東京工業大学大学院 情報系研究室
S.Oさん
大学での研究内容:社会現象の発信源特定
内定先:日系大手コンサルティング会社
就活全体スケジュール
- B3・9月:院進を念頭におきつつも、自動車部品メーカーでインターン
- M1・5月:東工大生限定説明会に参加し始める。学外のコンサル志望の友人との会話をきっかけに、コンサル職に興味を持つ。アクチュアリーにも関心あり。
- M1夏:5社(日本総研、経産省、三菱UFJモルガン・スタンレー、あいおいニッセイ同和損保、第一生命)でインターンを経験し、志望軸をコンサルに絞り込む。
- M1秋以降:外資系コンサルティング企業の本選考スタート
- 12月:デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー内定
- 1月:第一志望の大手コンサルティング会社の冬インターンに参加
- 2月:アクセンチュア内定。アクセンチュアをキープしつつ、大手コンサルティング会社の部長面接、部長面接の合格者向け人事とのお茶会に参加。
- 3月:同役員面接
- 3月末:大手コンサルティング会社に内定。入社を決定。
問題解決のプロセスこそおもしろい
―大学院ではどのような研究をされているのですか?
噂やトレンドなどの社会現象、感染症など、人を介して広がるあらゆるものの発信源を推定する研究をしています。現代社会のデータと比較した推定成功率の実証まではできていないのですが、人とのつながり方をグラフ化することで、一般化して発信源を推定しています。
―学部時代は別の研究テーマに取り組まれていたんですよね。院でのテーマ変更の背景について教えてください。
学部時代はディープラーニングでストレス推定に挑戦するという研究をしていました。プログラミングが苦手ということもあるのですが、ディープラーニングはブラックボックスであることが多く、物足りなさを感じてしまって。プログラムを理解し、目的に合わせて書き換え、実装を繰り返すことが多く、なぜその結果が出力されたのかの考察は重要視されません。しかし、私はその考察こそが重要なのではないかと思ったのです。そこで大学院では数式の意味を掘り下げて考えられる研究をしたいと考え、情報理論系の研究室を選択しました。

友人との会話からコンサルに興味を持つ
―就活を始めたのはいつ頃からですか?
学部時代に院進を念頭に置きつつも、自動車部品メーカーでインターンをしました。インターン生3人で同じ部署に配属されたのですが、各自課題を割り振られるものでした。正直、社会勉強のつもりで参加したインターンでしたが、就活のスケジュール感がわかって、院での過ごし方もイメージがついたことはよかったですね。インターン仲間の人脈ができたことも大きな収穫でした。
―本格的な就活を始めたのはいつですか?
M1の5月頃に東工大生限定説明会の案内が来て、説明会に行き始めたのが最初です。研究室の同期2人は、学校推薦の枠も多くあるからか、まだあまり説明会に参加する気持ちがなかったようなので、大体一人で参加していましたね。
―コンサルティング職に興味をもったきっかけについて教えてください。
学部時代の友人や高校時代の友人がコンサル志望で、いろいろと話をするうちに、コンサルに興味をもつようになりました。
というのも、ある時、友人から急にコンサルのケース面接の問題を出されたんです。「読売新聞の売上を上げるためにはどうしたらいいか?」って。「無料配布でもすればいいんじゃない」と答えたら、そんな単純な問題ではないと言われてしまいました(笑)。いろいろと分解して考える方法などを教えてもらったのですが、それが鮮やかで魅了されましたね。そんな風に理論立てて考えて、ビジネスに応用するコンサルという仕事はとてもおもしろいと思いました。
コンサルトとアクチュアリーに志望を絞る
―コンサルに興味を持ってからは、具体的にどのような行動をしましたか?
まずは、企業を調べまくりました。さすがにマッキンゼーは知っていましたが、ローランドベルガーやベイン、ボスコンなどの外資系戦略系は名前すら聞いたことがなかったんです(笑)。戦略系BIG3(マッキンゼー、BCG、ベイン)はもちろん、世界4大監査法人グループ「BIG4」内の会計系コンサル、そしてもちろん日系コンサルティング企業についても調べて、夏インターンもいろいろ応募しました。とはいえ、まだまだ対策が足りていなかったため、日系1社しかインターンは通りませんでしたね。企業研究に並行して、ケース面接の本で対策も積んでいました。
―コンサル以外で興味を持った職種はありますか?
もともと、数学科への進学を考えていたこともあり、アクチュアリーにも興味がありました。数学が活かせる職業だと友人から聞いたことがあったので、選択肢の一つとして考えていました。

M1夏休みはインターン5社!
―M1の夏休みは、インターンに参加されたんですよね。
はい。コンサルで唯一受かった日本総研のほか、経産省、三菱UFJモルガン・スタンレー、あいおいニッセイ同和損保、第一生命の合計5社のインターンに参加しました。教授がインターンに理解のある方で有り難かったです。
―5社とは積極的ですね。日本総研ではどのような課題が出たのですか?
金融系システムを作るという課題に5人1組のチームで取り組みました。ただし、そのシステムを展開させる国かシステムの機能か、その組み合わせか、3つのどれかを優先させるという制限があったんです。みんなで課題を考えて、プレゼンして、質疑応答を行うという流れがおもしろかったですね。自分では思い浮かばないアイデアが他の人の意見を聞くことで生まれるなど、チームで課題に取り組むおもしろさを実感しました。研究室では、チームというより先生と1対1でFBいただくという側面が強いためか、新鮮に感じましたね。
インターンを経験し、希望はコンサル1本に
―コンサル職以外のインターンも4社参加されました。各社の印象について教えてください。
三菱UFJモルガン・スタンレーでは、投資銀行の実態に圧倒されましたね。ワークショップでは、どことM&Aをするかをテーマにディスカッションした後、各自エクセルで企業価値算定をしました。ディスカッションは少なめで、企業価値算定ワークが多かったため、少し物足りなさを感じたというのが正直な感想です。
あと、社員のパワフルさには圧倒されました。多分、寝ていないのに元気だし、前日に飲んでオールをしても、翌日はしっかり朝から仕事をするみたいな(笑)。コンサルも激務ですが、投資銀行はそれ以上の激務で、私にはついていくのは難しいと率直に思いました。
―あいおいニッセイ同和損保、第一生命についても教えてください。コンサルと並行して興味を持っていたアクチュアリー業務を体感できましたか?
アクチュアリーは数学が抜群にできる頭のキレる方がとても多く、そこでは勝てないと思いました。難しい数学の考え方をわかりやすく、アクチュアリー職以外の人に伝えるというプレゼンはおもしろいと感じましたが、アクチュアリーに必要な数学をすべて習得するのは私には厳しいと感じました。
―企業だけでなく、経産省インターンにも参加されましたね。
はい。経産省インターンはすごくおもしろかったです。官僚って上下関係が強いイメージでしたが、若手はとてもアグレッシブで、自らどんどん発信していく姿勢がすごいと思いました。日本のために本当にいいと思うことは、何を言われてもやっていこうという、熱い想いが伝わってきました。
―5社のインターンでさまざまな経験をされました。それを踏まえて、ご自身の志望軸に変化はありましたか?
秋以降の本採用では、コンサルだけを見ていこうと決めました。日本総研でのディスカッション、プレゼンにすごくやりがいを感じたことが大きかったです。コンサルティング職のリサーチや分析ももちろん、やりがいを感じますが、私は顧客へ説得力高く伝えるプレゼンに特に魅力を感じました。とはいえ、コンサルでは若手は資料作成のみで、プレゼンはできないことも多いと聞いたため、若手からある程度の裁量を与えてもらえるコンサル企業がいいなという思いを強くしました。

いよいよ本選考がスタート、2社から順調に内定が
―秋以降の活動について具体的に教えてください。
就活7、研究3ぐらいの生活でした。研究室にはあまり行けていなかったのですが、隙間時間を使って研究をしていました。幸い私の研究テーマは、実験のために学校に行かなければできない研究ではなく、パソコンとノートとペン、論文があればできるので、自宅や面接の隙間時間を活用してカフェなどで取り組みました。
―コンサルティング職では、まず大手外資の本選考から始まりますよね。
はい、10月から始まりました。3大戦略系ファームMBBは1社のみ書類が通りました。四大会計事務所「BIG4」もすべて受けました。また、対策を通して外資系戦略ファームは私には厳しいと実感したため、会計系と総合系に照準を絞りました。
―会計系、総合系と3社から内定を獲得されました。
12月にデロイトのファイナンシャルアドバイザリーの内定をいただきました。ES、SPI、1~3次面接というプロセスでした。その後、翌年2月にアクセンチュアの内定が出ました。10月のエントリーから面接3回で決定したのですが、面接の間が結構長かったですね。アクセンチュアを受けている際に、以前から興味のあった大手コンサルティング会社の冬インターンに参加できることにもなりました。1月に5日間の日程だったのですが、これがすごく楽しくて本命企業となりました。アクセンチュアの選考と並行して、本命の大手コンサルティング会社の選考に臨みました。
本命企業の冬インターンで成長を実感
―冬インターンがそれほど楽しかった理由は?
フィードバックが丁寧で成長実感を得られたためです。「NHKをもっと若者に見てもらうにはどうしたらいいか」という課題を、4人1組のチームで取り組み、社員の方々も頻繁にディスカッションに参加してくださいました。さらにうれしかったのは、一人ひとりに丁寧にフィードバックしてくださったことです。ディスカッションや考え方の癖に関する指摘、アドバイスのほか、後日改善していたら、「良くなったね」と評価してくださるなど、一人ひとりをちゃんと見てくださる会社だと感じました。たった5日間でもこんなに成長実感って得られるんだな、こういう会社なら入社後もすごく成長できそうと思い、第一志望にしました。
―どんなことを指摘されたんですか?
頑固だねと言われてしまいました。自分がこれと思った案を押しすぎる一方で、ロジカルに説明する力が不足しているからぶつかってしまうと指摘され、ハッとしました。その指摘を受けて今後は、なぜいいと思うのかをしっかり考えて、いいと思う理由を論理的に説明できる力を身に付けたいと思ったんです。

決め手は若手にも裁量権があること
―最終的に第一志望から内定をもらいました。選考はどのように進んだのですか?
インターン生全員を対象に、2月に部長面談があり、うまくいった人は人事とのお茶会に呼ばれ、呼ばれなかった人は本選考から再エントリーとなりました。お茶会まで進めれば3月の役員面談を経て、3月末には内定が出ました。
―承認先選定の決め手は?
5日間のインターンで自分の成長を実感できたので、迷わず第一志望の大手コンサルティング会社に決めました。若手でも自分で作った資料は自分でプレゼンさせてくれることも決め手の一つでした。コンサルティング企業の研究をしっかりしたこと、また、複数社で選考も受けてきたからこそ実感できたことですね。とても貴重な会社だと思いました。
丁寧なスカウトや有名企業の多さがLabBaseの魅力
―利用した就活サービスは?
LabBaseのほか、ES・選考手順を見るのにワンキャリアを使いました。外資就活は選考スケジュール管理に利用していました。リクナビやマイナビにも登録はしましたが、主に使っていたのはこの3つです。
―LabBaseを使い始めたきっかけについて教えてください。
amazonギフト券がもらえる紹介登録キャンペーンがきっかけで、M1の5~6月に登録しました。他のサービスよりプレゼントの額が高かったんですよね(笑)。プロフィールを60%埋めることが条件だったのですが、埋めたらわりとすぐにスカウトが来て驚きました。
―他サイトと比較して、LabBaseの良かった点は?
他サイトのスカウトは、誰にでも送っているんじゃないかと思うような、テンプレート的な文章で、聞いたこともないような企業が多かったです。それに比べてLabBaseは私の研究内容を見て丁寧なスカウトをしてくださることが多い印象でした。しかも、有名企業からのスカウトも多かったですね。「興味あり」を押すと、スカウトをいただくことに繋がるのが多いようにも感じました。
―どういう点が丁寧だと感じましたか?
企業の方がプロフィールを熟読してくれて、「サークル活動で、自分で目標設定して努力する姿勢が素敵ですね」など、コメント付きでスカウトが送られてきて驚きました。また、知らない企業でも面白いと思える企業が多かったです。私が特に興味を持ったのはアクセンチュアとKDDIの合弁会社であるARISE analytics(アライズアナリティクス)です。
就活は早めの情報収集が鍵、人脈も大切に
―これから就活を始める後輩にアドバイスするとしたら?
早めに動くのがいいと思います。いつからでもなんとかなるけど、大丈夫と思いすぎると決まらないこともありますからね。特に外資は選考が早いので、何も準備できなくても、まずは情報を集めるなど、早めに動いておくことが肝心です。また、就活では人脈も大切だと感じました。それも研究室の同期だけじゃなくて、就活イベントで出会った人とも話してみる、中高時代の友人とのつながりなど、いろいろなジャンルの人とつながっておくことがとても大事だと思います。
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