グローバルな製品と自由度の高い働き方

――西村さんは3年前、安村さんは2年前に新卒でシーメンスに入社されたそうですね。現在の所属や入社までの流れを伺えますか?
西村:カスタマーアウトカムズ本部 LCSプラクティス・チームの所属です。大手のお客様向けに、当社のTeamcenter(製品の開発からメンテナンスまでを一括管理するソリューション)の展開・導入の技術支援をしています。
大学では理工学部で材料工学を学びました。国内の製造系企業との共同研究で、電場をかけると粘着性が変化する機能性材料の開発や性能評価をしていました。シーメンスは、講義内でも「Industry 4.0」を推進する企業として紹介され、研究でも製品を使ったりと、学生時代から親しみのある企業でした。
就職活動ではIT系に絞り、日系SIer、外資系ハードベンダー、SaaS企業などを受けました。シーメンスの選考では、日本の製造業に対する社員の思いの強さが印象的でしたね。共同研究の経験も踏まえ、製造業のDXを推進するシーメンスで先進的ソリューションに携わりながら、日本の未来に貢献したい、と考えて入社しました。
安村:カスタマーアウトカムズ本部 PLサービスプラクティス1に所属し、NX(機械設計向けソフトウェア)のチームでカスタマーアウトカムズ・エンジニアを務めています。
学生時代の専攻は機械工学。CADソフトを使った機械設計などを学び、流体系の研究室では空気の流れのシミュレーションに取り組みました。
就職活動では、自分の専門を活かせるメーカーやCADを扱う企業など製造業を検討。シーメンスはLabBaseのスカウトで知りましたが、面談を経て「外資系は社風がドライ」というのは先入観に過ぎなかったと理解しました。流体シミュレーションやCADの経験が活かせるうえ、裁量労働制など働き方の自由度の高さも入社の後押しになりました。
――椎塚さんと宋さんは2024年に第二新卒として入社されています。そこに至った背景を教えてください。
椎塚:学生時代は国際経営学を専攻し、マーケティング、会計、経営などを学びました。海外での就学経験から、就職は言語や人の多様性という面で外資系企業を志望。学士修了後は外資系SaaSベンダーへ入社して製薬会社向けのクラウド製品の技術サポートを行いました。
意義のある仕事でしたが、社会貢献の手応えをより実感しやすい働き方に興味が湧いたとき、転職サイトで出合ったのがシーメンスでした。世界で高いシェアを誇る優れたソリューションを有し、日本の主要産業である製造業に貢献する当社で、自信と信念を持って活躍したいと思ったんです。面接で会う社員は笑顔で親しみやすく、誠実な人が多いことも好印象でした。
現在の所属は安村と同じカスタマーアウトカムズで、Teamcenterのカスタマーアウトカムズ・エンジニアをしています。
宋:大学の文学部では英米文学を専攻し、英語の研究ゼミに入りました。その後、新卒でインド系のSIerに就職。英語力を活かせる外資系企業で先端技術を学びながら働くスタイルが合って2年ほど勤めましたが、次第にもっと成長性のある環境で挑戦してみたくなりました。
私の出身国の中国では、シーメンスは家電で有名でした。当社は最先端技術に触れながら働けるだけでなく、研修制度も充実しており、未来を担う若手を育てる強い意思を感じました。採用面接は圧迫感ゼロで優しい人が多く、この環境なら人材が伸びやすいなと。私もここで成長したいという思いで、2024年5月に入社しました。
同期の椎塚と同じ部署で現在、お客様の要望に合わせたTeamcenterの機能設定などにあたっています。
ソリューションの価値を最大化する仕事

――カスタマーアウトカムズのエンジニアとはどんな仕事ですか?
西村:お客様が導入した当社のソリューションの価値を最大限に活かせるよう伴走する仕事です。例えばTeamcenterというソリューションは、導入前にはお客様との要件定義やカスタマイズ(開発)、アップデート前には開発した分のテストが求められます。こうした支援をカスタマーアウトカムズ・エンジニアが担い、お客様がソリューションを最適な形で使えるようにしています。
現在、当社ではソリューションのSaaS化が進行中。クラウド上に環境を構築し、環境運用を当社が代行するようになると、基盤システムの管理方法も大きく変わる可能性があります。それに伴い、カスタマーアウトカムズ本部に求められる役割は多様化していくと考えられます。
――製造業のDXをアシストする役割といえますね。プロジェクトの具体例を教えてください。
西村:私や安村は主に輸送機器系OEM企業のプロジェクトを担当してきました。期間は1〜2年、社内とパートナーを合わせて30〜40人規模のプロジェクトが多いです。
さらに、最近は将来的なSaaS移行に向け、顧客の開発基盤システムのOOTB化(顧客用に行ったカスタマイズを製品の標準機能の範囲で代替すること)にも携わっています。
安村:一つの企業に対して複数プロジェクトが動いており、お客様のIT部門と協力しながら各プロジェクトを進めています。製品のバージョン・アップだけではなく、バージョン・アップした製品をお客様に使ってもらうためのトレーニング・コンテンツ開発などもカスタマーアウトカムズ・エンジニアの仕事です。
質問には必ず時間を作って応じてくれる

――入社後、どんな学びの機会を経てプロジェクトに入っていくのでしょうか?
宋:約5カ月間の研修プログラムでは、製品特徴からJava、コミュニケーション・スキルまで、さまざまなトレーニングを受けました。研修の後半には成果発表会があり、製品のインストール方法や機能をチームでプレゼンしました。
6カ月目からプロジェクトにアサインされ、現在はベテランの先輩とともに、機能設定におけるエラー解決といったタスクに取り組んでいます。
安村:プロジェクト全体における自分の業務の位置付けを理解し、どう動くべきかを自ら考えられるようになれば独り立ちといえると思います。私は2年目の半ばからその実感が出てきました。
――社内の人間関係や雰囲気はいかがですか?
椎塚:社員の年齢層は高めですが、質問をすれば皆さんどんなに多忙でも必ず時間を作って対応してくれます。必要に応じて有識者につなげてくれることもありますね。
宋:話しかけやすい雰囲気ですよね。チャットで何か聞くのをためらうこともなく、入社前に思っていた通りの会社です。
安村:コロナ禍以降は同期・先輩ともに交流が自然に増えました。私のチームでは、CAD以外にも料理やスポーツなど好奇心旺盛に好きなものを追求する人が多い印象です。
西村:総じて仕事のオン・オフが明確で、プライベートでは思いきり趣味を楽しんでいますね。会社のクラブ活動も盛んで、私はフットサル・クラブに参加しています。
――ちなみに女性のエンジニアはどれくらいいますか?
椎塚:カスタマーアウトカムズ本部には私たち以外の女性社員もいますし、プリセールスやカスタマーサポートにも女性エンジニアがいます。女性エンジニア同士の絆も深いです。別プロジェクトの所属でも、「仕事には慣れた?」と声をかけてくれるなど人の温かさは一貫しています。
お客様の業務内容や課題を誰よりも理解

――皆さんが感じる「カスタマーアウトカムズ・エンジニアの面白さ」をお聞かせください。
西村:私たちのソリューションは、半年というハイペースで大きな更新が入ります。多数の新機能や関連技術をキャッチアップするのは難しくも面白いです。
やりがいを感じるのは、お客様と要件をすり合わせ、地道な努力の果てに要望を実現できた時。また、カスタマイズしたものを標準機能に落とし込む仕事も挑戦しがいがあります。
安村:カスタマーアウトカムズ・エンジニアは、お客様の業務内容や課題を社内の誰よりも理解しています。その自負をもってお客様に紹介した製品や新機能に対して、高評価をいただいたときに特にやりがいを感じます。
宋:何より最新技術に触れる機会の多さがうれしいです。成長し続ける意欲が刺激されます。
椎塚:製品の使われ方までしっかり学び、お客様への価値提供を通して自分の専門性も磨かれるのが良いですね。
社員の多様性も豊かで、チームに海外メンバーがいたり、数年ごとにグローバルの業績優秀者が集まる機会もあったりしますよ。
――最後に、どんな人にカスタマーアウトカムズ・エンジニア職をおすすめしたいですか?
安村:日本の製造業に貢献したい人に合う仕事です。適性としては、お客様と会話して「お客様がどう感じているか?」を想像する力がポイントですね。
宋:技術への興味と学習意欲の高さ、そしてコミュニケーション力を発揮して働きたい人に向いていると思います。
椎塚:専門人材も情報も潤沢に持つ会社で、1人ひとりが自分の技術や知見を共有する意識が高いです。他業界から来ても十分にキャッチアップして成長できるので、ぜひチャレンジしてほしいです。
西村:当社の役割は、新たな挑戦をするお客様に対してソリューションという推進力を提供すること。最新の技術や製品について「興味を持って調べたくなる人」なら、製造業界のDXをアシストする素質があるはずです。
学生さんは多忙だと思いますが、興味のある業界や企業について調べたら、その企業の人と直接話をする機会を大切にしてほしいです。シーメンスの面白さにも対話を通してぜひ触れてみてください。
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#### 編集後記
ソリューションを通じてものづくりの世界を支え、DXを加速させるシーメンスのカスタマーアウトカムズエンジニアたち。製造業の顧客の挑戦をサポートし、ダイレクトに社会に変革をもたらす仕事といえるだろう。若手を丁寧に育てる同社の姿勢や、異なる分野からチャレンジできる環境に興味を持ったら、シーメンスについてさらに深掘りしてみてほしい。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2024年12月公開)
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