知識・スキルを学ぶのではなく、「お客様に提供する製品の付加価値の最大化のため」という軸をぶらさず自己研さんを楽しんでいることが感じられた。足立さんのように、自分の好奇心を満たしつつ、その能力を最大限活かしたいと考える学生にとって、シーメンスは非常に魅力的な就職先となるのではないだろうか。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年12月公開)


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ライター
三輪 愛
カメラマン
児玉 聡
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企業情報

シーメンス株式会社

シーメンス株式会社

【事業内容】 コンピューターソフトウェアおよびハードウェアの開発、輸入、販売、保守ならびに関連する技術サービスの提供 【企業紹介】 ■デジタル・トランスフォーメーションの推進  シーメンスはお客様がデジタル・エンタープライズへと変革する支援を提供 シーメンスはドイツで今から約170年前に創業されました。イノベーションへのあくなき情熱は、時代を越えて脈々と受け継がれています。中でもデジタルインダストリーズ部門は、オートメーション (自動化) とデジタライゼーション (デジタル化) における革新的なリーダーとして、パートナーやお客様と緊密に協力し、プロセス産業とディスクリート(部品組立)産業のデジタル・トランスフォーメーションを牽引しています。そして、あらゆる規模の企業が全バリューチェーンにわたる統合とデジタライゼーションを実現するための包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。 ■デジタルインダストリーズソフトウェア 前例のない変化とますます早まるイノベーションのスピードに後れをとらないよう、デジタライゼーションは、弊社のお客様にとって先延ばしにできない取り組みになりました。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、特にエンジニアリング、製造、電子設計といった技術的分野を統合し、お客様のデジタル・エンタープライズへの変革、そして将来のビジネス目標を今日実現できるよう支援しています。こうした私たちのビジョンに共感し、より最適なソリューションをお客様へ提供することに情熱を注いでいただける方を求めています。 ■スマートインフラストラクチャ 回復力と持続可能なインフラストラクチャの構築がこれほど緊急に必要とされているときはありません。スマート インフラストラクチャにより、私たちは現実世界とデジタル世界を接続するエコシステムを形成しています。データと分析に基づいて意思決定を行うことで、お客様は建物や産業におけるエネルギー システムとプロセスをより効率的かつ持続可能なものにすることができます。 ■Where today meets tomorrow. トランスフォーメーションの真っただ中にある今日の産業界では、デジタライゼーションはいよいよ現実味を帯びてきました。今日私たちが目にする多くの製品はますます高性能化し、パーソナライズ / カスタマイズ化が進んでいます。そして新しいビジネス・チャンスやインサイト、次世代のオートメ―ション技術は、バリューチェーンのどこにでも存在しています。それは将来の展望ではなく、今日実現すべきことなのです。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、デジタル・トランスフォーメーションを推進して、エンジニアリング、製造、電子設計が融合する未来志向のデジタル・エンタープライズの構築を支援する企業です。弊社のXcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成・活用して、新しい洞察や機会の獲得、自動化の実現をできるようにします。詳細はこちらのビデオ (英語版) をご参照ください。 ビデオ(英語版):https://prismic-io.s3.amazonaws.com/siemens-disw/87f1faaa-97ba-4fd5-b5df-e677b5bdcf64_Where+today+meets+tomorrow_Small.+Video.mp4 ■Xceleratorによって将来のビジネスに力を 製造業界向けソフトウェアを提供するシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのXcelerator製品群は、すべての製品ポートフォリオと、現在および将来の情報テクノロジー / オペレーション・テクノロジー / エンジニアリング・テクノロジー環境を連携することが可能なツールとデータベースを統合します。従来の弊社のデジタル・イノベーション・プラットフォームに、クラウド・ソリューションであるMindSphere、さらにはEDAツールやMendixといったソリューションをすべて一体化したXceleratorによって、お客様の既存のデータやネットワーク・システムを簡単に構築、統合、拡張することができるようになります。 Xcelerator製品群には、以下のような分野が含まれており、お客様がデジタル・エンタープライズに変革する支援をしています。 □設計・製造・PLM ソフトウェア https://www.plm.automation.siemens.com/global/ja/products/ 成功している製造業の多くの企業は、イノベーションを推進し、ビジネスの成長を家族するために、シーメンスのソフトウェアを活用しています。 □Insights Hub https://plm.sw.siemens.com/ja-JP/insights-hub/ インダストリアルIoTを活用し、製品 / 工場 / システム / マシンのすべてを素早く、かつ安全にデジタルの世界につなげることで、データの理解度を深めます。 □シーメンスEDA https://www.mentorg.co.jp/index.html エレクトロニクス分野におけるイノベーションは常に加速し続けています。お客様が、人々の暮らしを一新させるイノベーションに満ちた製品をより早く世界に送り出し、マーケットリーダーとなるために、シーメンスEDAは業界随一の包括的なEDAソフトウェア、ハードウェア、サービスを提供します。 □Mendix https://www.mendix.com/ エンタープライズ・レベルのアプリからシンプルなツールに至るまで、ローコード・アプリケーション開発プラットフォームにより、ユーザーの生産性向上を可能にします。 □産業オートメーション https://www.siemens.com/jp/ja/products/automation.html 業界は第4次産業革命の閾値に達している。自動化の後に生産のデジタル化が続いています。目標は、生産性、効率性、スピード、品質の向上を実現し、企業の将来に向けた競争力の向上です。 ここでは、シーメンスのオートメーション技術と生産のデジタル化のための包括的な製品を見つけることができます。