関西の大学に通う理系院生として就活をしてきた経験から,関西のみならず地方の学生にとっての就活というものをざっくりと伝えたいと思います.今回は次の3つのテーマに絞ってお話をします.
【目次】
1. 地方学生のデメリット
2. 地方学生のメリット
3. 勤務地
LabBase Media 編集部
「地方大学生は就活に不利。」 と言われ始めてから久しく、しかしその現状が大きく好転したとは言い難い2021就活。そんな現状に一手を打つべく、就活を経験した「地方就活OB」に寄稿をオファー! 地方に住む学生はどのように就活を進めるべきか。ご自身の経験をもとにアドバイスをいただきました! ━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━━-━-━-━-━-━-━
関西の大学に通う理系院生として就活をしてきた経験から,関西のみならず地方の学生にとっての就活というものをざっくりと伝えたいと思います.今回は次の3つのテーマに絞ってお話をします.
【目次】
1. 地方学生のデメリット
2. 地方学生のメリット
3. 勤務地

まずは,地方学生が就活を進めるうえでデメリットとなる部分とそれに関連したアドバイスをお伝えしたいと思います.
①周りの学生の意識
関東の学生と比べると,関西を含め地方の学生はやはり就活への意識が低い,もしくは意識を持つのが遅いと感じました.具体的には,夏のインターンシップに参加した際同じグループに九州の学生がいたのですが,話を聞くと「自分の研究室でこの夏にインターンシップに参加するのは自分だけだ」と言っていたのが印象的でした.周囲の学生の就活への意識が低いと,情報が入ってきにくいだけでなく,気づいたころには関東の学生と大きな差をつけられているという状況になりかねません.
このような状況に陥らないために私がおすすめするのは「夏のインターンシップに参加すること」です.自分の周りの学生が何も就活を進めていなくても,意識高いとからかわれても,夏は遊びたくても,とりあえず全国から学生が集まるようなインターンシップに参加するべきだと思います.なぜなら「就活への意識が自分よりも高い学生と知り合うことができるから」です.
早い段階からしっかりと就活を進めている学生の話を聞けば,就活市場における自分の相対的な立ち位置が明確になり,自分がいつまでに何をすべきなのかということが意識できるようになります.
インターネットにいくらでも情報は転がっていますが,それらはあくまでも昨年までの情報です.今年の学生はどのように就活を進めるのかということは,やはり学生の生の声を聴いてこそだと思います.
②情報・機会
先ほどの話と少しかぶりますが,関東の学生に比べて,地方の学生は就活に関する情報・機会が少ないと感じました.上記のように早めにインターンシップに参加して優秀な学生から情報を手に入れることのほかに,私がおすすめしたいのは「大学の就職課を利用する」ことです.
大学の就職課では,自分の大学のOB・OGのアドバイスを見ることができたり,面接対策をしてくれたりと,意外と手厚いサポートを受けることができます.よくわからないまま友達と合同説明会に行って情報収集した気になるぐらいなら,大学の就職課を利用するほうがかなり有意義であると思います.
しかし,「どこから得た情報であっても鵜呑みにしないこと」は意識してほしいです.情報源が少ないながらも,できるだけ多くの生の情報・機会を得て,正しく効率的に就活を進めてほしいと思います.
③交通
地方学生にとって交通面は大きなネックになります.新幹線や飛行機を利用すれば高くつきますし,夜行バスを利用すれば体力を消費してしまいます.お金,時間,体力などすべてを考慮したうえで移動手段を決めるしかないのですが,私個人としては「交通費を出してくれないようなイベントにはいかない」ことにしていました.
これは,交通費を出してくれるイベント=企業がそれだけ力を入れているイベントだという認識があったからです.例えば,インターンの面接から交通費を出してくれた某企業では,インターンに参加すると本選考における面接がたったの1回で済むという噂があり,実際1回の面接で内々定をいただきました.このように,企業が学生1人あたりにかけるお金が大きいイベントは採用にも結び付きやすいと思います.
ただしこれはあくまでも貧乏学生のバイアスがあるからこその意見だと思うので,参考程度にしていただきたいと思います.

次に,地方学生ならではのメリットを紹介したいと思います.就活に限定すれば,地方学生ならではのメリットは「話のネタに困らない」ことぐらいだと思います.
関西の大学に通う私は,関西弁や関西独自の文化,関西あるあるなど,その場での小話のネタに困ったことはほとんどありません.優秀な学生と知り合うためだけでなく,楽しんで就活を進めるためにも,地方ならではの話も活かしながら他の学生や社会人と積極的に会話をしましょう.
ちなみに私の場合は,京都でお酒を飲むならどこどこがおススメ,大阪なら~のように,お酒に関する話題が多かったです(笑).

私の周りに「関西に残りたい」という友達が多かったように,地方にそのまま残って働きたいという学生は少なからずいると思います.就活の軸が「その地方に残って働きたい」だけならそこまで企業選びで苦労することはないと思うのですが,それに加えて「大企業」などほかの軸が加わると一気に選択肢が狭まります.
例えば「関西から出ずに働きたい」「40代で年収1,000万円」という条件だと,大阪ガスや関西電力,オムロン,島津製作所など非常に選択肢が少なくなります(もちろん他の企業もあると思いますが).
それに,ほかの地域への転勤がある企業もあるため,大きい企業になればなるほど1つの地域にとどまることは難しいと思います.
勤務地にこだわる人は,さまざまな人から生の声を聴いて,転勤の可能性はどれぐらいなのか,転勤の頻度はどれぐらいなのか,転勤の範囲はどこまでなのか,などの詳しい情報も手に入れましょう.
関西および地方の学生は,関東の学生に比べて就活で苦労するかと思います.しかし正しい情報に基づいて行動すれば,地方にいても自分が行きたい企業から内定をもらうことができます.地方にいることに引け目を感じることなく,楽しんで就活を進めてほしいと思います.