独自視点でバリューを提供。野村総合研究所の理系コンサルタントに聞く、学び続ける生き方

インタビュー

LabBase Media 編集部

独自視点でバリューを提供。野村総合研究所の理系コンサルタントに聞く、学び続ける生き方

若手のうちからプロジェクトリーダーを任され、業界の専門企業でも困難な課題を解決していく野村総合研究所(NRI)のコンサルタントたち。異なる専門分野からコンサルティングのキャリアを選んだ2人の理系出身者に、同社への入社動機、コンサルタントの醍醐味や適性について語ってもらった。専門性と直結した進路を選ぶか検討中の理系就活生へのメッセージも必見だ。 株式会社野村総合研究所: 日本初の民間シンクタンクとして創業し、現在は国内最高峰の「経営コンサルティング部門」と業界トップの収益力を誇る「ITソリューション部門」を有する。経営コンサルティング部門では、企業の進むべき方向性を見極め、問題解決を支援する戦略コンサルティング、戦略の実行支援や業務改革を行う業務・実行支援コンサルティング、産業政策・社会基盤などの政策立案支援(シンクタンク)を得意としている。近年は、企業のデジタル・トランスフォーメーションの支援も拡大している。

採用過程での「自分への理解」が入社の後押しに



――大学院や前職での経験をお聞かせください。


眞鍋:大学院で研究した位相幾何学は純粋数学的で面白かったのですが、ビジネスに直接応用しにくい分野でした。そこで、数学の基礎が役立ち、社会的インパクトのある仕事に興味がわき、新卒で損害保険会社のアクチュアリーとして働き始めました。


データを分析し、自動車保険の「適切な保険料の設定」や「将来的な収支のシミュレーション」を担当。データサイエンティストと協働し、スマートフォンから収集したデータを基に評価した運転の質で保険料が変わる新しい保険の開発にも関わりました。


星野:私は工学部の出身で、大学院では第4の物質形態と呼ばれる超臨界流体の特性を研究しました。化学工学の専門性を活かしたいと考え、新卒でプラントエンジニアリング会社に入社しました。


配属されたR&D部門では、石油や石炭といった既存燃料から、水素やアンモニアといった新エネルギーへの転換を目指した新技術開発を行いました。3年目に研究開発から事業フェーズに移行したので私もサステナビリティ部門に異動し、事業化の計画やパートナーリングなどの検討にあたりました。


――なぜコンサルティング業界への転職を考えたのでしょうか。


眞鍋:データサイエンスや機械学習への興味を深め、より多様で大きなデータを扱う仕事がしたいと思ったんです。さまざまな業界のデータを分析できるコンサルティング業は魅力的でした。


星野:事業会社ではコンサルティング会社に課題解決の協力を仰ぐことがあり、社外から社内の課題を解決する仕事の価値を目の当たりにしました。コンサルタントの裁量は大きく、自分を成長させてくれそうだと感じました。


――野村総合研究所を選んだ理由は何でしたか?


眞鍋:複数のコンサルティング会社から内定をもらいましたが、当社は選考過程で人材をしっかり見ているなと感じました。複数回の面接で、私のこれまでの研究や業務を真剣に知ろうとする姿勢が印象的でした。働く人の人柄や社風も理解でき、 綿密な選考を経て集まった優秀な人たちと一緒に働ける会社だ、と感じたことが決め手になりましたね。


星野日本国内初のシンクタンクとしての知名度はもちろん、IT部門もあることから、計画から実行まで支援できるケイパビリティーが魅力的でした。


また、内定承諾前には、年齢が近い人や中途採用で活躍されている社員と話す機会をもらえて、当社の雰囲気をじっくり知ることができました。


コンサルタント独自の視点でバリューを提供



――お二人の担当業務を教えてください。


眞鍋:経営コンサルタント兼データサイエンティストとして、多様な業界のDX案件を担当してきました。現在はデータを活用して企業のCX(カスタマーエクスペリエンス)向上を支援しています。


近年、CRM(顧客関係管理)などのシステムでデータを管理し、営業や商品開発などに活かすことが一般化しつつあり、企業は専門性の高いデータサイエンティストやコンサルタントを求めています。私たちはまず課題を特定し、その課題を解決するために、お客さまから預かったデータを分析して示唆を出し、効果的なソリューションを提案します。


星野:私はお客さまのサステナビリティに関する課題解決が専門で、主にサーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルといった社会課題解決に向けた支援を担当しています。


お客さまから持ち込まれる悩みには、「脱炭素社会を実現したい」というざっくりしたものも。解決に時間を要する課題ですが、お客さまの事業形態や取り巻く外的環境を鑑み、現実的な活動の計画策定や行動支援を行います。


――印象に残っている案件はありますか?


眞鍋:長く関わった運輸業界の案件で、データを分析して顧客の離脱リスクモデルを作りました。モデルによる判定結果に応じて、「離脱の可能性が高いから営業をかけて止める」「クロスセルで他の商品を提案する」など、具体的なアプローチ方法まで設計したんです。お客さまと情熱を共有して目的を達成し、案件終了後もバーベキューに誘われるような間柄になりました。


星野他社で行き詰まった課題解決を当社で引き受け、結果を出せたことが特に印象的でした。ヒアリングなどで外部環境を丁寧に分析し、当社なりの仮説や試算を出し、価値のある情報を提供したことで、次に取るべきアクションを導き出せる状況になったんです。「モヤモヤが晴れてすっきりした」と感謝され、コンサルタントになってよかったと思いました。


――コンサルタントの仕事にどんなやりがいを感じていますか?


眞鍋:前職では作業報告の機会は数カ月に一度でしたが、コンサルタントはアウトプットの機会が多い仕事です。案件の進捗を週1ペースでお客さまに報告し、「自分にはなかった視点だ」などとフィードバックがあるのでやりがいがあります。


星野案件のスケール感と裁量の大きさが魅力です。若いうちから大型案件に携わるプレッシャーもありつつ、企業の重役とも話ができて知的好奇心を刺激されます。業界の外にいるコンサルタント独自の視点で新しいバリューを出し、業界をよく知るお客さまから認められる達成感も格別ですね。


実験とコンサルティングの共通点



――学生時代の学びで役立っていることはありますか?


星野研究室で「実験ノート」に記録したような実験フローは、コンサルティング案件の進め方と似ています。課題と目的を特定し、課題検証の方法、検証結果、次にやるべきことを明らかにする流れは、理系出身者なら誰でも経験があることです。


数字や計算にアレルギーがないのも有利な点。企業の技術開発担当者と話す機会もあり、理系の基礎や専門知識、論理思考力など活かせるものが多いです。


眞鍋新しい課題の対処法を論理的に考えて導き出す点は、数学もコンサルティングも同じ。数学科出身者として、論理的思考力をお客さまに信頼してもらえるのもいいですね。


――コンサルタントと前職で、必要なスキルやマインドに違いはありますか?


星野:事業会社のエンジニアは自社、さらには自分の担当領域を深掘りして新しいものを生み出すのに対し、コンサルタントの仕事はお客さまを支援することなので顧客ファーストのマインドが必要。当事者意識を持って粘り強く思考することが大事です。


眞鍋:比較的ルーチン業務が多かった前職に対し、コンサルティングでは「自分の経験のない領域」に取り組むことが多い。素早く情報をキャッチアップし、新しい専門性を身に付けるスキルが求められます。


――成長やキャリアアップの進度は、前職と比較していかがですか?


星野若手がプロジェクトリーダーを担い、年長者をマネジメントすることもあるのは前職との大きな違いです。当社のマルチアサインの仕組みでは、小規模案件のプロジェクトリーダーになった若手を経験者がサポートするので確実に成長できます。


私も中途入社から数カ月でプロジェクトリーダーに抜てきされ、チームやタスクの管理など、一つの案件を仕立てる面白さを経験しました。年齢や経験にかかわらず成果次第で引き上げられる評価制度も整っています。


眞鍋:転職してから、圧倒的なスピードで成長できています。新規事業のような高度な案件に少数精鋭チームで取り組むので、個人の裁量権が大きく、一人ひとりがプロ意識を持つことが成長の理由ですね。


業界のプロであるお客さまにも対応が難しい、新規性の高いテーマに取り組むことで、人材として市場価値の高いスキルを磨けるのはキャリア的にもメリットです。


専門性にこだわらず幅広いキャリア戦略を



――コンサルタントに向いているのはどんな人物だと思いますか?


眞鍋:いろいろな業界・企業に関わるので、一つの専門領域を追求するより、常に新しいテーマや技術をキャッチアップして学び続けたい人に適性がありますね。


星野:新しい知識のインプットと過去の経験から連想ゲームのように思考を展開・仮説を構築できる人も、コンサルタントとして強いと思います。


報告会や定例会が多いので、話すことや資料作りなどのアウトプットが好きだとより仕事を楽しめます。


眞鍋:コンサルティング業界のデータサイエンティストに関しては、施策の上流やビジネスの立ち上げなどに関わるため、複数の専門性を持つ人が集まったチームが良いパフォーマンスを発揮します。データサイエンティストでありながら、ビジネス、エンジニアリング、サービスデザインなどの専門性を持つ人が活躍しやすいです。


――最後に、理系就活生に向けてアドバイスをお願いします。


星野:大学で学んだ専門性などの制約条件は一旦外して、業界の特性や自分がやりたいことを見極めてみてください。一般的に理系の学生は研究が忙しく、企業研究に割く時間が短くなりがちですが、できるだけ1社ごとの事業やカルチャー、人材適性などをじっくり検討してほしいです。


眞鍋新しい技術や課題が次々と生まれる時代なので、今あるスキルだけを前提に未来を考えなくていいと思います。専門性は強みになりますが、就職後のほうが圧倒的に学びが多いですよ。


私自身、就職後に身に付けたスキルをもとにデータサイエンスや機械学習を専門としていますが、AIが深化して、プログラミング言語ではなく、自然言語でデータ分析をする時代になるなど、現在の仕事の在り方も大きく変わるかもしれません。新しい専門知識をどんどん学び、幅広い可能性を考慮したキャリア戦略を持てるといいですね。


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編集後記


野村総合研究所では、数字への強さはもちろん、論理的な課題解決能力や新たな知識への探究心など、理系の素地を持つ若手コンサルタントが大いに活躍していることがうかがえた。社会価値の高い大型案件に取り組める環境では、インプットとアウトプットの両方のスキルを磨きながら飛躍的な成長やキャリアアップが期待できそうだ。同社のインターンシップ制度などを利用し、自身の適性やコンサルティングの面白さをぜひ探ってみてほしい。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年5月公開)


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ライター
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株式会社野村総合研究所

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野村総合研究所(NRI)は、日本最大級の経営戦略コンサルティングファームとして、 幅広い業界のクライアントに対し、戦略立案から実行支援までの一貫した経営戦略コンサルティングを提供しています。 私たちは、顧客の課題に真摯に向き合ってその解決に全力を尽くす、いわば『徹底した顧客志向』をモットーに、コンサルティングに取り組んでいます。 戦略の策定に留まらず、顧客の組織をも動かす実行支援までを一貫してやり抜くことで、日本企業を中心に高い信頼を得ています。 NRIグループの企業理念は「未来創発」です。変化が激しく先の予測がつかないこの時代。社会をしっかりと見据えながら確かな未来を切り拓いていきたい。 そのために、新しい価値を創造することで世の中に貢献したいと私たちは願っています。 『これからの未来を自分達の手で切り拓いていきたい。』そんな想いを実現できる環境がNRIには整っています。 挑戦心あふれる皆さんのご応募をお待ちしております。