研究者や技術者が頼りにするプロ集団。インターネット黎明(れいめい)期からUNIX開発の最先端を走る創夢の魅力

インタビュー

LabBase Media 編集部

研究者や技術者が頼りにするプロ集団。インターネット黎明(れいめい)期からUNIX開発の最先端を走る創夢の魅力

UNIX・Linuxに特化した高い技術力を持ち、最先端の研究開発に貢献している株式会社創夢。 同社では管理職も現役の技術者として働いており、技術者として成長できる環境を整えている。トップ技術者として活躍し続ける幹部社員2名に、創夢が事業として取り組んでいる業務や、これからの創夢が目指す未来について聞いた。 株式会社創夢: 1984年の創業以来『UNIX専門技術者集団』として実績を積み、その深い知識と経験を活かし、国立研究機関の研究者や大手メーカーの開発技術者から依頼される先端的研究開発案件や大規模計算機の運用など、多様な業務を手がけている。「技術者の技術者による技術者のための会社」という創業時からの理念をもとに、エンジニアが様々な技術を追求できるよう、常に時代に沿った環境づくりを心がけている。

創業40年の「UNIX専門技術者集団」



――創夢へ入社した決め手を教えてください。

稲島:大学3年のとき、ある企業の開発系インターンシップで知り合った人に誘われて、オンラインショッピングサイトを構築するアルバイトをしていました。


インターン先の大企業はあまりフィーリングが合わないと感じていましたが、アルバイト先は40名くらいの若い会社で、メチャクチャなところもありながらけっこう楽しかったんです。そんな経験から、あまり大きくない会社の方が自分には合ってるかなと思ったのと、仕事としてはUNIX系の組み込みの開発がしたいと考えていたことから、創業以来「UNIX専門技術者集団」としての知識と経験を培ってきた創夢に入社を決めました。

柴田:学生時代は理学部で天文学の研究室に所属しており、日常的にLinuxを使っていました。そのなかで「Ubuntu」(Linuxディストリビューションの一つ)を使い始め、その開発コミュニティーに関わるようになったんです。

開発コミュニティーのオフラインイベントに参加したり、Ubuntu関連の記事を執筆したりするなかで、同じコミュニティーにいた創夢の社員に声をかけていただき、入社することになりました。私が就職活動をしていた2009年ごろは、副業としての記事執筆や、Linuxのコミュニティーへの日常的な参加に寛容な企業はまだ多くなかった印象があります。こういった活動ができることは決め手になりましたね。

――お二人とも「業務で日常的にUNIXやLinuxを扱える」ことが就職活動の基準になっていたのですね。これまで携わってきた業務を簡単に教えてください。

稲島:組み込み系の開発をメインで行いつつ、ネットワーク系の独自プロトコルやウェブアプリの実装など、幅広く開発に携わってきました。現在は開発・運用・管理などを含む技術部門の執行役員として、部門全体を取りまとめています。

柴田:もともとUbuntuのコミュニティーに参加していたことから、入社後はLinuxの組み込み系製品を中心に、ネットワークシステムの構築、Linuxソフトウェアの選定・パッケージングなど、自分が持っているスキルを活かして開発に関わってきました。現在は基幹技術部の部長として全体を管理しています。また、 Ubuntu Weekly RecipeUbuntu日和など、雑誌やWeb媒体にてUbuntuを中心とした技術系記事の執筆も行っています。


誰かがやらないと進まないことを引き受ける



――創夢の業務内容を教えてください。


稲島:日本のインターネット黎明(れいめい)期の創業以来培ってきた、UNIX/Linux系OSとオープンソースソフトウェア(OSS)に関する知識と経験をもとに、幅広い分野でお客さまのニーズにお応えできるサービスを提供しています。ソフトウェア・ファームウェアの設計開発では、組み込み機器向けのファームウェアから、一般的なサーバーで動作するソフトウェアまで、UNIX/Linux系OS上で動作する各種ソフトウェアの設計開発を行っています。

また、研究機関や企業の情報システム部門向けに、UNIX/Linux系OSを基本とする計算機環境の構築や運用管理サービスの提供、研究開発の支援なども行っています。

――具体的にどのような業種の企業とのお仕事が多いですか。

柴田:基盤ネットワークに関わる企業からの依頼が多く、自社開発ではなく受託開発が中心です。皆さんが普段インターネットを使用するうえでも、「創夢が開発をお手伝いした製品が裏で動いている」ということがけっこうあるんですよ。また、組み込み機器向けのファームウェアの開発では、事務機器やネットワーク・コンピュータ関連機器メーカーからご依頼をいただいています。

研究機関とのお仕事も多いです。「次世代のインターネットをどうするか?」といった、未来を作っていくために必要な研究を支援する仕事ですね。「もっと早くデータをやり取りするには」、「より安全なセキュリティーをどう実現できるか」など、技術の革新に付随して必要となるOS部分の開発などを支援しています。


稲島:ネットワーク系の研究を行う業界団体とのつながりが深く、現在も研究機関などから依頼される業務が半数を占めています。国の研究機関とのお仕事もあり、「京」や「富岳」といったスーパーコンピュータで利用する共用ストレージの運用支援も行っています。

――今後目指していきたいポジションや、会社として注力していきたい事業はありますか。

稲島:これまで、最先端の研究をされているお客さまから、私たちも経験したことがないような、実現できるかどうか分からないことを相談される機会が多くありました。その相談というのは、誰かが実際にやってみないと話が進まないんですよね。


私たちを頼って相談してくださるお客さまに対し、「やってみましょうか」と一度引き受けてみるのは創夢の企業文化だと感じています。今後も「最先端の専門家や研究者が頼りにしたいと思えるプロ集団」のポジションでいたいですね。まずは相談してみようと思ってもらえる存在でい続けることができたらと思っています。

柴田:新しい技術の開発に携わっていますが、今話題のAI技術などが将来的にどう発展していくかはわれわれでも未知数です。ですが、そのAIを動かすための基盤部分にUNIXやLinuxは残り続けるでしょう。必要とされる分野で、AIに関する開発の支援には今後も携わりたいですね。


管理職も現役技術者だから働きやすい



――創夢ならではの技術者にとって働きやすい制度やカルチャーがあれば教えてください。

稲島フレックスタイム制を導入していてリモートワークもできるので、時間の制約が少なく働きやすいです。技術者が「これくらいの制度は整っていてほしいよね」と思う基礎的な制度はだいたい網羅していると思いますよ。

柴田:私はフレックスタイム制を活用して自分が所属しているコミュニティーでの活動や執筆活動などを続けていますし、自分の時間は作りやすいです。趣味でも仕事でも、自分が興味のある技術分野を極めたい方にとってはとても働きやすいかなと思います。

――入社してからどのように技術力や専門性を高めてきましたか。

稲島:学生時代から開発のアルバイトをしていましたし、自宅サーバーでウェブサイトやメールサーバー、DNSサーバーなども自作していたので、入社前から基本的な知識や技術はありました。組み込みの開発は経験が浅かったのですが、同じプロジェクトで一緒に仕事をしていた当時の副社長(現社長)に聞きに行って、ヒントをいただいたり、サポートしていただいたりしましたね。技術の解説に花が咲いて、話が長引くこともありました(笑)。

柴田:社長は学生時代から電子工作をしてきていて、今も第一線でコードを書いて開発したいという思いが強い方なんです。ハード面にも詳しく、お話しするといろいろな発見をもらえますね。


管理職も含め、社員の多くが技術者だからこそ距離が近く、分からないことでも聞きやすい雰囲気があります。成長するためには人に聞くことは大切なことなので、新しくプロジェクトにアサインする方には「5分考えても分からなかったら、なるべく聞きにきてください」と伝えています。


オープンソースのように知恵を出し合い、技術に貢献したい



――今後の創夢のビジョンを教えてください。

稲島:創業から40年を迎え、ここまで創夢を支えてきた世代の引退が見えてきています。世代交代にあたり、これまでやってきたことをどう継承し高めていくかが重要になっています。

UNIXの特徴として昔から言われているのは、設計がシンプルで分かりやすいということ。シンプルなものを組み合わせることで複雑なこともできる柔軟性や拡張性があります。また、Linuxをはじめとしたオープンソースでは、個人が開発したものをコミュニティーで共有し、知恵を出し合って良くしていこうとする文化があります。

複雑なものでもシンプルにブレイクダウンして理解したうえで使うUNIXや、あったら便利だと思うことを社内外問わず共有するオープンソース。これらの考え方を大切にし、創夢だけではなく開発技術のコミュニティー全体がレベルアップしていけば良いなと思っています。

――最後に、今後の会社を引っ張っていく立場であるお二人として、どういう人と働きたいですか。

稲島「個人個人が独立したプロである」という考え方を持っていてほしいですね。私たちの仕事の基本は受託開発です。営業に始まり、契約、設計、開発、構築、テストを経て納品するまでが1つのサイクル。プロであるからには、そのサイクルを一通り一人でできるようになる必要があります。 上司や先輩社員のサポートを受けながら、意欲を持って取り組める方に来ていただきたいです。

柴田:優秀な技術者ほどもっとできる人を知っているから「自分はできません」と言いがちです。ただ、そこでもう一歩踏み込んで、「これくらいならできます」と業務を具体化して応えるスキルやマインドを持っていると、創夢で活躍できるでしょう。


UNIXやLinuxが好きな方は、ぜひ創夢を検討してみてください。


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編集後記


創夢は自社の利益や成長だけでなく、今後の開発技術の成長発展まで広く未来のビジョンを描いている。管理職も含めた社員の多くが現役の技術者として働いているからこそ、技術者の立場に立った働きやすい環境を整えているのも魅力だ。未知の問題に取り組んでいく意欲や、新しい技術への好奇心と探求心がある人は、ぜひ創夢の会社説明会に参加してみてほしい。


※所属・内容等は取材当時のものです。(2024年4月公開)


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ライター
LabBase Media 編集部
カメラマン
児玉 聡
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企業情報

株式会社創夢

株式会社創夢

『UNIX専門技術者集団』として、日本のインターネット黎明(れいめい)期の創業以来培ってきた、UNIX/Linux系OSとオープンソースソフトウェア(OSS)に関する知識と経験をもとに、幅広い分野でお客さまのニーズにお応えできるサービスを提供しています。 ▼ 目指す方向性 お客様の目の前の問題を「技術者の良心」によって解決に導くことを目指しております。 ▼ 事業内容 【ソフトウェア/ファームウェア設計開発】 組み込み機器向けのファームウェアから、一般的なサーバで動作するソフトウェアまでUNIX/Linux系OS上で動作する各種ソフトウェアの設計開発を行っています。 【計算機環境構築・運用管理】 研究機関の研究者向けおよび研究機関/企業の情報システム部門向けに、UNIX/Linux系OSを基本とする計算機環境の設計・構築・運用管理サービスを提供しています。 【研究者支援】 実験・検証用ソフトウェアの設計・実装、比較対象ソフトウェアなどの調査・試用、実験データの取得・整理、論文執筆時および発表時の補助など、研究者の方々に向けた様々な支援サービスを行っています。 【インターネット関連技術支援】 大規模かつ安全性の高いネットワーク利用環境を実現するための研究や開発の支援やIPv4環境からIPv6環境へのスムーズな移行やIPv6対応機器の導入支援を行っています。