社会貢献・家庭との両立・未知への挑戦。多様な入社理由を持つメンバーが活躍中

――皆さんの学生時代の過ごし方と、パナソニックエナジー株式会社への入社経緯を教えてください。
貝野:私は理学部で結び目理論を、大学院 情報科学研究科で音声認識を研究しました。アルバイトで資金をためては海外旅行や語学留学に行ったりスキューバダイビングのライセンスを取ったりと、出かけてばかりの学生生活でした。
電池系は詳しくありませんでしたが、環境問題に貢献できることを決め手に三洋電機に入社しました。その後、2009年の子会社化の際にパナソニックエナジーの所属に。長年技術者としてバッテリーパックのソフトウエア開発に携わってきました。昨年度に設計6課課長に就任してからは部門のマネジメント業務を担っています。
山本:私は情報系の学部で論理回路を学ぶ傍ら、バスケットボールサークルの活動や、売上管理まで任された飲食店でのアルバイトなど課外活動にも注力していました。
新卒入社先では、学生時代あまり好んではいなかった電気回路のハードウェア設計に配属されました。当初は電気に対して苦手意識もあったことからゼロからのスタートで大変でしたが、自分で設計した回路が理論・計算通りの値を出力することを面白く感じ、のめり込むように。その後は一貫して電気回路の設計に携わってきました。
パナソニックエナジーには2023年5月にキャリア入社しています。「家庭との両立」を軸に転職活動をしていたので、交通の便がよく自宅から30分で通勤でき、福利厚生も充実していることが決め手でした。現在は設計5課で電池パックに内蔵する基板の制御回路の設計・評価をしています。
勘角:私も長期休みのたびに海外旅行に出かける学生生活を送りました。海洋環境や船舶の構造を取り扱う海洋システム工学専攻で、波のある洋上での船体の揺れを制御する設計を研究したのち、造船所に新卒入社しました。
前職は担当領域の区分がはっきりしていて、個人が関われる範囲は限定的でした。そのため、もっと幅広くものづくりに関わりたいと転職活動を開始。今後技術革新が進む「電動化」領域なら未知の新しいことに挑戦できそうだと思い、2023年1月にキャリア入社しました。
現在は建設機器や農業用機械(以下、建機・農機)など、大型機械のバッテリーパックの機構設計に携わる設計3課に所属しています。
身近な製品や社会インフラにも。電池が支える便利で豊かな日常生活

――「そもそも電池パックとは何か」を簡単に説明していただけますか?
貝野:複数の電池をつなぎ、安全性の担保や残量管理のための制御基板をつけて、外側をケースで覆ったものが「電池パック」です。パソコンやデジカメ、家電などの小型電池パックから、電動自転車・バイクなどの中型バッテリーパック、さらには建機・農機用の大型バッテリーパックなど、私たちの生活を便利で豊かにしてくれる身の回りのさまざまな製品に当社の電池パックが活用されています。
複数の電池を直列でつなぐと電圧が上がってより大きなパワーが出せ、並列でつなぐとパワーの持続時間が伸ばせます。例えばショベルカーなら、「お客さまがどれだけの重量をどれだけの時間持続的に扱いたいか」によって必要な電池の個数と配置・つなぎ方が決まります。
私たちがシステム開発を担っているのは、充電して繰り返し使える民生用(自動車関連以外)の「二次電池」。3課の勘角さんは電池パックの一番外側の機構を、5課の山本さんは内部を制御する基板と回路を、私たち6課は基板を制御するソフトウエア開発をそれぞれ担当しています。
――日々の具体的な業務内容を教えてください。
勘角:私は限られたスペースで仕様を実現するための構造設計に従事しています。お客さまの要求に合う直列数・並列数を満たし、かつ熱暴走を防ぐ冷却機構や工事現場での利用を想定した防水機構も搭載できる最適なレイアウトを考えています。
CAD(コンピュータ上で製図を行うためのツール)を用いた設計やシミュレーションのための計算などでパソコンに向かうことが多いですが、設計完了後は評価のために実物を組み立てる「ものづくり」にも携わります。
山本:私は主に電動バイクのバッテリー用制御基板の開発担当として、お客さまが求められる法規や社内規定に沿った安全機能を保有する回路を設計しています。バッテリーの状態確認のために基板に搭載するマイコンや、発煙・発火が起こり得る不安定な状態に陥ったときに安全に停止するためのヒューズを選定することもあります。
はんだごてを使った作業もありますが、業務全体の約7割は報告資料作成やエクセル表計算などのデスクワークですね。
私の業務で重要なのは、お客さまのご要望を「必要十分に満たす」こと。良い部品を使えば性能は向上しますが、コストがかさみます。要求性能を満たしながらコストを低減できる最適な部品を選ぶことを意識して基板を設計しています。
貝野:管理職就任前は、温度・電圧・電流を監視して危険の検出時にスイッチをオフにする制御や、電池の残量を計算しバッテリー全体を制御するソフトウエア開発を担っていました。ソフトウエアの働きで安全に制御できるのが理想ですが、万が一機能しなかった場合のためにハードウエアにも安全装置が備わっています。山本さんが回路に組み込んでいるのがこのハード面の対応ですね。
実際に回路が組まれた基板を使った動作テストや、パソコンでのコーディングも行いますが、仕様検討や設計にかける時間が多いです。
未経験からの入社でも、やる気次第で成長できる

――皆さん電池領域未経験での入社ですが、業務に必要な知識はどのように習得されましたか? 教育・研修体制は整っているのでしょうか。
貝野:電池だけでなくソフトウエアや回路など各領域の基礎から応用まで学べる動画が社内動画プラットフォーム「技術ものづくりアカデミー」にアーカイブされています。最新の法規制の解説動画など、新入社員だけでなくベテランも活用できるコンテンツも随時更新中です。
新入社員向けには、1人につきOJTトレーナーと業務外の相談ができるメンターの2人による支援体制を確立。常設の全体向け研修のほか、具体的なテーマを扱う個別研修も充実しており、やる気次第でスキルアップできる環境が整っています。
山本:業務に必須の知識は配属先部署でのOJTで習得できました。私の場合、電気・回路の基礎知識は人並みには有していたので、仕事で必要になったり、個人的に気になったりした知識は独学していますね。
オフィスに無料でコーヒーが飲めるカフェスペースが設置されるなど、コミュニケーションが取りやすい環境も整っています。業務に関する相談や前職での経験の共有など、雑談も交えながら気軽に話すことができますよ。
勘角:前職ではCADで2次元の設計しかしていなかったので、3次元設計は入社後に教わりました。自宅からオフィスにあるCAD専用のパソコンにリモート接続でき、在宅勤務時もTeams通話などで教えていただきながらCADを利用できます。そのおかげで、未経験からでも問題なく業務を遂行できています。
オフィスは固定席のないフリーアドレス制で、勤務開始時に座席や勤務場所をツールに登録します。毎日どんな部署の方がどの席にいるのかを、ツールを使って確認できるため話しかけやすいですね。
パナソニックエナジーで、未知への挑戦と社会貢献を両立しよう

――仕事の大変さと、どんなときにやりがいを感じるかをそれぞれ教えてください。
貝野:ソフトウエアが思った通りの動きをしなかったときの原因究明は大変ですね。それだけに、お客さまの要望に応え、「社内では解決できなかったから、相談してよかった」と言われたときは本当にうれしかったです。
身近な製品から仕事の成果を感じられることも大きなやりがいです。ノートパソコンのバッテリーパックを担当したときは、製品発売直後に自分でも購入しました(笑)。
山本:自分だけではお客さまからの難しい要求に対する良いアイデアが浮かばないことが多いので、周りに相談したり過去の事例を探したりと大変なことも多いです。
仕事が楽しいなと思うのは、自分で設計した基板が、電源を入れて一発目から設計通りに動かせたとき。得意げな気分になりますね。
勘角:機構内部の配線や、実際の組み立てやすさなど、設計時の検討・注意事項の多さに難しさを感じています。とくに私の部署では今後電動化が進展していく製品を扱っているため、過去の知見の蓄積も多くはありません。
だからこそ、最初まったく道筋が見えないなかで試行錯誤を繰り返し、ようやく書き上げた設計が「実現できそうだ」と分かったときは本当にうれしくなりますね。身近な製品の改良や、持続可能な社会の実現への貢献を実感できることもモチベーションの源泉です。
――最後に、学生へのメッセージをお願いします。
山本:基板・回路設計には、論理的思考ができる人が向いていると思います。また、ワーク・ライフ・バランスを重視する人にもおすすめしたいですね。私は平均で週2回在宅勤務ができており、仕事と家庭を問題なく両立できています。
勘角:電池は未経験の人がほとんどだと思うので、「新しいこと」に興味がある人はぜひ挑戦してみてください。機構設計では自分で組み立てを行うことも多いので、ものづくりも楽しめますよ。
貝野:パナソニック エナジーの社員は皆エネルギッシュで、意見・提案をたくさん出してくれます。それを受け入れる土壌はありますし、私も課長として実現のため支援していきたいと思っているので、積極的に声を上げられる人にぜひ入社してほしいですね。
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編集後記
イメージしやすい小型・中型の電化製品だけでなく、ショベルカーのような大型建設機械など、幅広い領域で同社の製品が使われていることに驚いたインタビューだった。それぞれの領域で活躍する3人のお話からは、社会貢献につながる業務から得られる大きなやりがいも伝わってきた。
未経験からでもやる気次第で成長できる環境が整ったパナソニックエナジーは、働きながら新しいことに挑戦し続けたいと考えるチャレンジ精神の旺盛な学生にとって最適な就職先ではないだろうか。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2024年6月公開)
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