「金融×デジタル」で社会課題解決! みずほフィナンシャルグループの新規事業創造で活かす理系の力

インタビュー

LabBase Media 編集部

「金融×デジタル」で社会課題解決! みずほフィナンシャルグループの新規事業創造で活かす理系の力

金融業界の新規ビジネス創出には、理系人材の専門性や思考力を活かしやすい環境が広がっている。みずほフィナンシャルグループでは、金融にIT技術を組み合わせた社会貢献の挑戦が進行中だ。銀行運営のイメージが強い同社だが、その厚い顧客基盤や信頼という強みがチャレンジをさらに面白くしているという。システム開発やデータ分析をベースに「フロンティアビジネス」の領域で活躍中の3人に、理系の専門性とビジネスを掛け合わせる醍醐味を語ってもらった。 株式会社みずほフィナンシャルグループ: 私たちは、日本を代表する「総合金融コンサルティンググループ」です。〈みずほ〉が誕生して20年、いや前身の日本最古の銀行から150年、日本経済・あらゆる産業の発展を支えてきた自負があります。変化の激しいこの時代だからこそ、変化に対応するのではなく、共に変化を創り、経済・社会に価値を生み出す同志を求めています。

IT技術で新規ビジネスを創造するチーム



――学生時代の経験や就職活動の経緯をお聞かせください。


芹澤:情報工学を専攻し、ヒューマンエージェントインタラクションという領域で人とAIやロボットなどとの関わり方を研究しました。


就活当初はIT企業やSIerを見ていましたが、インターンシップに参加するうち、サービスの企画開発側に興味を持つように。人の生活に直結するサービスを提供する金融機関などを検討しました。特にみずほフィナンシャルグループ(以下〈みずほ〉)は大きな顧客基盤を持つメガバンクでありながら「挑戦を重視する」とうたっていたので、そのギャップに魅力を感じ入社を決めました。


村瀬:大学では、データ分析に近い領域である計量経済学を専攻しました。当時の〈みずほ〉は、環境や社会科学などの専門家によるコンサルティングとIT分野の知見に、さらに営業力を掛け合わせ、お客さまに高い付加価値を提供する取り組みを推進中でした。「独自性の高い戦略をベースに、幅広い領域にチャレンジできそうだ」と考え、入社を決めました。


入社したのは、リサーチ・コンサルティングと先端ITを強みとするみずほリサーチ&テクノロジーズで、その後現在の部署に異動に。並行して社会人大学院に通い、IoTデータの分析やアジャイル開発手法などを学びました。


多治見:微分幾何学の専攻だったので、金融機関や数学の研究・教育の道に進む同級生が多かったこと、また就職活動を通して社員の方々から伺った「〈みずほ〉が求める人材」に自分は近いと感じたことをきっかけに、〈みずほ〉を選びました。


入社後は金融数理専門のグループ会社からキャリアをスタートし、金融・数理をはじめ、世の中やビジネスの仕組みなど仕事を通して学んでいきました。


――皆さんが所属するデジタルイノベーション部(DI部)は「フロンティアビジネス」に取り組んでいます。部門の全体像を伺えますか?


多治見:IT技術の革新に伴い世の中の金融サービスの在り方が変化する中で、〈みずほ〉も金融のデジタル化を積極的に進めています。非金融の領域までビジネスを広げていくことも視野にあります。FinTechがブームになっていた2017年にDI部を発足。私も立ち上げメンバーです。


ミッションは、グループのビジネスにとらわれることなく、新しい技術を活用して新規ビジネスを創出すること。金融機関が有する「膨大な情報量」「信頼性」「厳格なルールへの対応力」などの強みを活かしたビジネスをめざしています。


中心事業のひとつは、電子マネーを使ったスマートフォン決済サービスの「J-Coin Pay(ジェイコインペイ)」。他にも、紙の商品券や回数券をデジタル化する「電子地域振興券」、企業や自治体のアプリに決済サービスを連携させる「ハウスコイン」など、サービスを拡大中です。


当部では、〈みずほ〉の冠ならではの金融領域を主に創出しています。また、宇宙・海洋・農業分野などの先端技術を絡めたような非金融領域のビジネスは、当部と人的関わりも深いBlue Labという会社で創出しています。


――村瀬さんと芹澤さんは、どんな立場でDI部に参画していますか?


村瀬:入社以来担当してきた「公的機関の新規事業支援の経験」や、その中で得た「クラウド技術等のIT知見」をJ-Coin Payに活かすべく、初期から参画しました。主に新システムのグランドデザインを描き、システム開発をベンダーに依頼するための詳細な要件や設計方針をまとめる担当です。


芹澤:サービスの成長には、システムの安定稼働はもちろんのこと、ビジネス側の観点も重要です。お客さまがどのように利用しているのか、どうしたらお客さまに長く使っていただけるのかなどを、感覚ではなく理屈に基づいて語るために、入社以来、J-Coin Payの利用データの分析を行っています。加えて、システムの裏側のサービス運用方法の構築も担当中です。


「先端技術で社会や経済を変えていく」



――J-Coin Pay開発の経緯やサービス特性を教えてください。


多治見:開発プロジェクトチーム発足の頃、日本ではクレジットカード以外のキャッシュレス決済が一般的でなく、現金は信頼が厚い一方で金融機関には取り扱いの負担が大きいという課題があったんです。「お客さまの利便性アップ」「当社の運営コスト低減」「社会貢献」を実現する新たなインフラとして、J-Coin Payが発案されました。当社独自の決済手段なら、データを基にサービスを向上させやすいという側面も勘案しました。


信頼性の高い決済システムとして慎重に設計を進め、企画開発にかかった期間は2年半。多数の地域金融機関が徐々に参画し始めてくれたことで、J-Coin Payは多様な社会課題解決の可能性を持つサービス基盤に成長しました。


――システム開発やデータ分析の過程でのやりがいや挑戦について伺えますか?


村瀬:クラウド、セキュリティトレンドの変化、マイナンバーカードとの連携など、最新の技術や情報にキャッチアップしながら開発する要素が多いので、試行錯誤の連続です。


J-Coin Payのリリース後は、ユーザーの反応がダイレクトに返ってくるサービス開発の醍醐味を感じています。現在は、お客さまの声を基に次の改善を計画中です。


芹澤:データ活用では当初、営業などビジネス視点を踏まえた分析の感覚をつかむことに苦戦しましたが、経験を通して視野を広げ、分析精度を磨いています。


ユーザーが増加し対象データが増えたことで、より緻密な分析が可能になってきました。「こういう人がよく使っています」「このキャンペーンはこういう結果になりました」といった分析結果を企画担当者に伝え、「次の施策につながる分析」を提供できることが大きなやりがいですね。


――J-Coin Payの社会的な価値や今後の方向性をどう考えていますか?


多治見:J-Coin Payにチャージできる接続金融機関は、地方銀行に加えJAバンクや信用金庫、信用組合にも広がり、最近は三菱UFJ銀行も加わって、インフラとしての有効性がますます高まっています。ユーザー数や利用店舗の増加に伴い、開発・運用に関与するメンバーは100人を超え、グループ各社の営業や広報の協力も合わせるとそれ以上の規模になります。


企業や自治体のさまざまな取り組みにJ-Coin Payの一部機能を金融ソリューションとして提供する、いわゆるエンベデッド・ファイナンス(Embedded Finance)やBaaS(Banking as a Service)の動きも開始。ヤマト運輸やパナソニックのアプリへの決済機能の連携や、会津若松市の地域通貨の取り組みの裏側では、J-Coin Payのインフラが動いています。J-Coin Payの効率的な拡張・展開の方法も探っているところです。


「先端技術で社会や経済を変えていく」という発想でサービスをリリースしたことで、ユーザーの新たなニーズも見えてきました。ビジネスパートナーと協力してニーズに応えるサイクルを回していくことで、少子高齢化、環境問題など社会課題の解決につなげていきたいです。


専門性を活かし、高めながら価値を生み出す



――フロンティアビジネスに影響する技術やビジネスのトレンドには、どのようにキャッチアップしていますか?


村瀬:社内制度を利用し、働きながら大学院でIT技術の知識基盤を強化したことをきっかけに、今も大学の図書館に通って専門雑誌で最新トレンドを押さえるようにしています。SNSで発信される専門家の意見も参考になります。


芹澤:データ分析のコンペに参加したり、参加者が公開しているメソッドを学んだりと、新たなアプローチを日々研究しつつ、決済系サービスやコンペ参加に関するニュースも追っています。


多治見:業界の生の声も大切なので、技術関連のイベントなどを通じたスタートアップ企業との交流も重視しています。


――DI部では今、どんな人材を求めているのでしょうか?


多治見:システム開発とデータ分析の両領域で、サービスの維持と成長を支える理系人材の専門性が不可欠です。さまざまな立場の人と関わり、幅広い情報を吸収しながら進める仕事なので、個々の学びを結びつけて動くスキルが求められます。金融×ITのように「専門分野の知見を増大させながら価値を生み出したい人」を特に歓迎しています。


村瀬:自分の専門性をビジネスの課題解決に活かす意識を持つ人がいいですね。「トレンドを追う→ビジネスをやってみる→専門性を深める→トレンドを追う」というように、常に学びと挑戦を続けられる人は楽しめる環境だと思います。


芹澤:新たな手法や技術を能動的に探求する人に向いている仕事です。データ分析の新手法をどんどん習得して仕事に活かしていくことで、活躍の機会が広がります。


「チャレンジすること」が〈みずほ〉の強み



――〈みずほ〉の人材育成方針をお聞かせください。


多治見:グループ全体でデジタル人材の育成を推進し、当部でも毎年多数の新卒社員を迎えています。育成で最も重視しているのは、経験することです。進行中のプロジェクトでOJT中の1年目の社員に、お客さまと話す機会も設けています。大学での学びを活かし、新たな経験から学び、自分に足りない部分を知ることが成長の源泉だと考えています。


――最後に、理系就活生にメッセージをお願いします。


村瀬:〈みずほ〉は銀行業務や証券業務に携わっている人に加え、シンクタンク人材、ITエンジニアと、専攻や職種が全く異なる人たちが集まる面白い環境です。専攻やキャリアの多様性が活かされる場所だと感じています。


芹澤:顧客基盤が厚く多様な関係者がいることや、事業領域が多岐にわたっていることが、バラエティーに富んだ挑戦につながっています。挑戦しながら多くを学ぶ楽しさを、ぜひ体験してほしいです。


多治見:〈みずほ〉は金融という枠組みにとらわれず、多様な事業に取り組む会社です。新規事業のために設立したBlue Labのような取り組みも当時は業界的に珍しく、そのスピード感や先見性は当社の長所。新卒入社のOJTもしかり、「チャレンジすること」が強みなので、挑戦を通して想像以上の経験や成長を楽しんでください。


みずほフィナンシャルグループの 「企業情報」をチェック!
ウィンターインターンの募集要項は、 こちら
キャリア相談会の募集要項は、 こちら


編集後記


時代の変化に柔軟に対応しながら、銀行業務だけでなく、デジタル技術やデータを用いた先進的な取り組みを続けるみずほフィナンシャルグループ。新規事業の立ち上げでは企画から施策の実施まで理系人材が関わることができるなど、経験の幅の広さはキャリア形成に大きなプラスになるだろう。公共性・社会貢献性の高いサービスで社会に影響を与える同社での活躍の可能性を、インターンシップなどを通して探ってみてほしい。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2023年11月公開)


研究をまとめて優良企業からのスカウトを獲得しよう!


  • 理系大学院生シェアNO.1スカウト型就活サービス 「LabBase就職」
  • 上位大学の理系院生4人に1人が登録!
  • 研究と就活の両立が実現!! 

登録は コチラから!

ライター
水田 真梨
カメラマン
上田 真希子
X Facebook

企業情報

みずほフィナンシャルグループ

みずほフィナンシャルグループ

■『ともに挑む。ともに実る』 〈みずほ〉には、渋沢栄一、安田善次郎など数多くの先人がフェアでオープンな姿勢と先見性をもって、 社会経済の発展に挑んできた DNA があります。そして、現在の私たちには、だれよりも変化に先駆け、 新しい価値を生みだそうとする熱意があります。 「お客さま一人ひとりの夢と希望に向かう挑戦に寄り添い、金融やコンサルティングの力で幸福な人生に貢献すること」 「新しい技術や事業へ挑む企業に、他企業との協業や、事業・金融面のサポートをしながら、 サステナブルな社会に向けてともに歩んでいくこと。」 「〈みずほ〉で働くすべての人がつながり合い、日々新たな視点で変革や改善に取り組み、未来を変えていくこと。」 お客さまの挑戦を支え、自らも変革に挑戦しながら、豊かに実る未来を共創していきます。 ■次世代金融への転換 デジタル化、少子高齢化、グローバル化といったメガトレンドの下、「金融」という業界も、これまでの発想を遥かに超えた、非連続的な構造変化に直面しています。 〈みずほ〉は、柔軟な発想で変わりゆく時代に向き合い、変化に対応するだけでなく、むしろ変化を自ら創り出すことによって、更に大きく飛躍していきます。従来の金融の領域にとらわれず、お客さまの夢や希望、あるいは不安といった、より本源的なニーズそのものに正面から向き合う。そして、金融・非金融の融合領域を含め、金融にまつわる様々なことをつなげ、「金融+α」のソリューションを提供し、「金融を巡る新たな価値」を創造する。こうした取り組みを通じて、お客さまと新たなパートナーシップを構築し、『次世代金融への転換』を実現します。