「生活が便利になる」ことへの好奇心がITの道を選ばせた
──まず学生時代に取り組んできた研究や活動について教えてください。
竹下:大学では情報系を専攻し、プログラミング言語を主に学びました。実は大学入学時は建築系を目指していたんですが、2年生のコース選択のときに情報系に進路変更したんです。IT技術の急速な進歩を見て、この分野に興味を持ったからです。
卒業研究では「イベントカメラを使った転倒検知処理の検討」という研究をしました。イベントカメラというのは、動いているものだけを白黒で捉え、動いていないものは黒く表示するカメラです。この研究は、一人暮らしの高齢者向けに、プライバシーに配慮しながら転倒を検知できるシステムを目指したものでした。
──その研究テーマを選んだ理由や、研究を通じて得たものはありますか?
竹下:このテーマは、国内で類似の研究がほとんどない新規分野だったので、英語の論文をもとに、0から情報を調べていきました。新しいことに挑戦するのは好きな方で、たとえ失敗しても「失敗しました」という結果自体が成果だと思っています。新しい領域に果敢に踏み込む経験は、今の仕事にも活きていますね。
──就職活動はどのような視点で行っていましたか?
竹下:IT業界を中心に考えていました。理由は、日常生活をより便利にするITの力に魅力を感じたからです。例えば、ディズニーランドのファストパスが紙からアプリに変わったタイミングが学生時代と重なり、「ITの力で生活が便利になる」という価値を実感しました。
また保険業界の安定性にも惹かれました。就職活動であまり多くの企業を受けなかったのですが、東京海上日動システムズの選考が進むにつれ、さまざまな社員の方とお会いし、その際の人柄も自分と合っていると感じ、システムズに決めました。また、インターンシップで出会った社員の方々の雰囲気も良く、「この会社なら居心地がいいだろうな」と直感で感じたのも決め手でした。

入社1年目から責任ある仕事を任される「若手育成」の社風
──入社後はどのような仕事をされてきましたか?
竹下:2023年4月に入社して、最初の半年間は導入研修を受けました。主にビジネススキルや業務スキル・ITスキルの基礎を学びました。また、研修期間中は自由に学べる時間もあり、プログラミングの課題が早く終わった人は自由にWebアプリ開発に取り組めました。私も天気予報付きのタスク管理アプリを作りました。
2023年10月に営業戦略本部、営業ソリューションサービス部に配属されました。この部署は東京海上グループの営業活動をシステムの観点から支援する役割です。私は、グループの営業社員の皆さんが利用するアプリの運用・保守を担当しています。
──具体的にはどのようなアプリを担当されているのですか?
竹下:担当しているのは、支店の営業成績や保険商品の販売状況を可視化するアプリです。例えば自動車保険だと、通常の自動車保険と、ドライブレコーダー付きの特約付き自動車保険のどちらがご契約されているかといった情報を数値化し一目でわかるようにし、営業活動に活かせるようにしています。保険商品ごとにさまざまな切り口があり、それを可視化することで営業成績向上に繋げるシステムです。
──若手の育成に力を入れる社風だそうですね。詳しく教えてください。
竹下:例えば、私が仕事中にミスをしたときも、上司は叱るのではなく、「解決するためにはどうしたらよいのか、同じミスをしないためにはどうしたらよいのか」ということを、しっかりと自分で考えて実践していくことで成長するという考えのもと、温かく見守ってくれています。
また、研修制度も充実していて、社員が自発的にエントリーすることでさまざまな研修や業務時間中にオンラインで講座なども受けられます。プロジェクトマネジメントやタイムマネジメントといったビジネススキル研修も多く、IT技術だけでなく、マネジメントスキルも学べる環境が整っています。

年末年始のシステム対応で成長を実感
──仕事で印象に残っているエピソードを教えてください。
竹下:年末年始のシステム対応が特に印象に残っています。通常、システムは毎日動いているのですが、年末年始は監視している方も休暇を取得されたりするので、システムを止める作業を行います。ただ、急に止めてしまうとシステムの裏側で動いているデータ処理が中途終了して、データがおかしくなる可能性があるため、事前に念入りな調査と対策が必要です。
私が担当したときは、年末に止めるタイミングと年始に開始するタイミングの曜日が同じだったため、データの更新に問題が生じる可能性がありました。このリスクを回避するために、システムについてまだ十分な知識がない中ではありましたが、2ヶ月程の時間をかけて事前調査と対策を徹底的に行いました。
実際に自分で手を動かして調査・対応することで、システムへの理解が深まり、自分自身の成長を実感することができました。そして何より、年末年始の対応を無事に乗り切れたことで大きな達成感を得られました。
──保険業界のシステムだからこその緊張感や責任感はありますか?
竹下:はい、非常に感じます。特にお金周りとセキュリティ周りは緊張感を持って対応しています。例えば、東京海上日動の保険を販売いただく代理店さんに支払う報酬額の計算を誤ってしまったり、セキュリティ設定をミスしてしまって他の代理店さんの数字が閲覧できてしまったりするようなことがあってはなりません。常に細心の注意を払って業務に取り組んでいます。
学生時代との大きな違いは「伝え方」
──学生と社会人の違いで、実感されていることはありますか?
竹下:一番大きな違いは「伝え方」だと感じています。学生時代は自分が思ったことを相手に伝えるだけでよかったのですが、社会人になると、相手の視点に立って伝えることが求められます。相手の前提知識は何か、どうすれば理解してもらえるかを考慮する必要があります。
初めて担当した案件でチーム内報告をした際、私が説明した内容がなかなか伝わらなかったことがあります。その反省を踏まえて「背景・目的・概要・結果」といったフレームワークに当てはめて説明するなど、伝え方を工夫するようになりました。この「伝える力」の向上は社会人になって大きく成長したと感じる部分です。
──福利厚生や社内の雰囲気について教えてください。
竹下:家賃補助が非常に充実していて、独身寮に住んでいるのですが、月に6万円近く補助をいただいています。都内で実質的には2万円ちょっとで一人暮らしができているのはありがたいですね。
※独身寮:当社の独身寮は自社で保有した建物ではなく、近隣のマンション・アパートを会社名義で賃貸し、その物件を貸し出しをしています。
社内の雰囲気としては、役職に関係なく「さん」付けで呼び合う文化があります。部長や役員の方でも「〇〇さん」と呼んでいて、この文化が、話しかけやすい雰囲気づくりに一役買っていると思います。また、部の飲み会は年に2、3回程度あり、適度な頻度で開催されています。
──最後に、入社を検討している学生へのメッセージをお願いします。
竹下:東京海上日動システムズは、皆が優しく温かい雰囲気を作ってくださっているので、とても話しかけやすい職場環境だと思います。仕事で困ったことがあれば気軽に相談でき、雑談も楽しめる職場です。また、文系・理系問わず多様なバックグラウンドの社員がいて、研修や業務を通じて、さまざまなスキルを身につけられるのも魅力だと思います。
積極的に成長したい人も、自分のペースで着実に進みたい人も、どちらも受け入れてくれる懐の深さがあります。皆さんが安心して働ける職場だと思いますので、皆さんの応募をお待ちしております!

編集後記
竹下さん本人について特に印象的だったのは、「伝える力」の重要性である。相手の立場に立ったコミュニケーション能力の獲得は、今後のキャリア形成において大きな財産となるはずだ。それを気づかせた会社の風土も大きい。
学生にとって、大学で学んだ技術や経験を活かせる場所であることはもちろん、さらに成長できる土壌と働きやすさを兼ね備えた企業選びが重要である。その意味で、東京海上日動システムズという選択肢は理系文系問わず、十分に検討の価値があるだろう。
※所属・内容等は取材当時のものです。(2025年5月公開)