入社1〜3年目の視点で語る、 シーメンスの「シミュレーションだけじゃない」魅力とは?

インタビュー

LabBase Media 編集部

入社1〜3年目の視点で語る、 シーメンスの「シミュレーションだけじゃない」魅力とは?

日本の製造業のデジタライゼーションを推し進めていくうえで、江戸時代から日本と結び付きの深いグローバル企業・シーメンスは欠かすことのできない存在だ。同社の優れたシミュレーション・ソフトウェアやものづくりのDXというコンセプトに魅力を感じて新卒入社した、現在就業1〜3年目の若手社員4人に「入社後のリアル」を語ってもらった。確かな成長につながる研修の実態や、入社前後での同社へのイメージの変化を感じ取ってみてほしい。 シーメンス株式会社: シーメンスはドイツで今から177年前に創業されました。中でもデジタルインダストリーズ部門は、オートメーションとデジタライゼーションにおける革新的なリーダーとして、パートナーやお客様と緊密に協力し、プロセス産業とディスクリート産業のデジタル・トランスフォーメーションを牽引しています。

シミュレーション技術の強さと、ものづくりへの貢献



――入社1年目の榮田さんと砂岡さんから、現在の所属や学生時代の取り組みについてお聞かせください。


榮田:技術営業本部の3DCADチームに所属し、お客様への提案・製品説明やパートナーへの販売支援の進め方を学んでいるところです。


大学はビジネス・エンジニアリングの専攻で、技術や知識をビジネスの場で活かす方法を学びました。研究テーマは、安全で安価な水系ナトリウムイオン二次電池の材料開発でした。


就職活動ではITベンチャーに絞って見ていました。人の生産性を上げる製品やサービスに関わりながら、優秀な人材とともに裁量を持って働きたいと考えていたからです。そんな折にLabBaseでシーメンスを知り、「ベンチャーではないが自分の希望に合う会社だ」と感じました。製造業の生産性を高めるソフトウェア、手を挙げてチャレンジできる環境などに魅力を感じて、選考を受けました。


砂岡:私はカスタマーアウトカムズ本部の所属です。3DCADソフトウェアを導入した製造業のお客様に製品トレーニングを提供する講師として、製品知識などを蓄えています。


学生時代は機械工学を学び、破壊力学解析の研究に取り組みました。ものに力を加えた際の亀裂の入り方や変形について、理論を考えシミュレーションする研究でした。


学業とは別にフォーミュラカー製作のプロジェクトに参加していたこともあり、就職活動では自動車を中心に製造業を検討。シーメンスとの出合いはLabBaseがきっかけで、ものづくり業界のDXというコンセプトに心引かれたんです。面談などで質問すると製品・技術について具体的に回答してもらえ、全員がプロフェッショナルという印象を受けました。それでいて皆さん自然体な雰囲気があり、働く環境として理想的だと感じました。


――入社2年目の柳さんと3年目の劉さんはどんな業務に携わっていますか? 入社の経緯も教えてください。


:Simcenterというシミュレーション・ソフトウェアのカスタマーサポート本部で、お客様からの製品関連の質問や相談に対応しています。


大学では流体シミュレーションについて学び、気象の解析モデル作成をテーマに研究しました。研究から派生して、個人的に競技プログラミングにも挑戦していました。


学んできたことを活かすべく、就職は流体関連メーカーやソフトウェア業界を見ていました。その中で、LabBaseで知ったシーメンスは唯一のベンダー側。解析ソフト自体に関心があったので1on1面談を受けたところ、ベンダーとして幅広い事例を見られるのが面白そうだと感じて入社に至りました。


:カスタマーアウトカムズ本部の中の、シミュレーション&テスト・ソリューションのチームに所属しています。Simcenter製品群を駆使し、お客様が製品や技術の研究開発において直面する課題のコンサルティングや解決策の実行支援、さらには実務トレーニングを提供する仕事です。


入社前は日本の大学で流体力学を学び、博士後期課程を修了しました。水力発電所の水力タービンの一体最適化設計および運転時に伴う不安定流れ現象の解明と予測が研究テーマで、主に渦に誘起される不安定流れ現象を実験で調査し、独自の理論を構築するのに力を入れていました。そのうえで、シミュレーションでその妥当性を確認し、実験で追えない複雑な現象を調査していました。


私の夢は流体分野を究めて専門家になることで、卒業後はシミュレーションの裏側を知りたく、知見をさらに磨きたいと思っていました。世界を見渡し、シミュレーションが特に強い組織といえばシーメンスです。シーメンスはシミュレーション・ソフトウェアの守備範囲が実に広く、あらゆる業界をカバーできます。所属研究室でもその幾つかを使っていました。そのため入社するならここしかないと思っていました。


手厚い研修、プレゼン、OJTで成長



――入社後はどんなステップで配属されるのでしょうか?


砂岡:入社から3カ月間は新卒研修があり、組織体制、製品ラインナップ、日本の製造業に提供する価値などについて学びました。


研修後、新入社員で会社への提言をまとめ、経営層にプレゼンする機会があります。私の年は「人材育成と会社の成長」がテーマで、ランチ・ミーティングの導入などを盛り込みました。提言の一部は採用されて予算が付いたので、会社の風通しの良さを実感しました。


私が配属されたカスタマーアウトカムズ本部では、7月からさらに3カ月間、各部署の仕事や製品の使用感を体験。最終的に自分が担当したい製品についてプレゼンを行い、希望した部署に配属されたところです。


榮田:私の配属先の技術営業本部では、デジタル・スレッド提案の基礎となる、製品同士の連携を効果的に活かす方法を考えるため、各製品の本質を一つあたり1〜2週間かけて学びました。学習成果をまとめて発表したら、11月から本格的に実務開始です。


――1年目は研修とプレゼンの反復で業務への理解を深めていくんですね。2年目への移行にあたってはどんな導入がありますか?


研修後はOJTで業務に就きます。初期は必ず先輩にチェックしてもらっていたのが、次第に教わる頻度が低くなっていくという形です。


私の場合は2年目の7月に大きなサポート業務を一つ乗り越え、担当製品への自信が深まりました。現在は基本的に自分で仕事を進めますが、迷ったらいつでも相談できる環境です。


――2年目の時点でプロフェッショナルの一員ということですね。3年目はどんな働き方をしているのでしょうか。


:3年目は完全に自立です(笑)。私がいる部署はプロジェクトベースで動き、現在は1人で
約8つのプロジェクトに関わっています。メイン・プロジェクトは日本側が十数人、海外も含めると30人規模。小型案件なら3〜4人ということもあります。


私のステップは少し特殊で、1年目の部署配属後すぐにプロジェクトにアサインされ、上司の育児休業取得を機に配属2カ月目から独り立ちしました。ちなみに私も育児休業を近々取る予定です。


新しいことに取り組む際に気を付けているのは、先入観を持たないこと。まず論文などを読んでその分野の共通言語やスタンダードを理解し、そのうえで人に質問する際はできるだけ具体的に聞きます。最近は社内のCopilotでまず初歩的な質問を全て解決してから、海外の専門家に質問しています。また社員用のeラーニングサイトなどで常に知識のアップデートも図っています。


「シミュレーションだけの会社ではない」



――新入社員のお二人は、社内の人との関わりをどう感じていますか?


榮田:2024年は4人が新卒入社し、週2回の出社の際には他部署の同期とランチに行くこともあります。チームの飲み会もあって交流しやすいですね。


砂岡:先輩とのコミュニケーションも図りやすいです。当社はこれまで中途採用が中心だったので、自分の親のような世代の人も多く、子どもをサポートするように愛情を持って教えてくれます。


――入社前と後で、シーメンスのイメージは変わりましたか?


:良い意味で裏切られました。サービスを提供するなかで分かったのは、シミュレーションだけの会社ではないということ。実験もハードウェアも含め、想像以上に守備範囲が広いです。


営業やお客様対応にも優れた会社だと思います。常に新しいことを学び、責任を持ってお客様に案内することにやりがいを感じています。


また、製品ライフサイクル管理(PLM)という、お客様の製品開発プロセスを最適化するソフトウェアもシーメンスの顔だと知りました。


砂岡:イメージ以上にスケールの大きい会社です。当社は、日本初の発電機を導入した歴史を持ち、今もエネルギーや鉄道に携わっています。そうした発展の上にある現在のデジタライゼーションの潮流は伸びしろが大きく、私たち若手が貢献できる可能性を感じます。


榮田:研修の手厚さに驚いています。「あの研修があったからこの提案ができた」と実務に結びつく日が楽しみです。


トレンドを作る側として挑戦を楽しむ



――生き生きと働く様子を伺ったところで、今後の目標も教えてください。


榮田自分が支援してお客様に売ったという実績を作るのが目標です。まずは自信を付け、幅広いプロジェクトに取り組みたいです。


砂岡製品トレーニングの講師として、お客様の声に耳を傾けながら力を付けていきたいです。やがては一から製品を導入して実際に動かすような大型プロジェクトにも参画できたらと思います。


:当社のソフトウェアの新機能も含め、日進月歩のシミュレーション技術をキャッチアップして深掘りしていきたいですね。


:EVバッテリーに関わる仕事を担当することが多いので、EVバッテリー関連のプロジェクトを自ら提案できるようになることが当面の目標です。


――最後に、就職活動中の学生にメッセージをいただけますか?


榮田:社内では積極的にAIなどの勉強会が開かれ、知的好奇心の旺盛な人が活躍できる環境です。就職活動では複数の部署の先輩社員と話すと、会社全体の雰囲気がつかめると思います。


砂岡:私は就職活動で多様な業界に目を向けることを心がけました。就職後は他社の内情は分かりにくいですが、採用選考前の面談は貴重な情報を得るチャンス。大いに活用してください。


:就職先を選ぶ過程で、人と話すことは本当に大切です。私は大学での説明会にも行くので、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。


シーメンスは業界の最先端を走ってトレンドを作る側なので、難しい仕事への挑戦を楽しめる人が向いています。誰にも負けない専門分野を磨き、常識を疑い、学び続ける人と一緒に働けるとうれしいです。


シーメンス株式会社の 「企業情報」をチェック!



#### 編集後記


シーメンスでは入社1年目の社員もしっかりと目標を持つことができ、楽しんで働ける環境であることが言葉の端々から伝わってきた。高いシェアを誇る同社のシミュレーション技術など強い武器の背景には、トレーニングやコンサルティングを提供する「人」の力が効いている。人が育つ仕組みや働きやすい制度が整っていることも、生き生きと仕事ができる理由だろう。同社のエンジニアや女性社員の活躍も別記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてほしい。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2024年12月公開)


研究をまとめて優良企業からのスカウトを獲得しよう!


  • 理系大学院生シェアNO.1スカウト型就活サービス 「LabBase就職」
  • 上位大学の理系院生4人に1人が登録!
  • 研究と就活の両立が実現!! 

登録は コチラから!

ライター
水田 真梨
カメラマン
児玉 聡
X Facebook

企業情報

シーメンス株式会社

シーメンス株式会社

【事業内容】 コンピューターソフトウェアおよびハードウェアの開発、輸入、販売、保守ならびに関連する技術サービスの提供 【企業紹介】 ■デジタル・トランスフォーメーションの推進  シーメンスはお客様がデジタル・エンタープライズへと変革する支援を提供 シーメンスはドイツで今から約170年前に創業されました。イノベーションへのあくなき情熱は、時代を越えて脈々と受け継がれています。中でもデジタルインダストリーズ部門は、オートメーション (自動化) とデジタライゼーション (デジタル化) における革新的なリーダーとして、パートナーやお客様と緊密に協力し、プロセス産業とディスクリート(部品組立)産業のデジタル・トランスフォーメーションを牽引しています。そして、あらゆる規模の企業が全バリューチェーンにわたる統合とデジタライゼーションを実現するための包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。 ■デジタルインダストリーズソフトウェア 前例のない変化とますます早まるイノベーションのスピードに後れをとらないよう、デジタライゼーションは、弊社のお客様にとって先延ばしにできない取り組みになりました。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、特にエンジニアリング、製造、電子設計といった技術的分野を統合し、お客様のデジタル・エンタープライズへの変革、そして将来のビジネス目標を今日実現できるよう支援しています。こうした私たちのビジョンに共感し、より最適なソリューションをお客様へ提供することに情熱を注いでいただける方を求めています。 ■スマートインフラストラクチャ 回復力と持続可能なインフラストラクチャの構築がこれほど緊急に必要とされているときはありません。スマート インフラストラクチャにより、私たちは現実世界とデジタル世界を接続するエコシステムを形成しています。データと分析に基づいて意思決定を行うことで、お客様は建物や産業におけるエネルギー システムとプロセスをより効率的かつ持続可能なものにすることができます。 ■Where today meets tomorrow. トランスフォーメーションの真っただ中にある今日の産業界では、デジタライゼーションはいよいよ現実味を帯びてきました。今日私たちが目にする多くの製品はますます高性能化し、パーソナライズ / カスタマイズ化が進んでいます。そして新しいビジネス・チャンスやインサイト、次世代のオートメ―ション技術は、バリューチェーンのどこにでも存在しています。それは将来の展望ではなく、今日実現すべきことなのです。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、デジタル・トランスフォーメーションを推進して、エンジニアリング、製造、電子設計が融合する未来志向のデジタル・エンタープライズの構築を支援する企業です。弊社のXcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成・活用して、新しい洞察や機会の獲得、自動化の実現をできるようにします。詳細はこちらのビデオ (英語版) をご参照ください。 ビデオ(英語版):https://prismic-io.s3.amazonaws.com/siemens-disw/87f1faaa-97ba-4fd5-b5df-e677b5bdcf64_Where+today+meets+tomorrow_Small.+Video.mp4 ■Xceleratorによって将来のビジネスに力を 製造業界向けソフトウェアを提供するシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのXcelerator製品群は、すべての製品ポートフォリオと、現在および将来の情報テクノロジー / オペレーション・テクノロジー / エンジニアリング・テクノロジー環境を連携することが可能なツールとデータベースを統合します。従来の弊社のデジタル・イノベーション・プラットフォームに、クラウド・ソリューションであるMindSphere、さらにはEDAツールやMendixといったソリューションをすべて一体化したXceleratorによって、お客様の既存のデータやネットワーク・システムを簡単に構築、統合、拡張することができるようになります。 Xcelerator製品群には、以下のような分野が含まれており、お客様がデジタル・エンタープライズに変革する支援をしています。 □設計・製造・PLM ソフトウェア https://www.plm.automation.siemens.com/global/ja/products/ 成功している製造業の多くの企業は、イノベーションを推進し、ビジネスの成長を家族するために、シーメンスのソフトウェアを活用しています。 □Insights Hub https://plm.sw.siemens.com/ja-JP/insights-hub/ インダストリアルIoTを活用し、製品 / 工場 / システム / マシンのすべてを素早く、かつ安全にデジタルの世界につなげることで、データの理解度を深めます。 □シーメンスEDA https://www.mentorg.co.jp/index.html エレクトロニクス分野におけるイノベーションは常に加速し続けています。お客様が、人々の暮らしを一新させるイノベーションに満ちた製品をより早く世界に送り出し、マーケットリーダーとなるために、シーメンスEDAは業界随一の包括的なEDAソフトウェア、ハードウェア、サービスを提供します。 □Mendix https://www.mendix.com/ エンタープライズ・レベルのアプリからシンプルなツールに至るまで、ローコード・アプリケーション開発プラットフォームにより、ユーザーの生産性向上を可能にします。 □産業オートメーション https://www.siemens.com/jp/ja/products/automation.html 業界は第4次産業革命の閾値に達している。自動化の後に生産のデジタル化が続いています。目標は、生産性、効率性、スピード、品質の向上を実現し、企業の将来に向けた競争力の向上です。 ここでは、シーメンスのオートメーション技術と生産のデジタル化のための包括的な製品を見つけることができます。