植物のプロフェッショナルはJTにいる? JTグループで唯一の葉たばこ研究施設で葉たばこ原料の研究から製品開発まで一気通貫のJT R&Dグループ

インタビュー

LabBase Media 編集部

植物のプロフェッショナルはJTにいる? JTグループで唯一の葉たばこ研究施設で葉たばこ原料の研究から製品開発まで一気通貫のJT R&Dグループ

たばこメーカー大手のJTは、JTグループで唯一の葉たばこに特化した研究設備を保有し、葉たばこ原料から製品開発までを一気通貫で研究開発を行っている。たばこ業界は逆風が吹いている印象があるが、近年はむしろ加熱式たばこの普及により新たな市場が生まれ、研究開発の幅もさらに広がっているのだという。今回は、そんな葉たばこの研究開発に携わる3名の社員にたばこ研究開発の魅力ややりがいを伺った。 日本たばこ産業株式会社: JTグループは、各市場でのオーガニック成長と、それを補完するM&A等を通じた地理的拡大によって、グローバルたばこカンパニーとしての確固たる地位を築き上げてきました。利益成長の牽引役である海外たばこ事業と、高い競争力を保持し利益創出の中核である国内たばこ事業の双方において、持続的な利益成長に向けた事業基盤の強化に取り組んでいます。

やりたいことを続けたい、結果JTへの入社を決意


――まずは自己紹介として、現在取り組まれていることと大学時代に学んできたことを教えてください。


宇田川:今年で入社10年目になります。現在は葉たばこの遺伝子についての研究を行うチームに所属し、有用な遺伝子の探索やそれらの実用性検討、品種開発のための基礎研究などを行っています。


大学時代は生殖的隔離を研究テーマに、遺伝学的な解析を行っていました。社会人でも同じ分野で研究を続けたいという思いで就活をするなかで、出会った会社がJTです。選考中に研究所を案内してもらい実際に研究施設や実験風景を見学し、「ここだったら自分も頑張れそう」とJTへの入社を決意しました。


川名:私が担当しているのは、葉たばこ原料の生産における「栽培と乾燥」のフェーズです。具体的には葉たばこの内容成分の研究を行っています。


昔から植物に興味があり、大学は農学部に進学しました。遺伝子系の研究室に所属し、シロイヌナズナを使ったアルミニウム耐性に関するメカニズムの研究や、トランスクリプトーム解析を行っていました。私も宇田川さんと同じで、植物や遺伝子の研究ができる企業を探して就活していましたね。


当初、JTは植物というより製品としてのたばこのイメージが強かったのですが、研究室の先輩に「JTは植物の研究をやっているよ」と教えてもらい、JTについて調べ、選考を受けることに決めました。ほかにも食品メーカーや種苗企業も受けましたが、最終的には一番自分のやりたいことができると思ったJTに入社を決めました。


岡野谷:食品メーカーに19年勤めたあと、3年前にJTに転職しました。今行っているのは、葉たばこに含まれる成分の分析です。


学生時代は薬学部で学び、卒業後は食品メーカーに就職しました。コンビニやスーパーでも販売されている飲料の味や香り、成分の研究がとても面白かったのですが、嗜好品において感覚と成分の関係をもっと突き詰めたいという思いから転職を考え始めました。


食品会社でも種、畑からといった原料生産の領域から研究開発を行っている会社は少なく、JTでは味や香りに関する研究で原料から製品まで携われること、また加熱式たばこ市場が拡大傾向にあったので、新しい研究ができるのではないかと思い入社しました。


ビジネスに欠かせない葉たばこ原料の安定供給の一翼を担う研究



――みなさん興味深い取り組みをされていますね。業務内容について、さらに詳しく教えてください。


宇田川:私たちの研究所では、数千種類以上のたばこの種子を保存しています。遺伝子解析のアプローチを利用して、この中から、栽培上優れていたり、製品化につながるような特徴を持つ品種を探索します。そして、おもしろい品種が見つかった場合は、既存の品種に交配して実用化を図ります。


例えば、葉たばこはわき芽が出ると葉にしっかりと栄養が届かないため、わき芽が生えてきたら、わき芽をとります。わき芽が少ない品種を探して、新たな品種を育種できれば、葉たばこの生産効率があがりますね。より良い品種を開発することで、農家さんや工場での作業の効率化を図ることが可能になります。


川名:私は、葉たばこの最適な栽培や乾燥方法の研究を行っています。タバコは同じ品種でも、栽培や乾燥方法によって、品質や味がかなり変わってきます。例えば、栽培中のタバコとタバコの間の距離、肥料の量や収穫するタイミング、乾燥方法や乾燥する時間、それらをどう変えたら、どのように内容成分が変わるのか等、各種ファクターの関係性解明に向け、さまざまなスケールで試行錯誤しながら、取り組んでいます。


安定的に原料を供給できるかどうかはJTのビジネスに大きく関わります。そのため、研究所だけではなく、実際の産地での実用化を意識しなければなりません。農家さんにご協力いただいたり、栽培についてのマニュアルを整備したり、産地を選んだりと、かなり幅広く業務を行っていますね。


岡野谷: 私が行っている仕事では、お客さまに高品質の製品をお届けするために、製品原料である葉たばこの内容成分などを分析しています。加えて、近年はお客さまに満足していただく製品を提供し続けるために、味や香りの成分についての研究も行っております。


この研究は、私自身が転職を決意した想いにもつながる内容なので、強いやりがいを感じています。もちろん研究開発として決して簡単なものではないです。


分析って言葉だけを聞くと、分析機器を操作すれば誰でもできるって思われる方もいると思いますが、実は分析というのは職人技なんです。サンプルは限られた量しかありませんし、やたらめったら分析することは無駄です。経験値が必要ですが、分析方法のアプローチの当たりがつくと、効率よくスピーディに分析ができるようになります。


自分の携わった製品が市場投入されたことに感動



――みなさんいろんなフェーズで研究開発をされていますが、仕事にやりがいを感じるのはどんな時ですか。


宇田川:遺伝子の研究は、年単位で成果がでるような長期のものがほとんどです。なので、数年かけて行っていた研究の成果が出た時はうれしいですね。求めていた特徴の遺伝子を発見したり、交配により作り出した品種が自分の研究した遺伝子の効果によって病気に強くなっていることを確認できた日には、大きなやりがいを感じます。


川名:原料に関わる仕事をしている身として、製品化されたとき、一番達成感を感じますね。私は入社以来ずっと「ゴールドリーフ」というJTが独自に研究・生産している純国産の葉たばこに携わっていたのですが、その原料が入った「プルーム・テック・プラス」の商品シリーズが発売された時は本当にうれしくて、全部買って吸いました(笑)。あの時吸ったたばこの味は忘れられません。


岡野谷:前職の時は、私も、自分の関わった商品が世の中に出る時が一番うれしかったですね。売り上げやシェアも全部数字で分かるので一喜一憂の毎日ですが、そこで得た情報を活かしてさらに良い製品を作る毎日は楽しいです。


JTには、研究を究め続けられる環境が整っている



――続いてJTの魅力を伺いたいと思います。研究所は栃木県小山市にありますが、小山で働く魅力を教えてください。


川名:郊外なので自然が豊かで、近くに大きな公園もあるなど、子育てしやすい環境です。会社としても働く親へのサポートが手厚いと思いますね。私は子どもが3人いて、都度産休と育休を取ったのですが、復帰の際に戻りにくいということは一切なく、メンバーはあたたかい雰囲気で迎え入れてくれました。


嫌な思い一つせず3回も産休・育休を取れる会社って実際のところは少ないのではないかと思います。しっかりと休ませていただき、子育てに専念できました。最近は男性の育休取得も増えていて、2カ月などまとまって取得する方も多くなってきています。


岡野谷:自然豊かなので、休日はサイクリングに出かけています。都心までのアクセスもわりと良いので不便はあまり感じません。毎日満員電車に乗る必要もないですし、自然や植物が好きな学生さんにはぴったりの環境だと思います。


――最後に、JTで働く魅力や、活躍できる学生さんの特徴を教えてください。


宇田川:冒頭にお伝えした通り、JTグループはたばこ原料から製品開発まで一気通貫して研究開発を行っています。そのため、一言に研究開発といっても、対象は非常に幅広くさまざまな分野の専門家が働いており、部署間や研究開発員同士の連携がとても盛んです。


自分とは異なる領域の専門家とのディスカッションは興味深いですし、勉強になります。今、学生のみなさんが大学や研究室で学ばれていることを活かせるあるいは共通する領域がJT R&Dグループにはあると思います。


また、業務内で研究者としてのレベルアップができる環境も整っています。私は業務として論文の執筆や学会発表を行っています。2020年には博士号も取得しました。分野にかかわらず、研究者としてある分野を究めたいと思っている人は楽しいと思いますね。社内には本当にさまざまな専門家がいるので、いろんな人の話をインプットできればさらなる成長につながるのではないでしょうか。


川名:規制や喫煙人口減少で今後たばこ産業は衰退していくのではないか、と思う学生さんも多いと思います。でも実際のところ、グローバルで見ると売り上げは落ちていませんし、加熱式たばこや電子たばこによってさらなるチャンスが増えたと思っています。また、会社としては自社研究施設も整っているので幅広くさまざまな研究を行うことができます。


研究はチームで行うので、どんな小さな発見でも一緒に楽しめる人はきっと活躍できると思います。私自身、大きな成果を出せた時はもちろんですが、一緒に働くメンバーと結果についてあれこれ話す毎日が大好きで、そういう時間を一緒に共有できる人と仕事したいです。


岡野谷:川名さんの言う通り、加熱式たばこの台頭で研究開発はさらに楽しくチャレンジングなものになってきました。市場の変化がある時って、研究の幅がすごく広がるチャンスだと思っていて、「十年後の市場は自分たちで作るんだ」という気持ちで日々仕事しています。


自分の専門ではないことでも、愚直にチャレンジできる好奇心旺盛な人にぜひ来ていただきたいです。業務範囲が広く知識や技術を高められる機会も多いので、社会人としてはもちろん、研究者としても成長できると思います。


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#### 編集後記


最初、葉や植物とたばこが結びつかなかった学生も多いかもしれない。しかし話を聞いてみると、JTは製品開発だけではなく、葉たばこをはじめとする基礎研究にも注力している。そして、社員の研究開発のバックアップも全面的に行っていることが分かった。自分自身の研究をさらに追究したい、社会人になっても研究を続けたいという学生たちの気持ちを、JTであれば全力で応援してくれるだろう。


※所属・内容等は取材当時のものです。

ライター
佐原 有紀
カメラマン
編集 部
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企業情報

日本たばこ産業株式会社

日本たばこ産業株式会社

JTグループは、たばこ事業を利益成長の中核とし、医薬事業、加工食品事業を柱に、130以上の国と地域でたばこ製品を販売しており、多様な価値観、強みを活かしながら、様々な国と地域で約62,000人の従業員が働いています。JTグループでは、“人財の多様性=競争力の源泉”という認識のもと、多様な従業員の自律的な成長意欲に応えるべく、様々な成長支援やチャレンジの場を提供しています。 JT 採用サイトはこちら! https://www.jti.co.jp/recruit/fresh/sogo/index.html