入社の決め手は「形に残るシステム」「社会に無くてはならぬ土台」を作れること
──お二人とも理系出身ですが、就職活動時の企業選びでは、なぜSIerを選んだのでしょうか。
最上:大学院では統計やデータ分析を研究していましたが、さまざまな企業について調べる中で「ものづくりに関わりたい」と思うようになりました。SIerは、無形ではあるものの、多くの人の役に立つシステムを作ることができるので、自身の仕事が社会に貢献していることが手に取るように実感できるのではないかと考え、BIPROGYへの入社を決めました。

広瀬:システムエンジニアには「縁の下の力持ち」というイメージがもともとありました。社会に「無くてはならない土台」を作る仕事だからです。さらに、チームで活動することが学生時代から好きだったので、チームで何かを作り上げる仕事がしたいとも思っていました。
数あるSIer企業の中からBIPROGYを選んだのは、システムを通じて社会課題を解決するというメッセージに共感したことと、独立系SIerだからこそ幅広い業界に関われるのではないかと考えたことが理由です。
──現在、どのようなプロジェクトに携わっているのでしょうか。
最上:大手郵便・金融関連会社が使用しているシステムの基盤更改プロジェクトで、業務アプリケーションチームのリーダーを務めています。オンプレミスからクラウドへの移行を実施するとともに、古くなったフレームワークのバージョンアップにも取り組む案件で、全体では30~40人が関わる、2年弱をかけて行うプロジェクトです。お客様の拠点は全国1万以上にもおよび、それらを繋ぐ重要なシステムとなるので、大きな社会的意義と責任を伴う仕事です。
広瀬:私は大手航空会社の旅行予約システムの保守・開発をしています。ちょうど今、旅行予約システムの検索部分のシステムがEOS(編注:End of Support=製品やシステムのサポートや提供が終了する時期)を迎えているため、別のシステムに移行するプロジェクト内のチームリーダーとして、作業に必要なタスクをWBS(編注:Work Breakdown Structure=作業分解構成図)として作成し、作業進捗を管理しながら進めています。
このプロジェクトが進めば、航空券や旅程表、旅行先で使えるクーポンなどをわざわざ紙で印刷する手間が無くなるので、ペーパーレス化を推進する近年のDX施策に、自分が貢献しているのだと実感しています。

理系の論理的思考力を活かし成長機会をつかむ
──理系出身者として、どのような仕事をした時に、自身の成長を感じますか?
最上:システムに障害が起こったとき、ソースコードを見たり、状況を整理したりしながら、「これは何が原因で起こったのか」と論理的に考えていくのですが、入社したばかりの頃は全く見当がつきませんでした。しかし、経験を重ねるうちに、エラーログを見るだけで「大体この辺かな」と、当たりを付けられるようになりました。過去の経験をもとに判断する能力が身についたのだと、まさに成長を実感しましたね。
広瀬:私は、小さな開発案件のリーダーを担当したときです。お客様とシステムの細部についてやり取りを重ねていると、次から次へと新しい質問や調整事項が出てきます。お客様にご納得いただきながら仕事を進めるためには、システムの専門的な知識を持たないお客様でもイメージが湧くよう分かりやすく噛み砕いて説明しなければなりません。さらに、お客様の要望を正確に把握し、チームメンバーに「このような形にしてください」と的確に伝えるのもリーダーの役割です。その一連のプロセスは根気と丁寧さが必要で、最初は上司のサポートに頼っていましたが、入社4〜5年目にはサポート無しでも完遂できるようになりました。そうしたタスクを理系出身の下地を活かした論理的思考のアプローチでこなせるようになった自分は「成長したんだな」と思いましたね。

──学生時代の経験は、今の仕事に活きていますか?
広瀬:部活でUltimate (アルティメット=7人制で行うフライングディスクを使ったチームスポーツ)をやっていたのですが、「人の意見を汲み取る」ことを日常的に行なっていました。それが今の仕事に活きているかもしれません。自分ができなくても、それを得意とする人がたくさんいて、そうした人たちと協力しながら、一つの目標に向かっていくというのは今の仕事の仕方と共通します。そうしたことが、私はもともと好きなんです。
最上:学生時代よりもスピーディーにやらなきゃいけない、責任が重いという社会人ならではのプレッシャーはありますが、業務改善などは明確な期限がないこともあり、学生時代の研究と同じような感覚でできることもあります。目標に向かって何かを達成しようという感覚は、学生時代に培われたものであり、それは今の仕事に確実に活きていますね。
BIPROGYの強みである「ベンダーフリー」「ワンストップサポート」
──エンジニアとしてお客様の案件に関わる中で、どのような面でBIPROGYの強み・特徴を感じますか?
最上:ベンダーフリーであることですね。例えば、クラウドサービスを新しく作る際には、ベンダーの制限なく最適なシステムをエンジニア目線で選べます。つまり、お客様が求めるものに最大限応えられるということです。それに加えて、費用の交渉においても、お客様の要求に応える提案である点を合わせてご説明できるので、お客様は納得して発注してくださいます。最初からお客様には納得感を持って判断いただけていると感じ、そのような提案を通じて信頼を寄せていただいていることで、その後の仕事も非常にやりやすいと感じています。
広瀬:社会インフラやミッションクリティカルなシステムを長年手掛けて培ってきた実装力とやりぬく力ですね。それが現れている取り組みの一つがワンストップサポートです。
当社では一人の担当者が開発から保守までを一貫して担当させていただくことも多いのですが、開発過程を理解していることが、保守をする上で大きな助けになることは事実だと思います。事情があって、たまに途中から参加する時もあるのですが、そうした時は経緯が分からず、キャッチアップに苦労することもあります。
そして、一度担当したらずっとそのお客様と関わりを持つことも当社の特徴です。現在担当している大手の航空会社様ともそうした長い付き合いがあり、そのつながりを背景に新しい案件を頂けることもあります。仕事の基本である「人と人との繋がり」づくりにワンストップサポートは役立っており、お客様との日々のコミュニケーションで信頼関係を築いて、中長期的な目線で総合的にサポートできること、それが当社の強みだと思います。

選べる働き方と豊富なキャリア支援
──社会インフラを支える仕事は大変忙しそうです。どのようなワークスタイルなのでしょうか。働きやすい職場ですか?
広瀬:働き方の自由度はかなり高いと思います。プロジェクトの状況によっては難しい場合もありますが、希望者は上司の許可をもらった上でテレワークも可能で、「こんにちは」と挨拶した同僚が、気づけば半年ぶりの再会だったこともあります。ただ、オンラインでもチームや部署のメンバーとコミュニケーションを深めるための取り組みはあり、その一つとして1on1のミーティングは上司と2週間に1回くらいのペースで実施しています。悩みがなければ雑談して終わることもありますが、上司との関係構築にとても役立っていると思います。
──女性としては育休も気になるところではないでしょうか?
広瀬:部署の女性の先輩2人が最近取得しましたが、ウェルカムな雰囲気ですね。男性社員でも育休を取っている人はたくさんいます。最上さんの部署ではどうですか?
最上:前の部署では、男性で1年取った人もいました。
広瀬:1年ですか、それはすごいですね!
最上:復帰した後もフレックスタイム制度や短時間勤務制度を活用して「子どもを迎えに行かなきゃ」と17時には退社して、あとは育児の合間に家で仕事をする人もいます。自分の生活に合わせた働き方を上司と相談し、可能な範囲で選ばせてくれるのはいいですね。

──研修制度やキャリアパスについてはいかがですか?
最上:新人研修は数か月間にわたって行われます。ある程度の知識を得た上で現場に配属されるので、最初は専門知識がなくても大丈夫です。配属後も、全員を対象にしたフォローアップ研修のほか、それぞれの目指したいキャリアに必要なスキル、関心のある分野・習得したい資格に応じて、希望の研修を受けることが可能です。
私も、プロジェクトマネジメント(PM)の研修を受けたことがあります。当時は正直「へえ」という程度の感想でしたが、のちのち自分がPMになったときに「そういえばこんなことを学んだな」と振り返ることができたので、とても役に立ったと感じています。
広瀬:私が特に印象に残っているのは、プロジェクトが遅延している理由を分析するケーススタディの研修です。まだ遅延を実体験したことはないですが、研修を通じて疑似体験ができたのは良かったです。今のプロジェクトでも、余裕を持ったスケジュールを作るのに役立ちました。
キャリアパスとしては、別の業種のお客様を担当するケース、例えば金融部門から公共部門へ異動したり、SEから営業や企画など別の職種にシフトしたりするケースもあります。様々なビジネスを行っている当社だからこそのキャリアパスの豊富さは、将来に対する安心材料の一つだと感じています。
理系学生が社会に出て活躍するためのアドバイス
──社会に出たら日々の業務で忙しくなることも多いと思います。理系の学生に向けて、今のうちにやっておくといいこと等アドバイスはありますか?
最上:社会人としての幅を広げるためにも「いまのうちに遊んでおくといいですよ」と言いたいですね(笑)。あとは、ChatGPTなどの生成AIを遊び尽くして、使いこなせるようになっておくと、入社したときにアドバンテージとなるかもしれません。その他にも、学生時代に真剣に学んだことや、取り組んだことは、どんな仕事にも役立ちます。それは理系の研究に限りません。当社には文系出身のSEも結構いますが、その方たちも「学生時代に学んだり、経験したことがプラスになっている」と話しています。
広瀬:私も最上さんと近いのですが、「学生生活を楽しんでほしい」と言いたいです。特にチームで何かをすることは、社会人になってからもとても役に立ちます。
あとは、疑問を持つ力、具体的には「分からないことを自ら調べて自身のものにしようとする力」が重要です。特にSEという仕事は、毎日のように分からないことが出てきます。私はその都度、徹底的に調べます。日々、学び続ける姿勢が大切な仕事なのです。
なお、先ほど最上さんが、研修が充実しているから最初は専門知識がなくても大丈夫とおっしゃいましたが、理系学生が研究で身につけた専門知識はやはり有利です。数カ月の研修で0から1を学ぶか、1から1.5を学ぶかでは、成果がだいぶ違ってきます。そうした点でも、理系の学生として学んだことは役に立つと思います。

──最後に、どのような方と一緒に仕事がしたいですか?
最上:「やる気がある人」ですね。どんなことでも全力で取り組むのはもちろん、その姿勢や熱意もしっかり見せてもらえると嬉しいです。あとは、チームとして動くので、ちゃんと「周りと調整しながら進められる人」です。そういう人は、どこの部署でも重宝されます。
広瀬:私も「チームの一員として動いてくれる人」と一緒に仕事がしたいです。1人では見えてこない視点も、話しているうちに出てくることがよくあります。お互いに高め合っていける、「人と関わりながら一緒にやっていきたい」という気持ちがある人と、ぜひ仕事をご一緒したいです。
編集後記
取材を通して印象的だったのは、両名が共通して「チーム」の重要性を強調していたことだ。理系のキャリアというと、個人の専門性や技術力にフォーカスされがちだが、実際の現場では論理的思考力をベースにしながら、いかにチームメンバーやお客様とコミュニケーションを取り、課題を解決していくかが問われる。
最上さんの「形に残るシステムを作りたい」という言葉や、広瀬さんの「縁の下の力持ち」という表現からは、社会インフラを支えることへの誇りと使命感が感じられた。理系の知識を活かしながら、人と協働し、お客様と一緒に大規模なフィールドで新しいビジネスや技術に挑戦することで長期的に成長できる環境。BIPROGYには、理系人財が輝けるステージが用意されている。
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