信州大学大学院で深層学習に関する研究をしつつ、現在就活を行っている宇野貴士です。
今回は2019/11/17に理系学生を対象とした逆求人サービスである「LabBase」が主催する、選抜型の求人イベント「AIキャリアドラフト」に参加してきましたのでイベントレポートを書きたいと思います。
私が参加したのは第2回であり、(言っていいのかわかりませんが)第3回目も企画予定だそうです。私は幸運にも今回選抜された約15人の中に入ることができましたので、今後参加を検討している学生のために少しでも参考になればと思います。

当日の流れ

このタイムテーブルに沿って紹介していきたいと思います。(アンケート&写真を除く)
集合&会場移動
集合
12時40分に大手町駅に集合しました。ここで注意が必要なのが地下鉄大手町駅から地上への出口は複数あり、結構探すのに時間がかかりました(田舎民あるある)。集合場所にはLabBaseのロゴを持った人と多くの学生が集合していました。つまり遅刻ギリギリだったということですね・・・危なかったです・・・。会場(POLオフィス)
会場はLabBaseの運営会社であるPOLさんのオフィスで行われました。オフィスは移転したばかりらしく、内装がオシャレだという印象を受けました。その上、こうしたイベントを開くことを想定したレイアウトのオフィスでした。駅からも近く、今後こうしたイベントに力を入れたいというのが感じ取れました。
諸注意&参加企業紹介プレゼン
イベントの主要説明や諸注意を行った後、参加企業が1社5分の紹介プレゼンが行われました。紹介プレゼンはAI系のセミナーということで、AIを使ってどんなことをしているのか、企業で大切にしている理念は何なのかを各企業がコンパクトに説明していました。
参加企業は次の5社でした。
- AWS:クラウドサービスとしては知らない人がいないAWS(Amazon Web Services)
- エウレカ:国内大手のマッチングサービス「Pairs」の運営会社
- ソフトバンク:言わずと知れた大手通信キャリア。現在は多岐にわたり事業を展開中
- タタ・コンサルタンシー・サービシズ:インドに本社があるSIer。タタ財閥(日本でいう三菱財閥的な存在)のグループ企業
- ユーザーローカル:急成長中のデータ分析会社。顧客のユーザデータ分析などを行っている。
それぞれに勝手な一言コメントを入れてます。これは私の解釈ですので、聞き流す程度にしていただければと思います。
企業との個別面談&セミナー
説明を聞いた後、すぐに個別面談を行いました。個別面談は合計8タームあり、4タームごとに前半と後半が分かれていました。全8タームの3~4タームほどが面談となっています。それだと空き時間が多すぎて暇になる気がしますが、前半か後半のどちらかに、LabBaseが主催するセミナーが2ターム連続で入ります。
面談
ここがメインフェーズといえます。各ブースでの主な流れとしては
- 学生自己紹介(5分)
- 企業側紹介
- Q&A、雑談
- フィードバック
という一般的な面談の形が多かったと思いますが、企業によって臨機応変に面談が進んでいきました。
時間は1企業につき25分間あるため、聞きたいことをしっかり聞けると思いますが、逆に話を広げられなかったり、リサーチが足りないと、少し時間が余ったり、間ができてしまったりすると思います(私です)。
すべての企業で必ず最初に自己紹介を行います。これは事前に提出したものを印刷したものが準備されていますが、自分が持ち込んだデバイスを使って発表しても問題ありません。事前にメールで5分程度とのアナウンスがあり、5分で話せる資料を持ち込みました。AI系の学生を対象としたイベントであるため、多くの参加学生が研究内容を主体にした自己紹介を書いていたようです。
ただ私はこういった自己紹介に慣れていなく、理系院生にありがちな、研究話し過ぎ気味になってしまいました。参加企業はエンジニアだけが参加しているものだと勝手に決めつけて、「機械学習をちょっと触ったことがあるエンジニア」をターゲットとした資料を作っていましたが、実際には人事とエンジニアという組み合わせの企業も複数あり、もっとわかりやすくまとまった資料を作るべきでした。
ちなみに私の冗長だった自己紹介資料もご紹介します。
自己紹介の後は、企業側から先ほどの全体説明では説明しきれなかった点の説明などを聞きつつ、疑問点を質問するというスタイルの企業が多かったです。どの企業もエンジニアの人が参加していたため、自分の研究が企業の中で生かせるのかという、AI系の学生であるが故の疑問をぶつけることができました。

セミナー
LabBase主催のセミナーも面談と同時に開催されていました。前半後半に1度ずつセミナーが行われるため、参加している学生の半分が一度に集まってセミナーを行います。
主な内容としては「AI系の学生を採用したい企業があるのはわかったけど、じゃあ私たち学生はどう選んでいけばいいの」という話(意訳)です。
私を含め参加学生の中には、データサイエンティスト志望であり、できる限り研究を生かした働き方がしたいという要求を持つ人が多くいました。しかし具体的にどう自分の傾向を分析して、どういった企業にアプローチしていけばよいのかという点について、疑問や問題がありました。
このセミナーではこれらの問題を解決する具体的な方法や、企業ごとの指向性の傾向が示されていました。

懇親会
懇親会は企業ごとに4つの机と軽食が用意され、そこに学生が3~4人加わるという形でした。前半は面談ができなかった企業と学生とをマッチングした座席が指定され、後半は学生が自由に移動してよいという形でした。
シンプルに人数が少ないので、コミュ力高い人が企業の方とずっと喋っていて、私みたいなコミュ障が、聞きたいことがあるのに聞けずに無言で突っ立ってるみたいな状況にならなくて良かったです(描写が少し具体的な理由は察してください・・・)。懇親会は終始和やかに進み、企業の方とも気軽に話せましたし、学生同士の交流も研究・就活という共通の話題があるため話が弾みました。

個人的な感想
まず思ったのが学生のレベルが、今まで参加したイベントの中でトップレベルで高いです。参加学生は(確認できた限り)全員が修士の学生ですし、研究については少ししか話すことができませんでしたが、聞いた人全員がディープラーニング研究にありがちな、「やってみた動画的な研究」をしている人はいないと感じました。
トップレベルの大学院の学生で意識も能力も高い人も多く、正直なことを言えば、場違い感を感じつつ、なんで選ばれたんだろうと思いながら参加していました(倍率は3倍程度だったらしい)。しかし、同じ研究分野を研究している他大学の学生と交流が持てることは刺激になりました。
それからこのイベントの良い点と悪い点をいくつか感じたため下に書いていきたいと思います。
良かった点
もっとも良かった点がAI系に絞られているということです。世間はAIAI鳴いている割に、機械学習エンジニアやデータサイエンティストを募集している企業はそこまで多くなく、大企業の内部にAIチームがあり、入り口はほかの職種と一緒の場合も多いです。ましてや研究と企業での仕事がマッチすることは一握りです。
合同説明会的なイベントに参加しても出会えるAI系企業は数社だけで、結局自力でコンタクトを取りに行ったほうが効率が良かったりします。そうした中で、企業と学生のお互いがAIにフォーカスした状態で、面談ができたのは有意義だったと思います。
参加企業に関しても学生15人程度のためとは思えないくらい豪華でしたし、1企業2~4人参加していたため、多くのコストをかけてくださっていると感じました。
1対1であるという点も、座談会のように、ほかの学生に気を使わないのでAIに関する専門的な質問や技術的な質問をすることができました。
最後に地方から参加の場合1.5万円の交通費補助が出ます。金のことかよと言いたくなるのはわかりますが、地方学生としては割と切実な問題ですw
実際今回のイベントは関西圏からの参加者も多かったです。
悪かった点
唯一悪かったなと思ったのが実際に面談ができたのが、5社中3社だったということです。懇親会で面談できなかった企業と一部お話することはできましたが、全ての企業と面談できたわけではなかったのが少し残念に感じました。ここの設計は、次回の開催時での改善を期待したいです。
ただ、面談のできなかったうちの1社とは、懇親会で同じ席になるようにセッティングされていたためお話しすることはできたのは良かったと思います。
あと割と個人的な要望ですが、交流会の時間が少し短いと感じたのと、お酒がほしかったです。優秀な学生が多かったので企業と同じくらい学生とも交流がしてみたかったというのがあります。
まとめ
最後に今回のイベントは比較的新しいため、いくつか改善すべき点も参加者として感じましたが、それ以上に参加してよかったと感じる点が多かったです。参加学生は優秀で、参加企業も人気企業、少人数制とシンプルに”強い”要素が多い就活イベントだなと思いました。これからも、もっと発展してほしいイベントです。
私みたいな、特段優秀でも、学歴があるわけでも、技術力があるわけでも、研究実績があるわけでも無い人間が、ラッキーパンチで参加していたりしますので、LabBaseユーザーで実は研究でAI使っているという方は、次回ぜひ応募してみてはいかがでしょうか?
それではいつかこの記事を見てくださった方とお会いできるのを楽しみにしています。(次回も参加させてほしいな~ _・)チラ )
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