多くの企業の新卒採用で導入されている「グループディスカッション」。実は理系生が陥りがちな落とし穴があるって知ってました? 慎重でロジカルな理系生の性分が裏目に出てしまう・・・そんな恐ろしい危険性が潜んでいるんです。
とはいえ、心配は無用。理系生がやりがちなNGを回避し、評価ポイントを意識した対応を身に着けることは、コツさえつかんでしまえば難しいことではありません。ということで、グループディスカッションへの苦手意識を克服していっちゃいましょう!
グループディスカッションでは何が見られている?
「ディスカッションだから、良い意見を出さなければ!」そう意気込んでいたら要注意。グループディスカッションで企業が見ていることは、それだけではないからです。優れた意見を出すことももちろん大切ですが、以下の点を総合的に見ています。
- チームの中での役割の果たし方
- コミュニケーションスタイル
- 論理的思考力
- 協調性
これらは全て、仕事の中での活躍スタイル・働きぶりを予測させるもの。企業は、グループディスカッションでのふるまいから、仕事の場でのあなたの姿をイメージするわけです。
ここで注意したいのは、「チームの中での役割」といっても必ずしもリーダーシップだけが求められているわけではないということ。チームで仕事を進めていく中では、全員リーダーでは進むものも進まないですよね。適切なフォロワーシップ、活発な議論の場づくりをするムードメーカー、慎重で深い思考に誘う論理派、意見の衝突を適切に収めていく仲介派・・・などなど、チームに欠かせない役割は様々。自分を偽ることなく、自分の強みの発揮を意識すれば問題ありません。
グループディスカッションのテーマ例
グループディスカッションでは、簡単には答えの出ないテーマ、漠然としていて議論のとっかかりや落としどころが難しいテーマが出題される傾向にあります。たとえば、次のようなものです。
- 海外留学をする大学生を増やすにはどうしたらよいか
- 少子化に歯止めをかけ、出生率をあげるにはどうしたらよいか
- 働き方改革を進めるにはどうしたらよいか
- 外食消費を増やすにはどうしたらよいか
- ドラえもんの道具を1つだけ使えるとしたら、何を選んで何を解決するか
ともすると、ふわっとした議論に終始しがちなテーマばかりの中で大切なのは、漠然とした要件の中から議論のフレームを整え、納得度の高い結論を論理的かつ建設的に導きだせるかということです。
そのために必要なのは、曖昧な定義のテーマを具体的な数字に落とし込むこと(例:働き方改革を進めるために残業時間を20%削減する)。そして、感覚でなく客観的事実や論理的に推測された数値等から案を出し、絞り込んでいけているかということ。このとき、設定した数字の正確性よりも、設定した条件をもとに論理的・建設的に協調性を持って議論できているかがより重要になります。数字の正確性にこだわるあまり、議論が進まなくては本末転倒なので注意が必要です。
グループディスカッションで評価されるポイント
- 議論のゴールや進め方を提案し、適切な議論の流れへと先導できる
- 自分の意見を言うだけでなく、相手の意見を建設的に受け止めたり、周囲の意見を生かして議論を発展させられる
- 様々な意見を整理し、チームの目線を揃えられる
- 全ての人が意見を出せるよう、声かけや雰囲気作りができる
- 白熱したり、ぶつかり合いが生まれる中で、場の空気を和ませられる
- 行き詰った議論への突破口を開ける
- 意見が通らなかった人への建設的フォローができる
- 多くの意見を集約し、結論へと精緻化していける
- 突っ走った議論に対して、慎重な考察と発言で全体の思考を深められる
- 時間内に最適な結論を導き出すタイムマネジメントができる
全ての価値を1人で発揮することは、どんなスーパーマンであってもできません。「自分はどんな強みを発揮できるタイプか」を考えたうえで、チームにおける自分の価値の出し方戦略を練ることが重要です。
理系生が陥りがちなNG例
慎重でロジカルな理系生。その特長が限られたグループディスカッションの場では、不利に働いてしまうケースもあるので要注意です。たとえば、次のようなNG例が考えられます。
ケース1)数値の正確性にこだわりすぎてしまう
たとえば、「海外留学する大学生を増やすには?」とのテーマで、現状の留学人口を出そうとする場合。情報がない中で推定を行っていくかと思いますが、理系生はつい数字の妥当性、正確性にこだわりすぎてしまうことがあるようです。大切なのは正確性よりも、論理的な割り出し方かということ。そしてさらに大切なのはそれらの条件をもとに論理的・建設的に議論を進めていくこと。そのため、ある程度の割り切り、決め打ちはいとわないというマインドセットも必要です。
ケース2)自分の意見の正当性にこだわりすぎてしまう
ロジカルな理系生にとって、客観性・正当性のある意見を出すことは得意分野。そのため、つい自分の意見に固執しすぎてしまうことも見受けられるようです。これは自分の意見に自信があればあるほど、その傾向は強まってしまうもの。しかしながら、グループディスカッションの場では「正しさ」と同じくらい、いやそれ以上に「協調的で建設的なふるまい」が評価される傾向にあります。「自分の姿は協調的にうつるだろうか?」と客観的に自分自身をとらえることも必要です。
評価ポイントとNGポイントを意識することと、実際にそれを踏まえた対応ができるのはまた別モノ。意識を行動に落とし込むには、練習・実践が欠かせません。友人同士などで練習&フィードバックをしていくことをオススメします。もし、悩む点などあればLabBaseにもぜひご相談ください。 コチラより お問合せ下さい。