通信技術の最前線で世界を変える! 村田製作所の電気系技術者が創造する社会インフラの未来

インタビュー

LabBase Media 編集部

通信技術の最前線で世界を変える! 村田製作所の電気系技術者が創造する社会インフラの未来

総合電子部品メーカーの村田製作所では、5Gなどの通信技術の先行開発が着々と進行中だ。電気系の専門性を活かして先行開発チームで活躍中の若手技術者は、開発の面白さを「自分の考えを製品に反映させられること」と語る。「村田製作所ならでは」の技術者の活躍や企業風土、社会貢献についてもあわせて話を聞いた。 株式会社村田製作所: 村田製作所は、セラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行う世界的な総合電子部品メーカーです。 独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献しています。

未来を見据えた通信技術の最前線



――お二人の所属部署はどんな業務を担っているのでしょうか。


荒井:私の所属部署は、モジュールの技術開発部隊です。回路や基板の設計・試作・評価を担当し、私はインフラ向けの高周波無線のアンテナモジュールを開発しています。


モジュールは機器の部品ですが、1個の小さな部品ではなく、複数の部品を組み合わせて1機能を持たせた大きな部品というイメージです。


佐藤:村田製作所は電子部品メーカーとして通信業界への貢献で知られていますが、私たちの部署では、数年先に事業部に必要とされるであろう領域の技術を先行開発しています。当部署の専門は、周波数がより高く5G領域などで使われ始めている「ミリ波」という分野です。


――通信の未来を創造していく最前線の開発現場ですね。入社以来、どんな業務に携わってきましたか?


荒井:2016年の入社以来ずっとモジュール開発に携わってきました。製品ごとにチームで設計から評価まで幅広い業務に関わります。


業務には「どんなモジュールを作るか」という製品コンセプトの検討もあります。お客さまの要望を踏まえ、盛り込む機能や開発手法などを全て一から自分で考えるので、各部品の知識や製造プロセスなど広範な知見が身に付きます。


村田製作所における開発の醍醐味は、お客さまから言われたことをやるだけでなく、自分の考えを製品に反映させて作れること。考え抜いて作ったものを届けているからこそ、お客さまが納得してくれたときの達成感は格別です。


佐藤:私は2001年の入社です。Bluetoothのモジュール開発から通信領域のキャリアをスタートし、無線LANなどを経て現在はミリ波に携わっています。Bluetoothの周波数は2.4GHz帯で、ミリ波は30GHz帯。たまたまですが、「社歴とともに、扱う製品の周波数が大きくなっていく」というキャリアを歩んでいます(笑)。


――技術者として、幅広い製品や担当業務に関われそうですね。


荒井:工場やお客さまなど多くの人と関わるので、自分の視野が広がります。多様な視点からの意見やアドバイスを受け、それを理解して取り入れることが自分の成長につながっています。


佐藤村田製作所だからこそ、さまざまなお客さまから高い期待を寄せられています。珍しい構造の機械を扱うお客さまのモジュール開発では、前例がないなかで試行錯誤してサンプルを作ることもしばしば。だからこそ、機能が成り立った瞬間の喜びは大きいです。私自身も、過去に携帯電話に入れる極小のモジュール開発を行ったときに、従来のデザインルールの範疇を超える設計仕様を提案し、可能な限りの小型化を実現したことがありました。


特に製品の初期段階では、既存の殻を破りながら発想豊かに開発し、「考え抜いて何かを生み出した瞬間」を味わうチャンスが多いですね。


入社して感じた、ものづくり企業の知見と発想力



――学生時代の専攻内容は、現在の業務でどのように活かされていますか?


荒井:大学では電磁界解析の効率化を研究していました。電磁波がどういう挙動をするかをシミュレーションすべく、電磁波の動きの関数や理論式をソフトに反映させるプログラミングを中心とした研究でした。この経験は、意外とモジュール開発や製造に役立っています。


無線通信関連の製品はシミュレーションを用いて設計を進めるため、電磁界解析が有用です。業務に使うソフトの特性や解析結果の妥当性を理解した上で、「ソフトをこう使えばうまく計算結果が出るはず」と先を読んで仕事を進められます。


――入社後に新たに習得した技術・知識にはどんなものがありますか?


荒井:研究ではソフトを扱っていた一方でハードには触れてこなかったので、入社してからものづくりのスキルを身に付けています。


例えば、製品の性能を左右する利用時の周囲温度や、落下や熱・静電気などさまざまな負荷に耐えうる信頼性なども、ものづくりの重要なポイントです。開発した製品が工場で形になるプロセスも、実践を通して学んできました。経験豊かな先輩たちにプロセスや構造の懸念点について意見をもらいながら、日々勉強しています。


ある製品の開発では、サンプル製造後に内部で割れが生じるという現象があり、製品特性にも影響することが分かりました。解決策を探る過程で周りの人に意見を求めると「当社のこういう技術を試してみたら?」といったアイデアがすぐに2〜3案提示され、結果的にそのうちの1案が最適解でした。課題解決のアイデアが次々と出てくるのは、メーカーとして長年積み重ねてきた知見があるからこそだと感じましたね。


――周りからのフィードバックをもらいながら成長できる環境があるのですね。佐藤さんから見て、技術者としての荒井さんはどのように映っていますか?


佐藤:物事の源流に立ち返ってロジカルに考え、若手だからといって臆することなく自らの言葉で見解を語れる技術者です。基本的にスマートだからこそ、失敗も成功も重ねて成長し続けてほしいですね。


先行開発の初期なら特に、最初からうまくいくことばかりではないので、試行錯誤は不可欠なんです。最大限に思考を巡らせることも大切な一方で、もし失敗しても1人ではなくチームで協力して改善すればいいと思います。いかにスピーディーに情報を共有し、周りを巻き込みながら改善できるか、失敗はその手法を学ぶチャンスです。


幸い当社は知らないことを有識者に尋ねやすい社風で、経験豊富な人ほど周りにフィードバックをするので、助け合いながら業務を進められます。


荒井:入社後、まだ質問をためらっていた頃は、OJT担当の先輩社員のフランクさに本当に助けられました。分からないことを尋ねると「それならあの人が詳しいよ」と教えてくれるので、自ら他部署に聞きに行く姿勢も身に付きました。他部署でも「どの部分で困っているの?」と丁寧に対応してくれたことが印象的でした。


「村田製作所だからできること」を追求して社会貢献



――仕事でやりがいや自身の成長を感じるのはどんなときでしょうか。


荒井:自分が設計したものが想定通りに機能すると、一安心すると同時に、アイデアが実現できたことに充実感をおぼえます。また、機能や設計のアイデアをお客さまに話して共感してもらえたときには、考え抜いたことが報われたと感じますね。


大きく成長したのは、「誰が必要な知見を持っているか」を自分で判断できるようになった点です。この課題は工場と話し合うべき、この話はお客さまに伝えてフィードバックをもらうべき、といったように状況や相手に応じてコミュニケーション方法を工夫しながら、考えを発信できるようになりました。


コミュニケーション面での成長は、入社当時の課長の影響が大きいと思います。作った資料を見せると「その方法だと伝わりにくいのでは?」「伝えたい相手は誰?」「どこがポイント?」など具体的に指摘してくれたんです。おかげで、相手の立場や知識量を想定し、理解されやすい伝え方を意識するようになりました。


――今後、どんなふうに成長していきたいですか?


荒井:通信網の拡大に欠かせない基地局で使われる製品の開発を含め、今後もインフラなどを通じて社会に貢献する製品を作っていきたいです。新しい製品には新しい技術が必要なので、常に新技術に触れ、それをどう世の中で活かせるかを考えながら開発を続けていきたいですね。


その中で、知識と経験を自分の糧にしていくことがポイントだと考えています。蓄積したものを土台に視野を広げ、活躍の場を広げていくことができれば理想です。


佐藤:私たちの先行開発の本質は、「村田製作所だからできること」を通じた社会貢献のために、新しいものを生み出していくことです。荒井のような頼りになる技術者とともに、世の中を変える製品を作って通信の未来に貢献していきたいですね。


「私たちの仕事には世界を変えるポテンシャルがある」



――部署としての今後の展望を伺えますか?


佐藤:村田製作所は、技術をベースとして文化の発展に貢献することを標榜(ひょうぼう)しています。私たちの技術を使って、世界を変えていけるポテンシャルはいろいろなところにあるんです。


通信業界も、スマートフォンを使った通信・通話から発展して、社会インフラにも高速通信が活用される時代に差し掛かっています。国、地球、宇宙、どんな規模まで及ぶか未知数ですが、壮大なイメージを思い描き「社会を便利にする」「世界を変えていく」ことを考えながら、目に見えるアウトプットを提示していきたいです。


――自分の専門性を活かして働きたいと考える理系学生に、メッセージをお願いします。


荒井自分の考えをしっかり持って発信でき、なおかつ相手の意見も丁寧に聞ける技術者が当社で活躍しています。学会での研究発表や趣味の活動の場などで、自分の考えを自分の言葉で発信し、フィードバックを受け取る機会をたくさん作っていってください。そうすることで、相互性のあるコミュニケーションの力を伸ばせると思います。


佐藤専門性や理想を持って活躍している人は、明るく前向きで、難しい状況でも逃げずにやりきる人でもあります。やりきる力は、仕事でもプライベートでも役立つスキル。勉強やアルバイトなど、学生時代にしかできないことを大いに楽しみながら、しっかりやりきる力を培ってほしいと思います。


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編集後記


メーカーとして確かな歴史と信頼を持つ村田製作所は、電気系の専門性を活かした働き方を望む人にとって、活躍のステージがあることが分かった。クライアントからの厚い信頼をベースに、技術力で社会に貢献できるポテンシャルも見逃せない。自律的に思考し、チームで成功を目指す一流の技術者として、同社で成長しながらキャリアをつくってみてはいかがだろうか。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年8月公開)

ライター
水田 真梨
カメラマン
千々和 恵
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企業情報

株式会社村田製作所

株式会社村田製作所

村田製作所は、セラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行う世界的な総合電子部品メーカーです。テレビ、PC、スマートフォンなど、村田製作所の電子部品は身の回りのあらゆる電子機器に使われており、私たちの活躍の場は、まさに「電気が使われる部分なら、どこでも」と言えます。 良い機器は良い電子部品から、良い電子部品は良い材料から作られます。だからこそ村田製作所では、材料から製品までの垂直統合型の一貫生産体制を構築し、材料技術、工程技術、生産技術、商品設計技術、分析・評価技術に至るまで、自社内で独自開発しております。すべての「モノづくり」の起点であり、原料の本来持つ特性を最大限に引き出す材料開発。世界トップレベルの革新的な「価値」を創造する商品開発。製品の性能と品質を追求し、唯一無二の設備を生み出し続ける生産技術。これら「モノづくり」の多彩なフィールドで活躍するのは、最先端の技術を駆使する、超一流のプロフェッショナルたちです。電子部品の進化は、世界を変える。その原動力は、村田製作所のエンジニアの知恵と情熱です。 そんな村田製作所の存在意義は「文化の発展に貢献する」こと。この社是は、村田製作所の創業当時から受け継がれています。すべての社員が同じ想いを持って、同じ方向を向いて役割を全うし、世の中の文化の発展に貢献していく。これまでも、そしてこれからも変わらず、同じ使命を胸に歩み続けていきます。 売上高 連結:1兆6,401億5,800万円(2024年3月期) 個別:1兆697億6,300万円(2024年3月期) 資本金  694億44百万円 (2023年3月31日現在) 営業利益  2,154億円 営業利益率 13.1%