自動運転時代を支えるデンソーテンーー最先端の車両システム開発に挑む若手エンジニアたち

インタビュー

LabBase Media 編集部

自動運転時代を支えるデンソーテンーー最先端の車両システム開発に挑む若手エンジニアたち

ハイブリッド車・電気自動車などクルマの電動化に欠かせない自動車用電子機器を提供するデンソーテン。それぞれの立場で車両システム開発に携わる若きエンジニア4名に、同社の志望理由から現在の業務、今後の展望まで語ってもらった。

自動運転時代に貢献するデンソーテンーー入社理由は高品質な製品開発が求められる自動車業界への憧れ


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――まず、デンソーテンの事業内容や、みなさんの携わっている事業領域について教えていただけますか?


山本:
デンソーテンはいわゆるカーエレクトロニクスメーカーです。「VISION2022」というビジョンを掲げ、「快適・利便」「安心・安全」「環境」の各事業分野において、来たる自動運転時代に貢献すべく、新技術・新製品開発に取り組んでいます。


AE(Automotive Electronics)部門は主に、燃費向上・CO2排出量削減など地球環境保全に貢献する「車両制御システム開発」を行なっています。本日お話をする4名はパワーエレクトロニクス技術部に属していて、バッテリーマネジメントシステム(BMS)やリチウムイオン電池パック開発などに携わっています。


ーーデンソーテンに就職した理由と現在の業務内容について、それぞれ教えていただけますか?
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山本:
私は電機メーカー、中でも高品質が求められる「車載の電機メーカー」にやりがいを感じて、弊社を志望しました。実家のある神戸に本社があったことも決め手となりましたね。


現在は、BMSのソフトウェア開発を担当しています。大学時代は電気電子工学という電気系専攻だったので、まったく違う領域ですね。ソフトウェア開発は初めてだったので「C言語の絵本」というとても簡単な本を買って一から勉強し、あとはOJTで学んでいきました。


泉谷:
就活では、BtoBに加えBtoCもしているメーカーで、かつ自動車関係を中心に見ていました。BtoCもやっていれば最終製品が世の中で認知されやすいので、やりがいにつながると思ったからです。また、仕事だけでなくプライベートも充実させたいタイプなので、勤務体系や福利厚生がしっかりしている企業だったこともプラスでしたね。


最初は品質管理部門に配属され、入社2年ほどしてAE部門に異動してきました。そのころはまだBMSの立ち上げ時期だったので、初期から回路設計に携わることができました。現在は、電池監視ECUを担当しています。


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内藤:
私は大の自動車好きなので自動車関連メーカーに就職したいと思い、完成車メーカーよりもさまざまな車両メーカーと関われそうな部品メーカーを志望していました。さらに、デンソーテンに決めた別の大きな理由があります。


私は最終内定をもらう段階まで、社内の雰囲気を見ていなかったんですよね。それを人事の方に相談したら、僕1人のために丸1日マンツーマンで社内を案内してくれたんです。そんな人の良さが強く印象に残ったので、ここに就職しようと決めました。


私も初配属が品質管理部門で、6年ほど経ってからAE部門に異動してきました。BMSを1年ほど担当したのち、マイルドハイブリッド用リチウムイオン電池パック開発を行っています。この開発は会社としても新たな領域へのチャレンジになるので、日々試行錯誤ですが、とてもやりがいを感じています。


遠藤:
デンソーテンを選んだのは、私も「人の良さ」が決め手でした。説明会で人事の方と話した感触や、座談会で先輩社員がすごく楽しそうに会話する様子が好印象でしたね。さらに、若手でもさまざまなことにチャレンジできたり、意欲次第でどんどん勉強できたりすると聞き、ここで働きたいと思いました。


初めは別の分野の設計をしていましたが、その経験を生かして、もっと広く業務に携わりたいと思い、希望して今の部署に異動してきました。こういった希望を聞いてもらえるのは弊社の魅力的なところだと思います。


現在は、リチウムイオン電池パックの回路設計を勉強しながら行っています。製品自体は小さいのですが関わる部署はとても多いので、横の連携を取りながら業務を進めています。


ーー現在の業務に大学時代の研究内容は生かされているのでしょうか?


泉谷:
事業に直結するような研究をされている方であれば、当然そのまま研究内容を生かすことができます。しかし、直接的には一致しない研究内容でも幅広い業務分野で見た時には、基礎的な知識や考え方の部分でそれが生きてきます。私たちも各々配属されてからOJTで学んでいったので、大学時代のバックボーンはあまり心配する必要はありません。


目標は、開発した制御システムが世界中の電気自動車に搭載されること


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ーー現在の業務では、どのようなところにやりがいを感じますか?


内藤:
リチウムイオン電池パックは、弊社だけではなくお客様との共同開発という立ち位置です。お客様に私たちの提案が採用されたときは嬉しかったですね。


また、車両評価の一環として行われる寒冷地試験に参加させてもらうなど、車に関するさまざまな経験ができたり、最終的に自分が携わった製品が形になっていくときにも、大きなやりがいを感じますね。


泉谷:
私は1人で黙々と研究するよりも、社内や客先で人と関わりながら一緒に開発を進めていける今の業務が好きだし、やりがいを感じています。品質管理から設計に至るまでさまざまな経験ができたこともプラスでしたね。


ーー現在開発している技術は、世の中に対してどのように役に立つと考えていますか?


遠藤:
世界的に自動化・電動化が急速に進んでいますが、そのコアとなる技術が電池制御装置です。この技術は、今後普及するであろう電気自動車に確実に必要です。最終製品が利用されて燃費向上やCO₂の排出量削減などで、日本や世界にダイレクトに貢献できると思います。


そのためにも、自分たちの開発した電池制御装置があらゆる自動車に搭載されることを、まずは目指していきたいと思います。


ーーデンソーテン独自の社風があれば教えていただけますか?


山本:
何でも聞ける雰囲気があることですね。私は入社してから初めてソフトウェア開発を行ったのですが、組み込みのソフトウェア開発は結構複雑で理解がしにくいものでした。


でも先輩に聞きに行くと、忙しいのに手を止めて真摯に質問の内容を汲み取って、きちんと教えてくれるのです。未経験からソフトウェア開発ができたのは、この社風のおかげといっても過言ではないでしょう。


多様なキャリアパスを叶えられる企業ーー求めるのは自主自立型人間


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ーー今後どういったキャリアを積んでいくか、描いているキャリアパスを教えていただけますか?


山本:
車両システム開発は高品質を求められるため、皆プライドを持って業務に取り組んでいます。自分にも向いている業務だと感じているので、しばらくこの部署でシステム開発を続けていきたいと思っています。


その先は、大学時代に専攻していたハードウェア開発にも携わりたいと考えていて、上司にもすでに伝えています。ソフトウェアとハードウェア、どちらの開発も経験できること自体かなり珍しいことなので、チャンスのあること自体がありがたいですね。将来的には、製品企画や開発にも関われたらいいなと思っています。


遠藤:
私は「これはあいつに聞けばわかる」と名前の挙がるような人材になりたいですね。全体を包括するような業務は今後も継続してできると思うので、さらに得意な分野を極めていきたいと思っています。


ーー最後に、どんな人材と働きたいと思いますか?就活生へのメッセージも合わせてお願いします。


泉谷:
「自主自立型人間」ですね。社会人になってしばらくは、人に学びながらお金をもらう立場になります。人とのふれあいを大事にできて、「学ぶ」という意識をしっかり持った方に来ていただきたいです。また、在学中に遊びも学業も精一杯やりきっておくと、仕事とプライベートの切り替えもスムーズにできて、楽しく仕事ができると思いますよ。


遠藤:
欲しい人材は2つあり、1つはいろいろなことに興味を持って、やりたいことを自分で考えられる人です。もう1つは「気づける人」。振られた仕事をそのままやるのではなく、さらに自分なりの付加価値がつけられる人です。相手の立場に立って考えられるといいですね。


就活は、自分という人間を知るチャンスだと思います。自分はどんな人でアピールポイントはどこかと自分を見つめ直す機会は、社会人になったらそんなにありません。今後スムーズにキャリアを積んでいくためにも自分を理解しておくといいでしょう。


編集後記


4名の多種多様なプロフィールや業務経験から、さまざまな社員を受け入れ自然と育成する、デンソーテンならではの懐の広さを感じた。大学時代の専攻内容などにとらわれることなく、やる気次第で自分のキャリアを切り開いていける企業である。意欲ある就活生こそチャレンジしてほしい。


デンソーテンの2020卒エントリーは コチラから!



ライター
金指 歩
カメラマン
児玉 聡
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