理系人財が活躍中。化学系専門商社・長瀬産業の新卒採用担当者に聞く、職場環境とその魅力

インタビュー

LabBase Media 編集部

理系人財が活躍中。化学系専門商社・長瀬産業の新卒採用担当者に聞く、職場環境とその魅力

商社の総合職は、人気の職種でいまだに文系のイメージが強い。しかし長瀬産業は、専門商社ながら営業職の約5割が理系出身者で、理系人財の採用にも力を入れている。現在、同社はテレワークや時差通勤など社員が働きやすい環境整備にも注力。本記事では、採用担当を務める五島氏に、多様性を尊重する理由と専門性を活かせる環境で働く醍醐味について伺った。 長瀬産業株式会社: 長瀬産業は化学系No.1の独立系専門商社です。目まぐるしく進化する化学というフィールドの中で、商社機能と製造・研究開発機能、それに最先端の情報を組み合わせて世界を舞台に創造的なビジネス構築に挑戦しています。

理系のバックグラウンドを活かして、働ける環境と感じた



――大学院での研究内容について教えてください。


大学院では、バラの新品種の作出に取り組んでいました。香水の原料に用いられるのは、春にだけ咲く香りの良い品種のバラで、収穫量が限定されています。ゲノム編集という技術を活用し、そのバラが一年中咲くように品種改良する研究をしていました。また、事業戦略や知的財産戦略などの講義を通じて、「研究テーマをどのように事業化していくか」についても学びました。


――そのまま、研究者としての道へは進まなかったのでしょうか。


大学院での学びを通して、「技術を開発する側ではなく広める側として貢献したい」と感じ、博士過程へ進学せず就職をすることにしました。


就職活動をはじめた当初は、化学メーカーの研究職・技術職を見ていましたね。ただ、「大学院まで出たから研究職と考えるのは、将来の可能性を狭めているのではないか」と疑問をもち、さまざまな業界を見るようにしました。また、研究を行う中で、世に知られていない優れた技術が多くある一方、それらがさまざまな理由で実用化されず埋もれてしまっていることを知り、とてももったいないと感じていました。


そこで、バックグラウンドを活かすことができ、かつ世の中に最先端技術を広める仕事ができそうな化学や繊維領域の専門商社に絞り、就職活動を行いました。


――数ある専門商社のなかから、なぜ長瀬産業を選んだのですか?


長瀬産業の事業領域やビジョン、そして人に魅力を感じたからです。就職活動中、長瀬産業の説明を伺う中で、「世の中に知られていない技術や商材を見つけ出し、ビジネスとして広めていく」ということを日々行っていると知り、この会社であれば、私のやりたかったことが実現できると感じました。


また、「NAGASEバイオテック室」を設置したり「ナガセバイオイノベーションセンター」のような研究施設も備え、バイオ領域に注力しているという点も、自分の知識や知見を活かせるチャンスだと思ったんです。


さらに、入社前にお話しした女性中堅社員の様子から、穏やかながらも情熱的に仕事に取り組む姿勢や、経営理念である「誠実に正道を歩む」を体現していることが伝わってきて。「こんな女性になりたい、こんな方々と働きたい」と強く惹かれ、入社を決めました。


「会社の顔」も任せるほど、 若手の挑戦・成長を全社で後押し



――まず、商社になじみの薄い理系学生に向けて、どんな業界なのか簡単に説明していただけますか?


一言でいえば、世の中の困りごとを解決する産業です。ある製品を売りたい会社と買いたい会社を仲介し、それぞれの事業が円滑に進むよう支援しています。特に専門商社は、化学・鉄鋼・繊維など、理系学生にも親和性のある領域の商材を扱う企業も少なくありません。


――現在の担当業務を教えてください。


人事総務部で、新卒採用とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進を担当しています。具体的には、会社説明会の運営やインターンシップの企画・運営、採用面接などの新卒採用業務を行っています。D&I推進では「多様な社員が働きやすい環境づくり」を目指しています。当社は「2025年までに女性管理職比率6%以上」などの指標及び目標を掲げており、その達成に向けた施策の検討・実行をしています。


――配属はどのように決まったのでしょうか?


配属面談があり、そのときに話した希望や適性を踏まえ決まります。またその後のキャリアとしてジョブローテーション制度のようなものはないのですが、FAや公募など自ら手を挙げ異動する制度を使い、自分の歩みたいキャリアを実現できます。


営業職を希望していたので、人事総務部へ配属されたときは驚きましたね。しかし、いまでは会社全体を俯瞰できる人事の仕事を、新人から経験できるのはよかったと思っています。「この部署の事業は面白そうだな、いつか携わりたいな」と広い視野で物事を見られたり、会社が目指す方向性をいち早く間近で感じ取ったりできるからです。最初から、営業職に就いていたら自分の担当商材には詳しくなれても、いまのような広い視野を入社1年目でもつことは難しかったのではないかと思います。


――五島さんから見た長瀬産業の風土を教えてください。


若手の挑戦・成長を後押ししてくれる風土があります。現在私が担当する採用業務も、入社5年以内の若手3名で進めています。「会社の顔」となる重要な役割を「入社数年目の若手に任せてくれるんだ」と驚きましたね。


社内には幅広い年代の方がいるのですが、皆さん若手の意見にも耳を傾けつつ、的確なフィードバックをくださいます。近年は女性の採用に力を入れていることもあり、総合職には女性の若手も多いです。


――入社後、業務に必要なスキルを習得するための研修制度などはありますか?


年次や職種ごとに階層別研修があります。最近では自己学習を推進する為、「選択型研修」として自ら手を挙げ資格取得や能力向上に励む研修や、「セルフイノベーションチャレンジ」としてIT/DX、経理、語学などの資格習得にチャレンジする研修があります。この研修は「自社グループが強くなる為に必要と考えられる知識を一緒に勉強し、一緒に成長しよう」というコンセプトで、グループ学習の要素を入れて受講者同士高め合いながら学びを行っています。


また、各部署で自主的に勉強会を開いたり、現場でお客さまに教わったりと、入社後も知識の習得に意欲的な人が多いです。


女性でも働きやすく、「時代の最先端」を追求できる職場環境



――一般的に、文系のイメージの強い営業職ですが、長瀬産業では理系人財が活躍しています。その活躍の理由である「理系ならではの強み」を教えてください。


自分の専門領域と重なる部署に配属されるとは限りませんが、理系の素養があるだけで担当商材に関する知識を吸収する力は文系の方と比べて高いといえるでしょう。さらに、そこに大学で培った専門知識を掛け合わせることで、新たなビジネスを生み出すこともできるかもしれません。


研究も仕事も、仮説検証の繰り返しという共通点があります。正確に情報収集することや、分かりやすく物事を伝えるプレゼン能力など、研究で培った能力は仕事にも活かせます。当社の営業職の5割が理系出身なので、共通点も多く話しやすく、各自が強みとする専門分野を教え合うことができて働きやすいです。


――長瀬産業で営業職を目指す理系学生に向けて、仕事の醍醐味をお話しいただけますか?


自分の頑張りに応じて、できることが増えるのが長瀬産業で働く醍醐味ですね。生成系AIなど、この数年でさまざまな技術が登場しています。最先端の技術や商材に関わることができ、さらに、まだ知られていない商材を見つけ出し、研究機関などと連携して市場開拓や新規事業創出を主導するチャンスも得られます。


――御社では、社員のライフスタイルの変化に合わせて、柔軟な働き方を用意していると聞きました。


妊娠中、産休中ともに社員への手厚い待遇が特徴です。実際に、当社の女性社員の多くが産休・育休を取得し、男性も約6割が育休を取得しています。


また、カジュアルな服装での勤務もOKとする「ドレスコードフリー」や、座席を決めない「フリーアドレス」の導入、週3回まで在宅で働けるテレワーク制度など、女性だけでなくさまざまな方が働きやすい環境となっています。


――特に、女性社員が能力を発揮できるための取り組み事例などがあれば教えてください。


働きやすい環境づくりのため、全女性総合職を対象に、女性取締役と対話するタウンミーティングを実施しました。日頃の悩みやキャリアなどのトピックについて話すことで、女性総合職社員のエンゲージメント向上、キャリアデザイン・働き方への意識改革などに繋げています。


190年の歴史と信頼を誇る長瀬産業で、最先端のものづくりを追求しよう



――長瀬産業の強みや今後の注力分野を教えてください。


強みは二つあります。一つ目は、化学系NO.1の独立系専門商社として、190年の歴史に裏打ちされた信頼があること。これまでに何度も「長瀬産業なら」とお客さまにお任せいただくことで新規事業を生み出してきました。


二つ目は、商社でありながらメーカー機能も持っていること。製造加工や研究開発の機能を備えているため、より深く技術やものづくりに携わることができます。


今後の注力分野は、市場規模の拡大が見込まれるバイオや半導体分野です。酵素や食品添加剤など食品関連商材の輸出入にも注力していく予定で、数年前にアメリカにある会社を買収しました。


――世界中に約110のグループ会社を有しています。海外とも日常的にやりとりする機会があるのでしょうか?


メールや会議で英語を使う場面は多いですね。さまざまな国に取引先があるので、部署や担当製品によっては英語以外の言語を活かせる機会も多くあります。中国語が得意な同期は、入社1年目で中国のお客さまを担当していますし、ほかにもアメリカや台湾へ海外出張を経験した同期もいます。


――そんな長瀬産業が求める人物像を教えてください。


同質性の高い集団では変革は起きづらいと考え、あえて当社は「求める人物像」を定めていません。


強いていえば、「人との関わりが苦にならないこと」は求められるパーソナリティかなと思います。どんな職種でも、円滑に業務を進めるには人とのコミュニケーションが不可欠です。人と関わることが好きで、「最先端技術」「ものづくり」「0からのビジネス立ち上げ」といったキーワードに魅力を感じる方からの応募をお待ちしています。


――読者の学生へのメッセージをお願いします。


この記事を読んで、「研究・技術職以外の理系人財の働き方」を知り、商社を就職先の候補に入れてもらえたらうれしいですね。自分のやりたいことや将来の理想像を考えながら、いろいろな業界・企業を見て、たくさんの人の話を聞いたうえで長瀬産業を選んでいただければ幸いです。


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編集後記


入社1年目で大きな裁量を任され、日々の業務を心から楽しんでいることが伝わってくるインタビューだった。テレワークや産休・育休の制度も整っている長瀬産業は、自分の手でキャリアを切り拓いていきたい理系学生にとって最適な職場となるだろう。五島さんのお話の通り、「最先端技術」「ものづくり」「新規ビジネスの立ち上げ」に関心のある人は、ぜひ候補に加えてみてはどうだろうか。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年12月公開)


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ライター
三輪 愛
カメラマン
児玉 聡
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企業情報

長瀬産業株式会社

長瀬産業株式会社

~化学系No.1の独立系専門商社~ ◎研究職とは違う、世界を舞台に技術や素材を世の中に拡げる商社パーソンとしての働き方 ◆次世代のビジネスをデザインする化学系商社 「化学に可能性を見出し、それらをカタチにしていく」 それは、現代のモノづくりを支え、未来のモノづくりに寄与する壮大なビジネス。 長瀬産業は「化学×商社」という立場を活かし、常に新たなビジネスをデザインしています。 ◆「技術」と「商人」の2軸を追求できる 未来に必要とされる技術を見つけ、育み、拡げていく・・・ 目まぐるしく進化する化学というフィールドで、新しい価値を生み出すことを求められています。 長瀬産業は商社・研究・投資・物流・海外・製造の6つの機能を高い次元で融合させ、 商社の基本機能であるトレーディングの枠を超えた幅広いビジネスを、世界中のあらゆる領域で展開。 取引先は国内外で18,000社に及びます。